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特殊な地盤条件での施工が要因と推定/東京外環道陥没調査/NEXCO東日本
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>NEXCO東日本関東支社は、東京外かく環状道路(関越~東名)本線トンネル(南行)工事現場付近(東京都調布市)で発生した陥没事象について、発生メカニズムの分析をまとめた。特殊な地盤条件下で閉塞したカッターを解除するために行った作業に起因するシールドトンネルの施工が、陥没・空洞事象の要因である可能性が高いと推定した。
陥没・空洞個所周辺の地盤の特性は、掘削断面は細粒分が少なく、掘削断面上部は流動化しやすい層が地表面近くまで連続し、表層部はほかの区間と比べて薄い地盤であることなど、特殊な地盤条件が重なっていた。
細粒分が少ない土は塑性流動性を得ることが困難となる。夜間休止時にチャンバー内の土砂が分離・沈降し、締め固まることでカッターが閉塞していた。閉塞解除のため行った起泡溶液を注入するなどの作業で土圧が不均衡となり、地山から土砂がチャンバー内に流入し、地山に緩みが発生した。
特殊な地盤下で塑性流動性を保つため、通常より多くの気泡材を地山に注入して掘進を再開していた。しかし、緩んだ地山に過度に浸透したことで、塑性流動性・止水性が低下し、切羽土圧の不均衡が生じた。また一部の気泡材は回収できず、掘削した地山重量が過少に評価されたことで、土砂の取り込みが想定より過剰に生じ、閉塞解除作業で発生した地山の緩みを掘進時にさらに助長した。
地山の緩みが進行方向に拡大し、地表面付近に硬質のロームをアーチとする空洞が形成され、硬質ロームが欠如している個所で陥没に至ったと推定している。
陥没・空洞の推定メカニズムを踏まえ、今後のシールドトンネル施工を安全に行うための再発防止対策の基本方針をまとめた。細粒分が少ない地盤では追加のボーリングを実施し、適した加泥材を選定する。チャンバー内圧力勾配などのリアルタイム監視、より厳しい管理値や気泡材を控除しない新しい管理項目を設定するなどを挙げた。
次回委員会までに再発防止対策の実施に向けた検討を進める。
残り50%掲載日: 2021年2月16日 | presented by 建設通信新聞