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  • 政府の成長戦略会議/新型コロナ踏まえ競争政策議論/「在宅勤務の生産性低い」8割超

    【利益率は2極化、宿泊・飲食は落ち込み顕著】

     

     政府は、17日に開いた第7回成長戦略会議で新型コロナウイルス感染症の経済への影響と、それを踏まえた成長戦略、競争政策のあり方について議論を始めた。コロナ禍がもたらした米国と日本への経済面の変化をデータに基づいて整理・検証し、今後の成長戦略に反映する。

     

     同会議で政府が提示した「コロナ禍の経済への影響に関する基礎データ」によると、1月現在の米国の消費支出は2020年1月と比べ、低所得世帯より高所得世帯の方が減少し、回復も遅い。高所得世帯の消費が落ち込んだことで、所得水準が高い地域に立地する企業の売り上げの減少幅が大きくなっている。

     

     特に飲食や宿泊、小売りなどの個人サービス業に売上減少傾向が顕著に表れており、雇用面にも影響が出ている。

     

     米国の個人向け現金給付は20年4月13日から入金を始め、15日には7割超の入金が完了した。低所得世帯の消費は持ち直したものの、国全体でみるとその効果は限定的だった。また、使途は自動車や家電製品、通信機器などの耐久消費財が増加した一方、個人サービス業への支出は少なかった。

     

     テレワークについては、実施率と年収が比例する傾向にある。年収15万ドル以上は52.2%で最多。年収が減少するにつれて実施率も低下し、年収2-5万ドルは27.5%にとどまる。

     

     作業効率は「職場勤務と同じ」「在宅勤務の方が効率的」がいずれも4割超で、日本で顕在化する「在宅勤務は職場勤務より効率性が下がる」といった否定的な評価は解消されつつある。

     

     テレワークに関する投資は、IT機器の導入など物的投資が1人当たり660ドル。テレビ会議ソフトの習得などの人的投資(1人当たり13.7時間)を金額換算すると、総額は20年の米国GDP(国内総生産)の1.2%に相当する。その投資はサンクコスト(既に支出し回収できない費用)化し、国民もテレワーク効果を実感していることから、米国ではコロナ禍収束後もテレワークが定着する可能性が高いとみられる。

     

     日本のテレワークの現状をみると、職場勤務と比べて「在宅勤務の方が生産性が低い」と回答した割合は、労働者が8割超、企業が9割超だった。生産性低下の要因には「対面のような素早い情報交換ができない」「パソコン、通信回線などの設備が劣る」「自宅では実施できない仕事がある」が挙がり、社内の働き方改革が現状打破の大きな推進力となり得る。

     

     1週間当たりのテレワーク実施日数(労働者単位)は大企業が4.5日、中小企業が3.6日。収束後は「同じ頻度で在宅勤務したい」が5割弱に達するが、「在宅勤務を少なくする」「職場で仕事する」も合わせて5割を超え、在宅勤務に消極的な回答も少なくない。

     

     上場企業の20年の営業利益は、日米とも先端産業が前年より伸びている。米国はアップル、マイクロソフト、アルファベット(グーグルの持ち株会社)、フェイスブック、インテル、アマゾン、日本ではKDDI、ソフトバンク、ソニー、任天堂が増加した。

     

     直近四半期と前年同期を比較した上場企業の利益率は、日米ともほぼ横ばいの「マイナス5%以上5%未満」が大半を占める。一方、好不調が2極化しつつあるため、利益率が低迷する企業、産業の特徴を分析した上で、効果的な対策の実施が求められる。

     

     日本では、サービス業の1月の消費支出が前年同月比で2割以上落ち込む。そのうち飲食と宿泊は4割以上減少し、コロナ禍の影響が如実に表れている。

     

     また、飲食は国内GDPに占める割合よりも雇用に占める割合の方が大きいため、雇用を守る観点からも具体策が急務となっている。

     

     コロナ禍を契機として、事業の再構築(業態の変化、拡大など)を実施した企業の割合は大企業、中小企業とも1割を切る。1-2年後の事業再構築を検討する割合は大企業が約3割、中小企業が約4割で全体的な動きは鈍いと言える。

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    掲載日: 2021年2月25日 | presented by 建設通信新聞

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