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  • 清水建設/給気スリットに騒音低減機能/感染症対策で効果

     清水建設は、建物における感染症対策や省エネルギー化に有効な自然換気用の外気吸い込み口として、室内に外気を取り入れても、騒音は入ってこない新たな給気スリット「しずかスリット」を開発・実用化した。騒音低減の機能を備えた給気スリットの開発は前例がない。既に大規模オフィス2件の設計提案に採用されているように、今後の積極的な活用が期待される。

     

     ビル用設備機器メーカーのオイレスECO(東京都品川区、前田隆社長)が製作する「しずかスリット」は、開閉装置と一体になったユニットとして外装材に組み込む。当面は清水建設に独占的に供給されるが、将来的に外販も予定している。

     

     断面形状は従来の自然換気用給気スリットと同様のL字型でスリット幅は30mm。スリット下端から入ってくる外気は、スリット片側に組み込んだ吸音材に続いて、スリット両側にある共鳴器、開閉装置部を経て室内に入っていく。

     

     耐候性・耐水性に優れる不燃性ポリエステル繊維で構築された吸音材が主に中高周波域の騒音を吸収。共鳴器は吸音材で吸収しきれない中低周波域の騒音を低減する。

     

     共鳴器はスリットに面した開口と開口に続く容器(空洞)によって構成。容器内の空気がバネの役割を果たすことで騒音を遮断する。開口幅と容器の容量を調整して低減したい騒音の周波数に応じたカスタマイズが可能になる。

     

     実証実験で、屋外の幹線道路や鉄道から給気スリットを介して室内に入ってくる騒音が明らかに低減されたことが体感できるレベル(3分の1から8分の1以下)まで低減できることを確認した。

     

     新型コロナウイルス感染症への対応や、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)化の有効な手段として、自然換気設備を採用する建物が増えているが、せっかく自然換気設備を導入しても、交通騒音などの影響で給気用スリットを閉鎖している建物が多いという実態があった。

     

     清水建設は給気用スリットに吸音・共鳴機能を組み込むことで、 そうした課題を解消。今後も多様な用途の建物に採用を提案する一方、 カーテンウォール一体型ユニットの開発にも取り組む方針を示す。

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    掲載日: 2021年2月25日 | presented by 建設通信新聞

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