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リモート採用活動の利点・欠点が浮き彫りに/本社調べ
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【母集団形成に効果も人材評価が課題】
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言が発令される中、2022年春入社の新卒採用活動が始まり、リモートシステムなどを使った非対面での採用活動が建設産業界でも不可避な状況で、リモートによるメリット・デメリットが浮き彫りになってきた。日刊建設通信新聞社が大手・準大手ゼネコン、建築設計事務所、建設コンサルタント、道路舗装会社、設備会社、メーカーに実施した「人材採用調査」では、リモート採用の質問への回答企業のほぼ全社に当たる126社がリモートでの採用活動に取り組み、母集団形成などでメリットが大きい一方、人材の見極めなどが課題となっている。
調査は、1月上旬から2月初旬にかけて130社にアンケート票を送付し、リモートでの採用活動の質問項目に建築設計20社、コンサル19社、ゼネコン31社、道路舗装9社、設備30社、メーカー18社から回答があった。ほぼ全社が、会社説明会や1-2次面接などでリモートシステムを活用した非対面で採用活動を進めている。面接次数が上がるほどリモートで実施する企業数は減るものの、日本工営は役員面接、長大とナカノフドー建設は最終面接もリモートで実施する考えで、積水化学工業も最終面接までウェブ化を検討している。
リモートシステムなど非対面での採用活動の メリット・デメリット(調査で多かった意見)
さらに、20社程度の企業はインターンシップでもリモートシステムを活用し、日建設計は実技試験、松田平田設計は企業研究会、日本工営と建設技術研究所、前田建設、ミライト・テクノロジーは筆記試験をそれぞれリモート化する。八千代エンジニヤリングは社員懇談、九電工と内田洋行は座談会、積水化学工業は先輩社員座談会、住友大阪セメントと宇部興産は工場見学をそれぞれリモートで実施するなど、学生との触れ合いの場もリモート化に知恵を絞っている。
リモートによる採用活動は、会場費・学生交通費の削減といったコスト面をメリットに挙げる企業が圧倒的に多い。加えて、学生側は地方在住でも応募でき、企業側はこれまでアプローチできなかった地域の学生を呼び込むことによる母集団形成や遠隔地の面接官の参加など学生・企業双方に大きなメリットが生まれている。「当日の無断欠席の減少」との回答もあった。
一方で、多くの企業が、学生の温度感・人となり・雰囲気・表情をつかみづらく評価が難しいと指摘したほか、社屋や作業所を見学できないことで、社風や社内の雰囲気など「言語化できない情報」の伝えづらさをデメリットとして挙げた。
遠隔地の学生の応募者増という効果がある半面、「気軽に参加できるため、応募者の志望意欲が低い傾向がある」という声もある。
こうしたデメリットを抱えたままの採用活動となるため、「仕事理解に欠けたまま内々定に至っている学生がおり、入社までのフォローが必要」「入社後のギャップによる離職の可能性」という懸念を抱く企業も少なくない。
残り50%掲載日: 2021年2月25日 | presented by 建設通信新聞