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  • 住宅・建築物の省エネ基準適合 全面的な義務化求める/河野行革相のTFが国交省に法改正提言

     河野太郎行政改革担当相のタスクフォース(TF)は24日、第5回会合を開き、2050年カーボンニュートラル(CN)の実現に向け、すべての住宅・建築物を対象に省エネルギー基準適合を義務化する内容で、建築物省エネ法の21年内改正に取り組むよう国土交通省に求めた。拙速な義務化は市場に混乱を招くなどとして慎重な姿勢を崩さない国交省に対し、河野行革担当相はCNが政府全体の目標になったことで従来の前提が根本的に変わったことを認識するよう迫り、規制省庁を変更する可能性にも言及した。

     

     全面的な省エネ基準適合義務化は、「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」が同日の会合で示した「住宅・建築物のエネルギー性能向上に関する提言」の1つ。

     

     TFは、50年CNの実現に向けた住宅・建築物の目標を設定し、目標達成までの行程を示す「バックキャスティング型ロードマップ」を21年内に策定した上で、すべての住宅・建築物に省エネ基準適合を義務付ける内容で同年内に法改正し、2年以内に施行するよう求めた。

     

     19年改正の建築物省エネ法が4月に全面施行されるが、300㎡以上の中規模建築物への適合義務拡大や、省エネ基準適否に関する建築士の説明義務制度創設などにとどまり、300㎡未満の建築物と住宅は適合義務対象にならない点を問題視し、CN実現に不十分と指摘した。

     

     国交省から出席した黒田昌義官房審議官(住宅)は、バックキャスティング型ロードマップの策定を前向きに捉える一方で、すべての住宅・建築物を対象とした省エネ基準の適合義務化は「市場を混乱させない形で進める必要がある」などと慎重な姿勢を示した。

     

     国交省の回答に対し、河野行革担当相は「菅総理が50年CNを発言し、世の中の前提が根本的に変わったということを国交省はまだ認識していないのではないか」と指摘。再エネを増やすとともに省エネを徹底することをCN実現の必須条件に挙げ、「国交省にできないなら、規制は環境省にやってもらい、規制に基づいた業界指導を国交省がやるぐらいのゲームチェンジをしないとダメだ。スピード感を持ってできるのかどうかを速やかに返事してほしい」と語気を強めた。

     

     また、国交省が3月の閣議決定を目指して策定作業中の次期住生活基本計画について、省エネ対策を含む気候変動への対応が十分に盛り込まれていないことを問題視し、内閣府や環境省と調整した上で明確化するよう求めた。

     

     20年12月の第1回会合で、TFが環境影響評価法に基づく風力発電の第1種事業適用基準を5万kWに緩和するよう求めたことを受け、同法を所管する環境省が1月に有識者の検討会を立ち上げるなど、TFの意見は一定の影響力があり、今回の提言で省エネ基準適合義務化の流れが生まれるかが注目される。

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    掲載日: 2021年2月26日 | presented by 建設通信新聞

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