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  • 建設論評・衰退する地方再生の好機

     新型コロナウイルス感染症の流行に伴うテレワークの加速で、電話のディスプレーに表示される着信番号も 会社支給の携帯電話からと思われる「080」「090」などが多くなってきた。未知のウイルスが与えたインパクトは、企業や個人の行動変容を着実に後押ししている。

     

     1月15日から22日に経団連が会員企業を対象に実施した、緊急事態宣言下のテレワーク実施状況に関する調査結果(1468社のうち 505社が回答)によると、在宅勤務(テレワーク)が可能な業務で原則実施しているかどうかの問いに対して、90%が「実施している」と回答している。

     

     テレワークが困難な製造現場などの従業員を除く出勤者数の削減割合は、宣言下の11都府県で65%だった。

     

     対象事業拠点の規模別の出勤者削減状況を見ると、従業員1万人以上は削減率が72.7%と政府が要請する「7割以上の削減」を達成している。一方、1000人未満では50.0%と、従業員が少ない企業ほど出勤削減率が低い結果となり、大企業とそうでない企業の格差が浮き彫りになっている。

     

     2020年4月の緊急事態宣言以降、テレワークの推進のために実施した対応について(複数回答)は、「情報機器や通信環境の整備」(95%)が最も多く、以下、「業務内容やプロセスの見直し」(87%)、「人事制度や勤務体系の改定」(66%)と続く。コロナ禍を受け、テレワーク推進に向けた環境・制度整備の活発な動きが広がっている。

     

     未曽有の感染症拡大で半ば強制的にかじを切ったテレワークだが、デジタル技術の恩恵によるオンライン会議などでも業務に大きな支障がないことがわかり、働き方に対する企業の意識も大きく変わりつつある。

     

     働き方の変容によって、改めて注目を集めているのが、都市住民が農山漁村などの地域にも同時に生活拠点を持つ「二地域居住」だ。二地域居住の推進に向けては、これまでに国土交通省が先進事例構築推進調査などを実施し、情報を発信してきたが、ウィズ・ポストコロナ社会で、テレワークなどを前提に地方での新しい生活様式に沿った新たな二地域居住のニーズが高まりつつあることから、同省を事務局とする「全国二地域居住等促進協議会」が3月9日に設立される。

     

     地域への人の誘致・移動を図る二地域居住には、人口減少、少子高齢化の進展によって過疎化する地域再生の切り札としての期待もかかる。

     

     協議会は、地方公共団体、関係団体、民間事業者、関係省庁で構成。2月15日時点で、正会員(地方自治体)は601団体、協力会員(関係団体・事業者など)は29者が参加を表明している。二地域居住の促進に関する施策、事例の情報を交換・共有しながら、具体的課題や対応方策を協議し、促進のための実践的な政策を検討・提言する。コロナ禍がもたらしたパラダイムシフトは、衰退する地方再生の好機にもなり得る。

    (音)

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    掲載日: 2021年3月1日 | presented by 建設通信新聞

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