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  • 8割が消極姿勢/全建調査「地域建設業のBIM/CIM活用」

    【発注者指定型拡大で普及促進】

     

     建設業の生産性向上、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上でBIM/CIMは一翼を担うとされるが、地域建設企業はその必要性をあまり感じていないようだ。全国建設業協会(奥村太加典会長)が傘下団体の会員企業を対象に実施したアンケートでは、建設生産システムをより効率化させる観点からBIM/CIMを肯定的に捉える向きがある一方、関連設備の導入コスト、専門人材の育成といった従来の課題に加え、地方自治体の対応が鈍いことなどを背景に、静観する姿勢が依然として大半を占めている。

     

     全建は、2020年7-8月にかけて「品確法に基づく運用指針の運用状況などに関するアンケート」を実施し、46都道府県建設業協会の会員企業1097社から回答を得た。

     

     調査項目のうち、BIM/CIMについては「既に活用実績がある」が9.0%、「今後活用したい(準備を進めている)」が12.5%で、前向きに取り組む割合は2割程度にとどまる。実際の活用を通じたメリットには「平面図と断面図を確認するだけでは見落としやすい既設埋設部と構築物との干渉度合いが明確になった」を始め、可視化による情報共有の円滑化、手戻りの防止を挙げる。

     

     デメリットでは専用のソフトウェアを扱える人材の確保、高価なハード・ソフト設備の導入のほか、「設計段階で図面データが3次元化されていないため、受注者側で3次元化作業が発生する」「各社それぞれのモデルデータのため、他の専用ソフトとの連携に汎用性がなく、関係業者を包括した活用にならない」と指摘する。

     

     改善策は、調査から維持管理までを一気通貫した3次元データ化と事業効率の向上を実現するため、「設計段階の3次元化をさらに進める必要がある」「自社だけでなく、協力会社も入れた体制の確立」などとしている。

     

     一方、BIM/CIMを「聞いたことはあるが内容は知らない」が39.7%、「活用したいが課題により取り組めない(様子を見る)」が22.3%、「活用予定なし」が14.4%。消極的な対応は全体の約8割に達する。

     

     その理由として、理解不足が大きいものの、地方自治体などの「発注者側が活用に向け積極的に動いているように受け取れない」「ICT施工もままならない状況であり、設備投資などの負荷もかかるため、発注時のCIMが条件になった際に対応する」との声が聞かれ、講習会などの積極的な開催や発注者指定型対象工事の拡大が地域建設業への普及のかぎとなりそうだ。

     

     「活用することで競争力などが向上するのであれば人員を割いて取り組みたいが、現状ではメリットがないように思う」「大型工事のみではなく、(設備投資の回収を見据え)中小規模の工事にも適用できる活用事例を紹介してほしい」などの意見も上がる。

     

    ◆ICT施工は7割が前向き

     

     ICT施工は、「状況により取り組みたい(準備を進めたい)」が41.4%、「積極的に取り組む」が33.3%で、7割超が前向きに対応する意向を示す。

     

     普及拡大の課題は、「ICT建機の価格・機能面などの体制の充実」「受注者側の人材育成・体制整備」「官積算への適正な反映」「助成制度の拡充」などとなっている。

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    掲載日: 2021年3月5日 | presented by 建設通信新聞

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