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  • 不調・不落へ連携強化/発注急増に備え意見交換/関東整備局と9都県建協

     関東地方整備局は4日、公共工事の円滑な施工体制の確保に向け、管内9都県の建設業協会との意見交換会をウェブ方式で開いた=写真。土井弘次局長は、事業規模15兆円程度の『防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策』の初年度分の財源を盛り込んだ第3次補正などを念頭に「きょうがこれから5年間のスタートのタイミングになる。しっかりと執行状況をフォローアップして、その中で次につなげていきたい。協会の皆さんと密に連携していきたい」と総括した。

     

     整備局からは土井局長を始めとした幹部職員や管内事務所の所長、建設業協会からは9人の協会長全員が参加し、受発注者間の連携をさらに強化した。こうした意見交換会は初めての取り組みで、ウェブ方式の導入によって実現した。

     

     意見交換会は整備局の岩崎福久企画部長による情報提供に続いて、9都県の建設業協会長がそれぞれ意見を述べた。協会側からは特に発注時の設計や用地の協議をしっかり整えてほしいとの指摘があったほか、施工余力はあるものの、入札契約制度などにより、直轄工事の敷居が高く、応札しづらいなどの意見があった。

     

     岩崎部長は、2019年東日本台風などに対応した災害復旧工事については、速やかな工事着手が求められていることなどを説明した上で、「詳細設計の時期の明示、設計変更は意見を踏まえて適切に対応したい」と応じた。続けて「コミュニケーションを図りながら発注施策などを伝えつつ、受発注者対等の立場でしっかりと仕事が取り組めるような体制を構築していきたい」と述べた。さらに「国のみならず市町村の仕事も発注者協議会などを通じて改正品確法(公共工事品質確保促進法)の精神が浸透するように、各都県とも協力をしながら取り組みたい」とした。

     

     各建設業協会からの意見要旨は次のとおり(発言順)。

     

     ▽茨城県(石津健光会長)=施工余力は十分あるが、直轄工事は会員各社が参加しない。一番の問題点は設計。また、自治体を含めた工事の平準化をお願いしたい。

     

     ▽栃木県(谷黒克守会長)=県の事業は発注の工夫で不調・不落はないが、国の仕事は敷居が高い。指名競争入札の積極的な活用をお願いしたい。また、入札要件を緩和してほしい。

     

     ▽群馬県(青柳剛会長)=手持ち工事が竣工しないと次の工事にチャレンジできず、採算性も悪くなる。アンケートの結果、直轄工事約8割で工期が延期している。施工内容を煮詰めて発注してもらいたい。

     

     ▽埼玉県(伊田登喜三郎会長)=現場状況に応じた受発注者のさらなる連携が必要。整備局工事に新たに参加する技術者を育成できるような方策を検討してほしい。長期的視野の工事量確保と平準化に配慮を。

     

     ▽千葉県(高橋順一会長)=施工余力は問題ない。用地の確保、事前協議が終了しないまま発注している例がある。結果、工事一時中止になれば経営を圧迫する。会議が重要。発注者、施工者、コンサル3者での意見交換が必要。

     

     ▽東京都(今井雅則会長)=仕事が減っている関係で廃業も出ている。建設キャリアアップシステムで技能者の年収をあげるため、労務単価を1.4倍ぐらいにしないと実現できない。脱炭素に向けた取り組みもお願いしたい。

     

     ▽神奈川県(松尾文明会長)=来年度予算は横浜市など大きな自治体は大幅に増えているが、郡部は減っている。新型コロナで今年度の出来高が上がらないと心配の声もある。執行優先の発注があり、市町村に指導してほしい。

     

     ▽山梨県(浅野正一会長)=アンケートで会員企業の9割が施工余力があると回答。公告から落札者決定までの期間を短くしてほしい。補正予算の執行期間が限られるため、無理な工事工程にならないようにお願いしたい。

     

     ▽長野県(木下修会長)=災害復旧工事が相当発注されており、B級以下を中心に不調が増えてきた印象。監理技術者が大変不足しており、余裕を持った適正工期設定を。また、監理技術者の兼任条件をさらに緩和してもらいたい。

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    掲載日: 2021年3月5日 | presented by 建設通信新聞

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