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燃え止まり層で性能確保/仕上げ材の選択に自由度/大成建設/2時間耐火木造部材
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>大成建設は、大規模・中高層建築物に適用できる2時間耐火の木造部材を開発した。石こうで構築する「燃え止まり層」だけで、耐火性能を確保している点が特長。表面に使う仕上げ木材の種類(樹種)や厚みを自由に選択できることから、仕上げ木材のバリエーションに富むという利点がある。木材利用のニーズに応えるデザイン性の高い空間の提供に役立つ。
新たに開発した2時間耐火の木造部材(柱部材)は、石こうを使った燃え止まり層で荷重支持部の木材を包み込むことで必要な耐火性能を確保している。表面の仕上げ木材を「燃えしろ層」としてカウントしないために、仕上げ木材の種類(樹種)や厚みなど選定の自由度が増す。
燃え止まり層のみで2時間の耐火構造を実現していることから、仕上げ木材が耐火被覆を兼ねる従来の耐火部材と比べて部材の断面を小さくすることが可能。対象となる建築物のデザインに合わせて、最適な仕上げ木材(樹種)を選択できる利点がある。
工場での施工を基本とする燃え止まり層の構築は、水に溶いた石こうを流し込む(荷重支持部の木材を包み込む)ことで一度に形成するため、従来の耐火部材よりも低コストで製作が可能。廃棄処分される廃石こうも使用できることから、将来的に一層の低コスト化と環境負荷の低減が見込めるという。
納まりが複雑になりやすいブレースや異種構造との接合部であっても、石こうの塗り付け・吹き付けによって隙間なく耐火被覆を施すことができるため、円形断面など複雑な施工にも柔軟に対応できるというメリットも併せ持つ。
近年、耐火構造を持つ多様な木造部材が開発されているが、一般的に建物の荷重を支える荷重支持部と、その荷重支持部を燃焼から守る燃え止まり層、表面の仕上げ木材による燃えしろ層の3層で構成されるケースがほとんど。
例えば、燃え止まり層に木材を使うと、燃えしろ層の樹種や密度が限定されるなど、部材全体の製作コストが高くなるという課題があった。
同社は、仕上げ木材を自由に選択できるデザイン性の高さと、低コスト化を両立させた木仕上げ耐火部材の開発によって、木材利用に対する顧客ニーズへの対応を狙う。
残り50%掲載日: 2021年3月10日 | presented by 建設通信新聞