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応用地質 東日本大震災経験者に意識調査/「インフラ」復興実感8割超
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【「景気・雇用」半数割り込む】
応用地質は、東日本大震災から10年を迎える中、岩手、宮城、福島3県の震災経験者を対象とした復興に関する意識調査の結果を明らかにした。回答者の54.7%は「復興が完了している」と感じ、特にインフラや公共施設、住宅といったハード面では8割超が復興を実感している一方、景気や雇用では半数以下にとどまり、今後の復興事業でも地元民の雇用創出など経済活性化への期待が大きい。県別では総じて岩手県で復興実感値が低い結果となった。
調査は、震災を経験した東北3県の20歳から69歳までの男女600人を対象に、2月19日から25日まで、インターネットによるアンケート形式で実施した。被災者の実体験に基づき、来るべき大災害への備えや事前復興のあり方、今後の復興事業について考察することが目的。
震災から10年を迎えた現在の復興状況に関しては、「完全に完了」と「ほぼ完了」を合わせた割合が宮城県で64.5%と最も高く、福島県も51%となっているのに対して岩手県は48.5%と半数を割り込んでいる。
項目別では、「道路や鉄道、橋、堤防などのインフラ」が86%、「病院・学校・役所などの公共施設」85.5%、「自身の住宅」80.5%、「自身の生活再建」76.2%、「商店街、商業施設など」67.6%と続き、ハード面に対する復興実感が高い一方で、「景気や雇用など地域経済活動」は46.8%にとどまった。特に岩手県での復興実感値が他の2県よりも低く、「商店街、商業施設など」が宮城で76.5%、福島73.5%に対して53%、「地域経済活動」も宮城、福島が50%台に対し32.5%と大きな差が見られる。
いま必要だと思う社会インフラは「防災」「観光」「情報通信」とする回答が多く、災害に備えて自治体に期待することでは約6割が「被災者生活支援の充実」を挙げた。今後の復興事業に期待する施策では「地元民の雇用創出」が63.5%と最も多く、次いで「高齢化、過疎対策」が52.8%、「経済補償」44.3%と経済の活性化施策を重要視している。
他方、住民や地域のコミュニティーによる自発的な「地区防災計画」の取り組みについては「まったく知らず、取り組みに参加したこともない」という回答が半数を超え、言葉自体の浸透度とともに社会的な関心が低い実態も明らかになった。震災前後で行った防災対策では避難所やハザードマップの把握が多く、防災アプリの活用は震災後、特に大きく増加した。一方で震災前後とも「何も対策していない」が3割近くあり、自助や共助の意識喚起と行動変容につなげる難しさの一端を示している。
残り50%掲載日: 2021年3月10日 | presented by 建設通信新聞