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空調配管のアルミシフト加速/普及目指し設備工業会も発足/銅の供給不安に備え
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>空調設備の冷媒配管部材に、軽量で廉価なアルミニウムを使おうという機運が急速に高まっている。電気自動車(EV)の普及拡大などに伴い、配管市場への銅の安定供給が不安視されている一方、銅の3分の1という軽量さが施工現場の省力化につながることなどが理由だ。業種横断的に関係各社の知見を持ち寄り、規格の制定などを通じて普及を図ろうと、一般社団法人アルミ配管設備工業会(東京都大田区、坂吉肇代表理事)も立ち上がった。 同工業会は1月31日に発足した。2月27日から3月2日にかけて開催された冷凍・空調・暖房展「ヒーバック・アンド・アール・ジャパン2018」を皮切りに、本格的な会員募集を始めた。9日現在で、6社から入会の申し込みがあり、このほかに10数社から問い合わせが来ているという。
国内の冷媒配管工事は、99%以上で銅管が使われている。坂吉代表理事は「銅管は広く普及しており、品質や施工面で何か問題があるわけではない」と前置きした上で、発展途上国を含めた世界的なスマートフォンの普及や自動車のEVシフトなどを背景とする銅需要の増大を受け、「銅の価格高騰や配管分野への供給不足が懸念されている。特に大手のゼネコンやサブコンの危機感は強い」と指摘する。
資材を供給するメーカー側も、ユーザーである施工会社のニーズを把握。各メーカーがばらばらに動いていたのでは、規格の制定や公的認可の取得に多大な時間を要するとみて、管工機材メーカーのベンカン(群馬県太田市、岡本昭三社長CEO)など数社が発起人となり工業会の設立に踏み切った。
ゼネコンやサブコン、空調機器メーカー、流通事業者などにも参画してもらいたい考えで、工業会の入江孝弘理事は「アルミ配管設備の市場創設を果たしたい」と意気込む。リサイクルのしやすさのほか、精錬時や運搬時を含めたCO2削減効果も訴えていきたい考えだ。
ステンレス配管の規格化などを実現したステンレス協会(東京都中央区、木村始会長)をモデルケースに、アルミ配管製品の規格づくりや国土交通省との協議といった活動を展開していく。規格への適合性を審査・認証する制度も創設する方針だ。特にJISなどがない継手の規格策定を急ぐ。
まずは冷媒配管のアルミ化がターゲットだが、いずれは冷温水配管への展開も視野に入れている。冷温水配管は鉄管が主流で、配管のサイズが大きい分、重量もかさむ。アルミの軽さというメリットが、施工現場の生産性向上に大いに生かせるとみている。
冷媒配管をめぐっては最近、高砂熱学工業や三機工業など大手サブコンの一部で、アルミ化を実現する工法の開発が相次いでいる。両社とも実証試験などを終えて実用化段階に入っており、自社施設への導入を始め、今後の施工物件への適用提案を本格化する方針だ。
残り50%掲載日: 2018年3月14日 | presented by 建設通信新聞