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生コン情報を電子共有/日建連らコンソーシアムが提供開始/施工、供給者ともメリット
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>日本建設業連合会(山内隆司会長)が大成建設、横浜国立大などとのコンソーシアムで開発を進めてきた、「映像を含む電子化した生コン情報のクラウド共有活用(生コン情報の電子化)」が実用段階に達し、「it-Concrete」として提供を始めた。書類削減を始めとする工事現場、生コン工場の作業効率化が見込まれるほか、他社のシステムでも一部情報が共有でき、連携面の汎用性を兼ね備える。今後も施工者、生コン供給者の利点強化の観点で機能拡充を図りながら、建設事業の生産性向上に後押しする。
it-Concreteは、生コンの製造から打設までの各種情報をクラウド上で一元管理し、関係者がリアルタイムで共有できる。出荷・打設状況の見える化、打設帳票、管理図などの書類作成時間の短縮、生コン数量の最適化などによって、コンクリート工事のサプライチェーンマネジメントのさらなる合理化が期待される。
施工者側が他社のシステムからクラウド内の伝票情報にアクセスできることも大きな特長となっている。
今回の開発は、「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(PRISM)」を活用し、2018年度から着手。大成建設の「T-CIM/Concrete」をベースシステムとした。
現場実証では、コンクリート打設時間の最大20%、内業時間の50%以上の削減、CIMとの連携による試験作業、監督業務の合理化などを確認。品質管理の効率化だけでなく、品質向上でも効果を上げた。また、スランプ試験は現行、コンクリートや生コン車が一定数に到達した時点で実施する「サンプリング計測」を導入しているが、コンクリートの画像からAI(人工知能)判定する「全数計測」の代替手法を試験導入した。「効率的で高度な管理が可能」であることが判明したものの、発注者、供給者、施工者が納得する「管理基準の改定案の検討が必要」との結論に至っている。
18-19年度に実施した試行結果からさまざまな成果が明らかになったものの、供給者側の生産性向上が希薄だったため、20年度は複数の生コン工場、現場での社会実装に合わせ、供給者のメリットとなる書類電子化、専用サーバーを介した伝票情報の自動転送、残り・戻りコンクリートの削減、配車合理化に向けた運搬・施工進捗の共有、工場が必要とする情報の表示などを追加した。
施工者、供給者双方にとって有益なツールとして形になり、NETIS(新技術情報提供システム)にも認定されたことから、ことし1月からit-Concreteとして販売を始めた。PRISMの枠組みから独立することで、土木・建築にかかわらず、幅広く提供できる体制とした。具体的な運営(販売)主体はコンソーシアムに参画する、成和コンサルタントが担当する。
21年度以降は、関係機関・団体との連携を視野に入れつつ、JIS(日本産業規格)対応下でのペーパーレス化の可能性、納品書・受領書機能、運搬者への作業指示書の代替方法などを検討し、普及促進に努める方針だ。
残り50%掲載日: 2021年3月18日 | presented by 建設通信新聞