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  • インフラ点検の生産性向上へ/ロボット技術の開発加速/国交省 要求性能案を公表

     国土交通省は14日、橋梁やトンネルの点検・診断の効率化や合理化に役立つ「点検記録作成支援ロボット技術」の要求性能(案)を公表した。点検作業の生産性を高める手段の1つとして、実用化への期待も大きいロボット技術の導入に弾みがつく。求める性能や水準を明確化することで、民間企業の技術開発も加速することになりそうだ。

     

     要求性能(案)をまとめたのは「道路橋点検記録作成支援ロボット技術」と「道路トンネル点検記録作成支援ロボット技術」。

     

     橋梁で言えば、これまで試行・検証のターゲットとしてきたロボット技術による「損傷写真の撮影」(損傷の程度を適切に判別できる精度があるか)だけでなく、取得した膨大なデータ(損傷写真)の整理や、損傷図の作成、損傷程度の評価(自動判別)に至るまで、従来手法で点検員が行う一連の流れに沿って、要求性能を設定した。

     

     新たに要求性能(案)を定めた「損傷写真の整理」「損傷図の作成」「損傷程度の評価区分の自動判別」に関する現場検証として、2018年度にNETIS(新技術情報提供システム)を活用したテーマ設定型の技術公募を予定。対象技術の検証を積み重ねる中で将来的な実用化への道筋をつける。

     

     現在の橋梁やトンネルの点検作業は、専門的な知識を持つ技術者(点検員)による近接目視が大前提となっている。技術者の近接目視を出発点に、人が損傷(変状)の検出や構造物の健全性の診断を実施。その結果を調書に落とし込むという一連の手順を踏む。

     

     この一連の流れにロボットなどの新技術を組み込むことで、例えば、これまでの近接目視をロボットが撮影した損傷写真(変状写真)による判読、技術者による損傷の検出や評価をAI(人工知能)を活用した自動検出(自動判別)に置き換えることができれば、一連の点検作業が一気に効率化される。

     

     人の目や判断を支援することができる、この要求性能を満たすロボット技術が確立すれば、点検作業の生産性を高めることにつながる。建設現場におけるイノベーションの喚起という点では、この要求性能(案)の提示と明確化は、技術開発に取り組む民間分野にとっての“指標”として大きな意味合いを持つことになる。

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    掲載日: 2018年3月15日 | presented by 建設通信新聞

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