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  • 経営軸線・大建工業・大和ハウス

    【木質培地で連携強化 キーワードは“エコ”/胡蝶蘭通して新しい文化創造】

     

     SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた企業に求められる役割が増す中、大建工業と大和ハウス工業が、“エコ”をキーワードに連携を強化する。大建工業が開発した木質培地「グロウアース」と、大和ハウス工業のミニ胡蝶蘭栽培事業「COCOLAN」(ココラン)を融合した取り組み。環境負荷の低い培地による農福連携を目指し、大和ハウス工業の東上栽培事業開発室室長は「胡蝶蘭を通して新しい文化を創造したい」と決意を示す。

     

     両社が連携するきっかけとなったのは、展示会「関西農業ウィーク」。2019年の展示会に大建工業が出展しており、国産で高品質なことと安定した生育が決め手となり、胡蝶蘭の培地を検討していた大和ハウス工業は同社との連携に乗り出した。両社の社会貢献やSDGsへの姿勢が一致しており、「まずは事業をしっかりと成功させたい」と東室長は意気込む。

     

     大建工業が15年に策定した25年までの長期ビジョン「GP25」では、主力事業の素材・建材・エンジニアリングに加え、4つ目として農業・園芸分野への参入を掲げている。事業を通した社会とSDGsへの貢献を目指している。

     

     グロウアースは大建工業が建材を製造する過程で発生する杉の端材を使う。鉢植えや野菜の栽培を目的としており、水はけ度合いを考慮し、チップの細かさを4段階に分けている。これまで、培地は海外産が多かったが、マテリアル営業部大阪営業課の城内雄二氏は「安定的な量を国産の有機材で生産できる国内企業は少ない」と説明する。同社は22年度の販売目標を1億円に設定している。

     

     大和ハウス工業は今後の事業を展開する上でエコを重要視している。ココランは台湾から苗を輸入し、国内で生育する。生育過程によって、低温室・栽培室・順化室の3段階に分けている。開花後に外の環境に適応させるための順化過程で培地にグロウアースを使っている。

     

     胡蝶蘭を採用した理由について、大和ハウス工業栽培事業開発室の塙千尋氏は「祝いの花として知られていることと、着手しやすい大きさだったから」という。兵庫県三木市にある同社住宅団地内に整備した栽培施設を活用しており、地元雇用の創出にも寄与している。ココランの鉢植えには紙を使うなど、環境にも配慮する。

     

     現在の生産能力は年間10万鉢。4月から販売を始め、今後の目標として21年末までに1万2000鉢を生産し、品質を検証する。胡蝶蘭はデリケートなため、輸送面での課題があるが、数年後には関東にも進出したい考えだ。

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    掲載日: 2021年3月19日 | presented by 建設通信新聞

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