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  • 法定福利費の内訳明示/元下とも7割に上昇/技能者賃上げ 初の減少/国交省・20年度下請実態調査

     国土交通省は19日、2020年度下請取引等実態調査の結果を発表した。法定福利費が内訳明示された見積書の活用状況は元請け、下請けともに上昇し、それぞれ約7割に上った。技能者の賃上げの状況は、引き上げが約8割と大勢を占める状況は変わらないものの、この調査項目を追加した17年度以降で初めて前年度比で減少に転じた。

     

     19年7月から20年6月までの元下取引について、1万3291社から有効回答を得た。

     

     標準見積書など法定福利費が内訳明示された見積書は、元請けの49.4%が全部、19.8%が一部の下請契約で提示を働き掛けていると回答した。30.9%は提示要請していないとし、その理由については、「既に必要な法定福利費相当額を契約金額に含めて支払っている」が52.0%で最多となった。

     

    4858賃金水準の引き上げ状況(立場別)

     

     下請側は、すべての工事で提出が44.9%、一部工事が28.0%。27.1%は提出していなかった。未提出の理由は「注文者が求めてこなかった」(61.5%)が最も多かった。

     

     技能労働者の賃金水準の引き上げ状況は、引き上げた(予定を含む)との回答が79.3%となり、前年度より4.6ポイント低下した。引き上げの理由は「周りの実勢価格が上がっており、引き上げなければ必要な労働者を確保できない」が最も多く、次いで「若者の入職促進など業界全体の発展に必要と考えた」が続いた。

     

     反対に、引き上げない理由については、「経営の先行きが不透明で引き上げに踏み切れない」や「受注者の立場では発注者(施主)や元請負人に賃金引き上げの費用を求めづらい」の順で多かった。

     

     20年度調査から新たに追加した建設業退職金共済制度の加入状況は65.9%。証紙をすべて交付している割合は直接雇用する技能者に対してが68.3%、下請先に対してが45.7%だった。

     

     建設キャリアアップシステムの登録状況は20.7%。カードリーダー設置や現場登録を実施している事業者は4.3%にとどまっている。

     

     施工体制台帳の整備状況はおおむね順守されている一方で、契約書や資格者証といった添付種類については、公共工事でも36%が不足しているという結果となった。

     

     支払い手段は約9割が全額または労務費相当分は現金で支払っている。手形を設定している企業のうち、9割は期間を120日以内としている状況だ。政府全体で手形期間の短縮や廃止向けた動きが進むことから、今後、建設業法令順守ガイドラインの改定などで対応する方針だ。

     

     下請契約の締結方法については、大臣許可の特定建設業では約9割が適正に契約を締結している一方、知事許可の一般建設業者では4割しか適正に契約を結んでいない。特に、知事許可の一般建設業者の18.8%は「メモまたは口頭」による契約締結を行っており、同省は調査結果に基づいて指導や立ち入り検査を行っていくとしている。

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    掲載日: 2021年3月22日 | presented by 建設通信新聞

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