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  • 排水湿潤連続養生「Wキュアリング」/凍害・塩害対策に効果/大成建設 材齢3年で品質評価

     大成建設は、コンクリート表層の耐久性の向上を図る排水湿潤連続養生技術「Wキュアリング」を適用したトンネル工事の材齢3年での品質確認・評価の結果、従来の工法よりも凍害・塩害に対する耐久性が大幅アップすることを確認した。今後も継続して作業性の改善を図りながら、塩害・凍害への対策が求められる構造物を中心に積極的な提案・適用を狙う。

     

     2013年に開発した排水湿潤連続養生技術「Wキュアリング」は、木枠・透水板・透水性シートを一体化させた専用の型枠ユニットを使うことで、コンクリートを打ち込んだ後、脱型せずに連続で湿潤養生を行う仕組み。

     

     余剰水の排出によって、 コンクリート表層の水セメント比を低減して組織構造を緻密化させる一方、 凝結が終了した後で速やかに養生水を供給することでセメント水和反応を促進。 従来と同様の施工方法・工程でありながら、コンクリート表層の耐久性を高めることができる技術となる。

     

     水分や塩分の浸透によるコンクリート内部にある鉄筋の腐食や、凍結融解による表層のはく離を抑制するための技術として、17年に施工した国土交通省東北地方整備局のトンネル工事(凍結融解の影響を受けやすい坑口近くの覆工コンクリート下部)に適用していた。

     

     材齢3年となる20年9月の品質確認によって、従来工法との比較で塩害・凍害の抑制に関連する表面吸水速度が約18分の1、表層透気係数が約20分の1に低下。構造物としての耐久性が大幅にアップしていることを確認した。

     

     塩害や凍害に対する構造物としての耐久性がアップすることで、必要なメンテナンスの頻度が大幅に低減する。従来と同様の材料・工程で施工できることから、少ない投資で大きな見返り(耐久性の向上)が得られる画期的な技術と言えそうだ。

     

     今後も継続して工種や部材など適用する条件に合わせた作業性の改善(養生方法の改良)を進めていく。より技術として使いやすさを高めることで、塩害・凍害への対策が求められる構造物や、対策を必要とする個所への積極的かつ効果的な適用を狙う。

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    掲載日: 2021年3月23日 | presented by 建設通信新聞

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