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  • 大成建設/直下地盤に改良体/機械小型化、建物内で施工可能

     大成建設は、地中拡翼型の機械攪拌式地盤改良工法「WinBLADE工法」を改良し、実現場に初適用した。施工機械の小型化や攪拌翼の改良、施工手順の見直しなどにより、既存建物内から基礎スラブを残したまま直下地盤に改良体を造成でき、支持力を高められる。施工後の調査では、改良体の強度や床スラブとの密着性を確保していることを実証した。

     

     同社と日特建設の共同開発によるWinBLADE工法は、地中で開閉できる小型攪拌翼を備えたクローラー削孔機でセメント系改良体を造成できる。鉛直、斜め、水平方向に施工でき、さまざまな液状化対策に適用が可能。攪拌翼の開閉により舗装などの表層障害物や地中埋設物を避けて施工できるほか、細粒分を含む地盤にも適用できる。これまでに1件の施工実績がある。

     

     改良したWinBLADE工法は、従来より小型の施工機械を適用した。これまでは施工ヤードに約4×8mを要していたが、約2×4mで済み、狭あいな個所でも施工できる。硬質な粘性土に対応し、改良体を支持層に接着するため、羽根形状を改良して削孔性を高めた。さらに、セメントミルクの吐出方向を横方向から斜め下方向へ変更することで、確実な改良体の造成を実現する。

     

     また、これまでの施工では、下端から2mごとに攪拌翼を1.5往復させて改良体を造成していたが、改良後ははじめに全深度を削孔後、従来と同様の手順で改良体を造成することにより、スムーズかつ安定した施工を実現した。

     

     適用した現場は、RC造地下1階地上2階建ての既存建物。耐震補強と増床による荷重増加に対応するため、空頭制限約5mの地下1階で床スラブに設けた直径200mmの孔から、直径800mm、長さ4-8mの改良体を計8体造成した。

     

     建物の床は二重スラブでスラブ間に間隔があったため、スパイラル管を設置して確実な排土を実現した。また、床スラブと改良体を一体化するため、機械攪拌が困難な直下の砕石層にはセメントミルク濃度を段階的に変化させて注入し、密着性を高めた。

     

     施工後の調査で改良体の設計強度が当初設定の1㎡当たり900キロニュートン以上であることを確認した。また、載荷試験により床スラブと改良体の高い密着性も実証した。

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    掲載日: 2018年3月28日 | presented by 建設通信新聞

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