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  • 4月からこう変わる/行政・団体

    【働き方改革は実行段階へ】

     

     建設産業における働き方改革への取り組みが準備段階から実行段階に移る2018年度が1日から始まる。「25年度までに2割向上」という建設現場の生産性向上目標の達成に向けた動きも一段と加速する。担い手確保・育成にも関連する制度改正なども含め、4月からどう変わるのかをみる。

     

    ◆長年の慣習から脱却業界一丸で改革推進

     

     建設産業界の各団体は、働き方改革の実現に向けた“助走期間”を経て、4月からは具体的な取り組みへと一歩を踏み出す。

     

     長時間労働の是正に向けては、17年9月に日本建設業連合会が時間外労働の適正化に向けた自主規制の試行を打ち出して以降、日本道路建設業協会、日本橋梁建設協会、プレストレスト・コンクリート建設業協会、日本埋立浚渫協会が、時間外労働の段階的削減目標などを盛り込んだ、働き方改革の基本方針を策定している。設備関係でも日本電設工業会が基本方針を、日本空調衛生工事業協会が行動計画を打ち出した。18年度からは目標達成に向け、各団体の会員企業による取り組みが本格化しそうだ。

     

     週休2日の実現に向けた取り組みも活発化する。日建連は、18年度から統一土曜閉所運動を展開する。会員企業の全事業所を対象に18年度は毎月第2土曜日、19年度は毎月第2、第4土曜日の統一閉所を強力に推進する。

     

     運動は建設業関係13団体も賛同する。国土交通省、厚生労働省のほか、経団連、日本商工会議所、日本労働組合総連合の後援も得ながら、機運を盛り上げ、建設業の週休2日実現を目標に長年の慣習からの脱却を目指す。

     

     18年度は、建設業の後進性を克服し、他産業に負けない環境づくりの礎を築く歴史的な転換点になりそうだ。

     

    ◆国費率かさ上げ対象に補助国道の修繕を追加

     

     17年度末までの時限措置となっている道路整備に関する財政上のかさ上げ措置に関する法律(道路財特法)を10年間延長し、補助国道の修繕を対象に加える。交付金事業はアクセス道路や老朽化対策が必要な道路、通学路などの重点配分対象事業に絞ってかさ上げする。かさ上げする割合は現行と同様、通常の2分の1から10分の5.5とする。

     

     財政力の乏しい自治体に追加で措置していたかさ上げは、市町村道の改築や補助国道等の修繕を加えてすべてを支援対象にした。道路財特法を含む道路法等改正案は30日の参院本会議で可決、成立の見通しとなっている。

     

    ◆港湾施設技術上の基準を改訂

     

     国土交通省は、インフラ老朽化や東日本大震災などを教訓とした防災・減災対策を強化するため、『港湾の施設の技術上の基準』を改訂し、4月1日から適用する。「生産性向上」「既存ストックの有効活用」「防災・減災対策の強化」「国際競争力の強化」「環境への配慮」の5項目を柱に記載内容を充実した。

     

     i―Constructionの推進に向けて、ICTの活用や規格化・標準化された部材の活用を盛り込んだほか、東日本大震災の被災事例の分析・検討を踏まえ、耐津波設計における粘り強い構造などを明記。既存施設の用途変更や設計条件の変更などにより施設を改良する際の全体手順、基本事項なども明確化した。

     

    ◆旅客施設のバリアフリー新基準施行

     

     国土交通省は、公共交通分野のバリアフリー水準を底上げするため、旅客施設や車両などの設備に関する基準の改正省令を4月1日から施行する。

     

     大規模な鉄道駅では、バリアフリー化された経路を複数設置することを義務付ける。また、一般の通路との長さの差をできる限り小さくすることも新たに求める。

     

    ◆労災保険料率を5業種で引下げ

     

     厚生労働省は、労働者災害補償保険(労災保険)の料率を1日から改定する。建設事業の料率は、8業種のうち3業種を現状維持とし、5業種の料率を引き下げる。また、建設事業の労災保険料率算定に必要な労務費率も改定する。統計上、建設工事1件当たりの請負金額が増え、賃金総額も増えているものの、それ以上に資材価格の高騰が影響し、結果として、請負金額に占める労務費の割合が減っていることから、5業種の労務費率を引き下げる。

     

     労災保険料率は、原則3年ごとに過去3年間の災害発生状況などを考慮して改定。改定する料率は、原則18―20年度の3年間に適用される見通し。

     

    ◆障害者法定雇用率2.2%に引上げ

     

     障害者雇用促進法に基づき、障害者の雇用義務がある企業の法定雇用率が、2.0%から1日に2.2%に引き上がる。あわせて、これまでの身体障害者と知的障害者に加え、より定着が難しいとされる精神障害者の雇用も、企業に義務付けとなる。

     

     これに伴い、障害者雇用を義務付けている企業規模も、従業員50人以上から同45.5人以上に引き下げられ、義務化対象企業が増える。建設業で同50人以上の義務化対象企業は3530社あったが、1日からは数百社増えるとみられている。これまでの建設業義務化対象企業の法定雇用率達成企業の割合は5割弱にとどまり、障害者雇用を増やすことが建設業界に求められている。

     

    ◆セーフティネット保証5号の保証割合引下げ

     

     中小企業の資金繰りを支援する「セーフティネット(SN)保証(100%保証)」のうち、不況業種中小企業に対応する「SN保証5号」の保証割合が、100%保証から1日に一律に80%保証に引き下げとなる。引き下げ後のSN保証5号を使うことができる18年度第1四半期指定業種は建設業で18業種ある。

     

     SN保証5号の保証割合引き下げは、1日施行の信用保険法等改正法を踏まえ、金融機関が前面に立って、不況業種中小企業の経営改善や事業転換を促すことが狙いだ。SN保証5号の利用実績は近年減っているものの、全産業の中で利用実績が最も多い建設業の利用割合は約3割で変わっていない。

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    掲載日: 2018年3月30日 | presented by 建設通信新聞

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