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スコープ/国交省、i-Con推進へ取り組み深化/生産性2割向上へ、新施策で加速
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>建設現場の生産性を抜本的に向上させようと国土交通省が進めるi-Constructionの取り組みが3年目に入った。16年度に直轄土工事でICT(情報通信技術)を本格導入し、17年度には舗装工や浚渫工へと拡大。コンクリート工の規格の標準化や施工時期の平準化を含めたトップランナー施策の継続と18年度からの新施策も組み合わせ、2025年度までに生産性2割向上を目指す活動のさらなる“深化”を図る。(編集部・山口裕照)
石井啓一国交相が生産性革命元年と位置付けた16年に同省は、i-Constructionを本格始動。▽ICTの全面的な活用(ICT土工)▽全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化等)▽施工時期の平準化-の三つをトップランナー施策として走りだした。
16年度に直轄の大規模土工事で調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までの各プロセスにICTを全面導入。17年度は舗装工(アスファルト)、浚渫工(港湾)などでICT活用に取り組み、18年度はさらに工種を広げる。
18年度にICT浚渫工として河川浚渫、ICT舗装工でコンクリート舗装を実施。のり面工と修繕分野の舗装工にICTを試行導入し、19年度に基準を整備する。営繕分野では施工BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を試行。18年度中にBIMガイドラインを改定する。
ICT土工で対象とする工種を従来の一般土木に加え、アスファルト舗装、セメント・コンクリート舗装、のり面処理、維持修繕にも広げる。施工者の希望による発注はこれまで土工量2万立方メートル以上を目安としきたが、1万立方メートルに引き下げ入札段階でのICT活用をさらに促す。
CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の適用拡大に向けて18年度、橋梁やトンネルなど大規模な構造物の詳細設計でCIMを原則化する。試行業務・工事で設定する要求事項(リクワイヤメント)を拡充。課題を抽出し解決方策を検討する。3次元(3D)データをクラウドサーバーに保存し、関係者が共有・利活用できる環境整備も進める。
コンクリート工は、現場打ちコンクリート、プレキャスト(PCa)の両面から施工の効率化を図る技術について検討。16年度は、▽機械式鉄筋定着工法の配筋設計▽現場打ちコンクリート構造物に適用する機械式鉄筋継ぎ手工法▽流動性を高めた現場打ちコンクリートの活用-の三つのガイドラインを策定した。
17年度は、▽PCa適用範囲▽プレハブ鉄筋▽埋設型枠-の三つのガイドラインの整備を推進。コンクリート橋部材のPCa化を促進するため、設計段階で橋梁形式を選定する時、現場打ちとの比較検討に関する考え方を明確化。部分的や、一部の大規模橋梁にPCa部材を採用する際の構造的特徴や留意事項などをガイドラインに盛り込む。
現場打ちコンクリートの効率化を図る技術の一つが「ハーフプレキャスト」。この要素技術となるプレハブ鉄筋と埋設型枠に関するガイドラインを策定し、ハーフプレキャストなど新工法の促進を図る。
平準化の取り組みは、改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づく運用指針に位置付けられている。債務負担行為の積極活用や年度当初からの予算執行の徹底などを通じて、「発注や施工時期の平準化」を図るとしている。
国交省は通常、補正予算で計上するゼロ国債(当該年度の支出がゼロで年度内に発注できる国庫債務負担行為)を17年度に当初予算で初めて設定した。18年度も当初予算で国債を活用した施工時期の平準化措置を継続。2カ年国債の規模を1740億円(17年度当初1492億円)に増額し、ゼロ国債も1345億円(同1413億円)とした。
限られた人材を効率的に活用するためにも施工時期を平準化し、年間を通して工事量を安定化させる効果は大きい。閑散期となる4~6月の施工量を増やすことで、建設現場の生産性向上とともに建設業の働き方改革推進につなげる。
国交省は建設業の働き方改革をさらに加速させるため、長時間労働の是正、給与・社会保険、生産性向上の3分野の施策をパッケージ化した「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定した。公共工事で週休2日の実施に伴う必要経費を的確に計上したり、中小の建設会社にICT活用を促すため公共工事の積算基準類を改善したりなど、各種施策を提示。週休2日制の導入や生産性向上に取り組む企業を後押しする。
残り50%掲載日: 2018年4月10日 | presented by 日刊建設工業新聞