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清水、鴻池、錢高、東急、コーリョー建販/大開孔基礎梁工法を開発
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【基礎梁せい/開孔径の2.5倍に低減】
清水建設、鴻池組、錢高組、東急建設、コーリョー建販(東京都文京区、大田真司社長)は、RC造の基礎梁に経済的に開孔(貫通孔)を設けるための工法「大開孔基礎梁工法」を開発し、日本建築総合試験所から、同工法の信頼性を認証する建築技術性能証明を取得した。
RC造建物の基礎梁に点検用の人通孔(通常径600-750mm)などの開孔を設置する場合、日本建築学会の「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」を適用し、通常、梁せい(高さ)を開孔径の3倍以上としている。このため、基礎梁に600mmの開孔を設ける場合、基礎梁せいを1800mm以上にする必要がある。しかし、基礎梁せいが開孔径の3倍未満でも、適切に開孔周囲を補強することで構造上必要とされる所定の耐力を確保していることを実証できれば、梁せいと開孔の比率の制限を緩和することができる。
そのため、5社は開孔径に対し構造上必要な耐力を確保しながら、基礎梁せいを開孔径の2.5倍に低減できる大開孔基礎梁工法を開発した。
同工法は、簡易に施工できるコーリョー建販製の開孔補強金物「ダイヤレン」を使うとともに、開孔周囲を補強する補強筋(開孔上下補強筋、孔際補強筋、水平補強筋)を配筋することで、構造上必要な耐力を確保する。
構造性能については、実物の2分の1のスケールの試験体(高さ750mm、幅300mm、長さ2250mm)に、300mm程度の開孔を設置し、コンクリート強度と開孔周囲を補強する補強筋量をパラメーターとした8体の試験体の加力実験を実施し、開孔部のせん断耐力を測定した。その結果、開孔径とコンクリート強度、補強筋量の相互関係が明らかになり、300mmの開孔に対し、2.5倍の基礎梁せいでも、構造上必要な耐力を確保できる設計式を構築することができた。
構造上必要な耐力は、大地震時に基礎梁が所定の構造性能を維持し、かつ開孔が基礎梁破壊の原因にならないことで、この設計式に基づき、基礎梁せいを開孔径の2.5倍に抑制することにより、基礎部の掘削土量や基礎梁のコンクリート量を削減できるため、コスト削減や工期短縮も見込める。
今後、5社は基礎梁せいが1500mm程度となる病院やオフィスなどの中低層建物に、大開孔基礎梁工法を提案していく方針だ。
残り50%掲載日: 2018年4月17日 | presented by 建設通信新聞