当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • 大日本コンサル川田テクノ/橋梁点検向け小型ドローン/風対応、安全性を強化

     大日本コンサルタントと川田テクノロジーズは、橋梁点検のニーズを満たしたドローン、空飛ぶデジカメ「マルコ」を開発した。複雑な風の変化に強い回転翼機構や2本のロープを組み合わせて点検区域外に機体を逸脱させない安全装置などを装備。現場での持ち運びなど取り回しがしやすい小型でコンパクトな機体で、ひび割れ幅0.05mmレベルから損傷を検出できる。操縦・画像撮影支援機能も充実させている。今後、実橋での点検の試行を重ねるとともに、運用体制の構築や画像解析、AI(人工知能)技術の組み込みなどを行い、2019年度末の実用化を目指す。

     

     高度成長期に建設された道路橋の老朽化が一斉に進む中、5年に1度、近接目視を基本とした定期点検が義務化され、自治体の負担軽減や技術者不足を解消するため、橋梁点検へのドローン活用の動きが活発化している。一方で、市販のドローンでは橋の周囲に発生する複雑な風の変化に対する飛行性能などが不足し、安全性にも課題があった。

     

     マルコは、複雑な風の変化の中で安定した飛行が可能となるよう、操舵に対する応答性に優れた回転翼の可変ピッチ型ローターを装備するとともにガバナー(調速機)によりローター回転数を一定化。主索と連結索の2本のロープを組み合わせた安全装置(係留装置)は簡単な仕組みで安全と飛行範囲を確保でき、さまざまな条件の現場に応用できる。同装置は特許出願中だ。

     

     機体が被写体に近づくと自動的に接近し間隔を一定に保つ自動制御機能や機体の上昇・下降速度を一定に保つ機能、カメラを被写体に正対させる機能を実装。照度が不足する場合はLED照明で補完するなど、画像品質を確保する機能も充実している。

     

     地上だけでなく、橋梁点検車など多様な運用を可能とするため、機体外形寸法(ローターガード寸法)を90cm四方に抑えたのも特長。ローターガードは簡単に取り外すことができ、折りたたみ式ローターを採用しているため、運搬時は52cm四方までコンパクトにできる。全備重量は7㎏。飛行時間は5分。

     

     開発に当たっては産業技術総合支援機構の支援を受けるとともに、NEDOの「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」への一環として行った。インフラメンテナンス国民会議が5月10日に開く革新的技術フォーラム「ドローン×インフラメンテナンス」連続セミナーの第1回でも大日本コンサルタントが発表する。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2018年4月19日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事