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  • 大京穴吹建設・施工品質管理システム「D-SHIP」

    【全現場に導入、手応え/現場の写真管理効率化/社内で操作方法を指導】

     

     大京穴吹建設(東京都渋谷区、眞鍋忠晴社長)は、建設現場における生産性向上の一環として施工管理業務の電子化に取り組む。穴吹カレッジサービス(高松市、大平康喜社長)の施工管理システム「かん助」をベースに、帳票やワークフローを一元管理する「D-SHIP」を共同開発した。ことし4月からすべての改修工事の現場で本格的に導入を開始している。千代反田守技術開発部係長は「顧客への完成図書の提出まですべてシステム内で行いたい」と最終的な目標を語る。 大京グループは、2016年10月に発表した中期経営計画で生産性向上、業務の効率化を目指したIoT(モノのインターネット)技術の活用を全社的に推進していく方針を打ち出した。これを受けグループ各社がICT化を推進する中で、大京穴吹建設は施工管理業務の電子化に踏み切った。

     

     穴吹カレッジサービスの提供する「かん助」を採用した決め手は「システムに当社の業務フローを取り入れやすい」(千代反田係長)ことだ。最初に提案を受けたのは、台帳などの自動作成や施工写真と黒板のひも付ける機能だった。その際、新築工事での活用も見据え、検査項目などを追加した上で同社の仕様に合わせてカスタマイズしてもらった。

     

     昨年10月から一部の現場に絞って試行導入し、ことし4月から全現場での導入を開始した。千代反田係長は「現場と本社で情報共有にはタイムラグが発生するため、リアルタイムで情報が共有できるのは大きい」と話す。

     

     従来の管理業務を電子化することで、現場にiPadを持ち込んで作業を完結させることをコンセプトに位置づけた。タブレットは各現場に1台ずつ支給しているほか、専用アプリを一般開放し、社員や職人がスマートフォンなどにダウンロードして活用する。「最終的には電子化を進め、現場から紙をなるべく少なくしたい。また、工事写真整理に伴う作業を削減することで働き方改革につながる」と期待する。現場の状況が社内の多くの目に触れることで安全性の向上など付随効果も見込む。

     

     導入時、社内ではシステムに初めて触れる社員が多かった。そのため、タブレット端末自体を使ったことのない人に対して、操作方法を指導するなど前段階の準備にも力を入れた。全国の拠点で説明会を開き、現場管理担当者など毎回20人程度の参加者に個別説明で対応してきた。4月に新機能を追加した際には、拠点ごとに“推進者”を選抜し、普及に向けた情報発信を呼び掛けた。

     

     10月の現場から使用し始めた同社東日本施工管理部の芹澤義則所長自身もタブレットを初めて使用することもあり、導入にはとまどいがあった。しかし、半年を経て特に効果を感じるのは電子小黒板機能だ。「撮影すると自動的に台帳に整理してくれるため、現場での写真管理は、かなり効率化した。現場で最も苦労することの1つが工事写真の撮影であり、このシステムが浸透すれば大きな業務改革になる」と可能性を感じている。

     

     千代反田係長は今後について、現状は導入段階であることを踏まえ、「システムはまだ開発途上にあり、現場から要望を拾いながら微修正している。本社で撮影基準や要領を作成していくほか、使い勝手の良さを社員や協力会社に納得してもらうため地道に説明していく」と語る。芹澤所長は「建設現場では日々状況が変わるからこそ情報共有が大切になる。いろいろな意見を出し合い、使いやすいシステムにして生産性向上につなげていきたい」と意気込む。

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    掲載日: 2018年5月24日 | presented by 建設通信新聞

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