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  • 洋上風力/国内初の台船型浮体/今秋、北九州沖で実証運転/日立造船

     日立造船は、次世代洋上風力発電の開発に取り組んでいる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証実験に参画、国内初となる台船(バージ)型浮体を完成させた。水深50m程度の浅い海域でも設置が可能で、今秋から北九州市港で実証運転を開始する。 8日、堺市にある同社堺工場で報道陣に公開した。「ひびき」と名付けた同構造物の仕様は長さと幅が51m、高さ10m。鋼製で重量は3100t。2017年8月から18年3月にかけて同工場で製作した。

     

     このバージ型浮体に、ハブ高さ72m、2枚翼(ローター径100m)の風車を搭載。スタッドレスチェーンと高把駐力アンカーで係留する。設置する北九州港沖合の水深は54mで、日本で最も浅い海域の浮体式風力発電となる。

     

     洋上風力発電はこれまで海底に基礎を設置する着床式が一般的。日立造船によると、日本の海域では着床式よりも発電設備の基礎を浮かせて係留する浮体式のほうが導入可能な海域面積が広いことから、浮体式による洋上風力発電システム開発に参入。NEDOが進めている実証実験に同社と丸紅、東大、九電みらいエナジー、エコ・パワー、グローカルで構成するコンソーシアムとして参画した。

     

     浮体式基礎は主に深い海域向きとされているが、バージ型は小型・軽量で水面下に沈む構造物の深さ(喫水)が浅いため、水深50m程度でも設置が可能になる。

     

     20日から浮体の曳航を開始。設置作業を経て秋から実証運転を開始する。実験期間は3年半を予定。運転や維持管理に関するデータを採集するほか、低コスト化に向けた技術開発にも取り組む。

     

     日立造船は事業開発から設計施工、運営まで一貫して取り組むことのできる体制を構築し、将来的には洋上風力発電を「成長戦略の柱にしたい」(藤田孝社会インフラ事業本部風力発電事業統括部長)考えだ。

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    掲載日: 2018年6月11日 | presented by 建設通信新聞

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