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清水建設/鉄骨溶接/天井作業/資材搬送/ホテル現場にロボ適用
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【2019年から首都圏でも展開】
清水建設は、自社開発した建設ロボットの現場適用を、2020年をめどに全社展開する。初弾プロジェクトとして大阪市内のホテル建設現場に、鉄骨溶接や天井作業、資材搬送に用いる3種類のロボットを9月から導入、19年からは首都圏の大規模現場にも適用する。11日に同社関西支店で会見した印藤正裕常務執行役員生産技術本部長は「3つの作業にとどまることなく、さらに技術を進化させていきたい」と積極的に取り組む姿勢を示した。 導入するのは資材の水平搬送ロボット「Robo-Carrier(ロボキャリアー)」と、鉄骨柱の溶接ロボット「Robo-Welder(ロボウェルダー)」、天井を施工する多能工ロボット「Robo-Buddy(ロボバディー)」の3種類。清水建設が提案しているロボットと人がコラボレーションしながら工事を進める次世代型生産システム「シミズ・スマート・サイト」の中核に位置付けられた技術だ。
現場建物の頂部を全天候カバーで覆い、その中でロボットを稼働させる。世界初の水平伸縮型クレーン「エクスター」で、鉄骨柱などの資材をカバー内につり込む。今後幅30m、奥行き40m、高さ40mの全天候カバーを架設。この作業が完了する9月初旬からロボットを稼働させる。
ロボウェルダーは9月中旬から12月にかけて3台稼働し、建物の9階から24階までの鉄骨柱を1日当たり3本のペースで溶接する。ロボキャリアーは、9月下旬から19年2月まで荷取場の1階と搬送先の階で2台稼働する。1階でボードなどを載せたパレットを受け取りエレベーターに仮置き、施工階では受け取り用のロボキャリアーが所定の荷置場まで搬送する。ロボバディーは、12月下旬から19年2月までの間に吊り天井の施工に使用する。
現場は、新大阪駅近くにある(仮称)「カラクサホテルシンオーサカプレミア」。発注者はSGリアルティで、設計・施工は清水建設、施主代行をINA新建築研究所が担当。規模はS造地下1階地上24階建て延べ1万8450㎡。客室数398室のホテルで、17年6月20日に着工した。19年8月末の完成を目指している。建設地は大阪市淀川区宮原3-3-9ほか。
同社は新時代の建築生産システム構築を目指し、16年からロボット技術開発に取り組んできた。 印藤本部長によると地上30階建て、基準階面積3000㎡クラスの建物を想定した場合に、鉄骨柱溶接で79%、 資材搬送で75%、システム天井施工は78%の省人化率が見込まれるという。
今回の現場を皮切りに19年から順次適用を拡大。ロボキャリアーやロボウェルダーについては20年をめどに全社的な展開を目指す。ロボットから得られた情報をもとにデータベースを構築し技術の進化を図るほか、今回の作業以外への適用も狙う。
残り50%掲載日: 2018年6月12日 | presented by 建設通信新聞