建設技術者向けNEWS
建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!
-
意義認識も試験制度の改善必要/施工系人材の建築士取得促進/士会連合会
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>より良い建築物を効率よくつくり上げるためには施工系人材も1級建築士の資格を取得すべき--。
日本建築士会連合会(三井所清典会長)が実施した「施工系人材の建築士取得に関する意識調査」の結果によると、施工系人材が建築士を取得することを、設計者・施工者ともに9割以上が「望ましい」と回答。その理由として、「施工者も設計者と対等の知識を持つ必要がある」「建築に携わる技術者として必須の資格」「施工系人材のスキルアップ」などを挙げている。一方で現在の試験制度が非常に挑戦しづらく、特に若手にとって過度な負担になっているという声も多く寄せられている。同連合会では今回の結果を踏まえ、施工管理技士資格との関係を再整理しつつ、建築士資格取得者の増加につながる制度改善を引き続き国土交通省などに提言していく考えだ。
近年、施工系人材における1級建築士取得者は減少の方向にあるとされ、建築物が高度かつ複雑化している中で、施工者の設計変更やVEへの対応力、知識が低下し設計者と良好なコンセンサスが得にくくなる懸念がもたれている。
今回の調査は、こうした問題意識のもとに、より品質の高い建築物を設計者、施工者が協働して造り上げていくことを目指し、建築士の資格取得を施工系人材も含めた幅広い技術者層へ推進するために、建築士会会員などを対象に、施工者と設計者・建築行政担当者に分けて2月に実施した。回答数は設計者が164件、施工者が158件だった。
施工系人材が建築士を取得することについては、設計者の95%、施工者も94%が「望ましい」と答えるなど、ほとんどの関係者が施工者も建築士資格を持って仕事を行う意義を感じている。特に施工者からはVEやコストダウンなどの設計変更・提案や、各種協議などで有効という考えが多く示されている。
建築士資格の取得推進に効果的と思う施策では設計者、施工者ともに「総合評価などで加点を増やす」「特記等に建築士を記載」「施工管理技士取得者は試験一部免除」を挙げる意見が多かった。
また施工者の7割で建築士受験者の登録料や受験料を負担し、資格取得時には報奨金などを支払っていると回答。資格試験学校の費用も4割が負担している。自由意見でも受験資格の見直しなど制度の変更や資格取得者への優遇策、入札や業務従事可能な条件の厳格化を求める意見が多くあった。
19日に記者発表した三井所会長は「日本の建築が世界的に評価されているのは、設計の側、施工の側、メーカーの側といろいろな立場に建築士がいるからだ」として施工系人材の建築士資格取得を促進していく姿勢を示し、調査を担当した寺田修技術委員長も「より質の向上を目指して施工者も1級建築士を取得する動きが広がるためには試験のあり方を考える必要がある」と強調した。
残り50%掲載日: 2018年6月20日 | presented by 建設通信新聞