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  • マーケット断面・ホテルにフローリング床/大建工業は2年で20件超え

    【インバウンドでニーズ変化】

     

     客室に木質フローリング床を採用するホテルが増加している。ホテル向け床材を商品化した大建工業によると、ここ2年ほどで採用実績は20件を超えた。市場開発部の農野昇一内装材担当リーダーは「採用ニーズは一気に高まりを見せ、最近は設計者だけでなく、施主から指名されるケースも出てきた」と力を込める。 5月に大阪市内で開業した大阪ビューホテル本町は客室170室のうち、3割を超える54室に大建工業の木質フローリング床を全面採用した。ホテルではカーペット張りが一般的だが、近年増加する訪日外国人をターゲットに「ホテルでありながら、旅館の客室を楽しめる雰囲気を演出した」と、同ホテルを運営する日本ビューホテル(東京都台東区)の中里忠事業開発室課長は説明する。

     

     全国で19件ものホテルを運営する中、客室に木質フローリング床を採用したのは今回が初めて。大阪への初進出に際して「異色のホテルをつくりたい」と、和にとことんこだわり、フローリング床を採用した客室54室のうち、8室には大建工業の和紙畳も採用された。規模はS造19階建て延べ約6600㎡。設計を日企設計、施工を松村組・東洋建設JV、内装設計と工事は乃村工藝社が担当した。

     

     ホテルにフローリング床の採用が進まなかった背景には、階下への音漏れや、床面に傷が尽きやすいなどの課題があった。大建工業は木材組織にプラスチックを充填し、天然木の風合いを保ちつつ表面を硬化させる独自のWPC(ウッド・プラスチック・コンビネーション)加工による化粧材を使い、その下に合板と緩衝材で構成した多層構造のホテル向け床材『コミュニケーションタフ防音DW3・FW3』を商品化。床材の厚さが15.5mmに抑えられ、それをコンクリート床に直張りすることで設置コストも大幅に抑えることに成功した。

     

     日本ビューホテルでは、以前に実施した札幌ビューホテルのリニューアル工事の際に大建工業からホテル向け床材の提案を受けていたことから、今回の大阪ビューホテル本町建設工事に際して内装を担当した乃村工藝社側にフローリング床の採用を逆提案した。大建工業は床材に使うには柔らかな国産材のヒノキを採用するため、プラスチックの充填量を増やすことで、化粧材にヒノキを使ったフローリング床の採用も実現させた。

     

     中里氏はフローリング床の採用メリットについて「室内が明るくなり、汚れなどへの対応力もある。近年の欧州でフローリング床のホテルが増えているのも清潔面の理由が大きいためで、今後新たに計画するホテルでもチャンスがあれば積極的に採用していきたい」と強調する。

     

     大建工業によると、フローリング床のニーズはホテルだけでなく、学校や高齢者施設などでも採用が増えている。近年は外国人観光客の増加に伴い、特にホテルや宿泊施設では土足対応のフローリング床も高まっており、新製品として防音性能をさらに高めた厚さ16.5mmの『コミュニケーションタフ防音DW4』の販売もスタートした。

     

     また、大阪ビューホテル本町でフローリング床を採用した客室8室に和紙畳も採用されたように、インバウンド(訪日外国人客)需要への対応から、ホテルや宿泊施設ではカラーラインアップが充実している和紙畳への需要も一気に高まりを見せているという。

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    掲載日: 2018年6月28日 | presented by 建設通信新聞

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