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Topics・ロールモデルとして魅力発信
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【女性が輝くTOKYO懇話会-建設業編/東京都】
女性活躍の推進についての発信と提言をするため、東京都は6月28日、「女性が輝くTOKYO懇話会-建設業編」を都庁第一本庁舎で開き、建設業で働く6人の女性ゲストが小池百合子知事と建設業の魅力について語り合った。女性が少ない業種で働くことの魅力や、生活と仕事の両立方法などを紹介した。【すべての人が働きやすく/常に新鮮な発見がある/「女性だから」ではなく/社会貢献を実感している/力を合わせてつくる魅力/男性の育休制度活用を/違う視点で新しい改善/女性が輝き東京も輝く】
モデレーターを務めた治部れんげ氏(ジャーナリスト、昭和女子大研究員)は、「全産業の女性就業者数は増えているが、建設業の女性就業者は減っている。建設業の魅力を発信することで、業界を希望する女性が増えるのではないか。他産業に比べ労働時間が長いが、働き方改革によって変えられる余地もある」と説明した。
これに対して小池知事は「業界に女性が加わり、生活者の視点や、デザイン面などの切り口が変わると、さまざまな変化が生まれる。先輩が楽しそうに仕事をしていると、次の後輩を生むきっかけにもなる。働きがいがあり、楽しくて次の人が入るような流れをつくってほしい」と呼び掛けた。
続いて、日本建設業連合会けんせつ小町部会の木村梨絵氏(三井住友建設)、日本造園建設業協会女性活躍推進部会の桑園亜希子氏(東光園緑化)がゲストプレゼンテーションした。
現場監督を務める木村氏は建設業の魅力について、人々が生活する上で欠かせないものをつくることや災害対応の「社会貢献」、世界に二つとない建物・構造物をつくる「唯一無二」、多くの職人とともに一つのものをつくる「一致協力」、地図や未来に残る「未来創造」とキーワードを交えて訴えた。
その上で、建設業の女性に限らず男性も含めてすべての人が働きやすい環境整備、出産や育児で離職した女性の再雇用促進、男性の育児休暇取得や時短勤務への理解が必要だとした。
植栽管理現場で働く桑園氏は「自然の移り変わりを直接感じられる。対象が生き物で、覚えることが幅広く、常に新鮮な発見がある。喜ぶお客さまの顔が直接見られる」と建設業の魅力を語った。
参加者全員によるディスカッションでは、全国低層住宅労務安全協議会じゅうたく小町部会の四十物谷綾花氏(大和ハウス工業)が、「女性専用トイレとして現場に設置した洋式の仮設トイレを、男性からも使ってみたいという声を聞いた」ことから、男女兼用の快適トイレ推進プロジェクトの発足につながったことを紹介した。
治部氏はこれに対して「違う視点により、新しい改善が生まれやすくなった。女性が少ない中で働きやくする必要があるのと、女性と男性がともに能力を発揮できるようにしたい」と応じた。
小池知事も「女性が加わり職場も最初は戸惑いもあるが、企業側もノウハウが蓄積され、自然に改善される。ロールモデルの皆さんがいることで、事業者の考え方も変わりつつある」と答えた。
このほか、建築設備技術者協会設備女子会の佐藤佳那氏(関電工)は「電気の普段見ることができない部分まで見られるのが魅力。社会の役に立っていると実感できる」、土木技術者女性の会の村上麻優子氏(鹿島)は、「職人の方と力を合わせてつくり、実際に皆さんに使っていただく」と仕事のやりがいを語った。
女性が活躍できる職場環境について森嶋氏は「女性だからと言って危ないところ、早朝、夜遅いからと考えないで周りの人がやらせてみてください」と話し、「やらせてみることによって、女性はそれを返してくる」と強調した。
男性の育休制度活用について、四十物谷氏は「男性が前例がないなどの理由でとりにくい」とした上で、「意識改革して男性の活用前例をつくることで、女性の現場復帰が早くなったり、出産後に内勤ではなく、現場復帰ができる職場環境をつくることが必要」と効果を説明した。村上氏は「同じ会社の夫が1カ月半ほどの育児休暇をとった。いまも急な休みは分け合っている。社内でも(男性の育休取得が)広がれば」と期待を話した。
働き方改革への取り組みとして、木村氏は「会議は就業時間内に終わらせ、残業を早く切り上げるように声をかける当番をつくったり、書類を簡易化するなど、早く帰れる動きが出てきた」と、ここ数年の変化を語った。
森嶋氏は「2年前からノー残業デーを採用している現場があり、水曜日は職人も午後4時半に作業を終わらせ、5時には撤収している」と紹介した上で、「最初はできるわけがないという声もあったが、それが当たり前になり配分を考えて仕事をするようになった。週休2日制を導入しているので、月に2回は土曜を休みにしようという取り組みをしている」と話した。
一方で「土日は休みでも、現場は土曜日も動いているため携帯電話が手放せない」といった声も聞かれた。
最後に小池知事が「いろいろな経験を通じて、業界の女性同士で改善策を身につけ、さらに元気で活躍することを期待している。人口の半分は女性で、女性が輝くこと、それは東京が輝くことだと改めて感じた懇話会になった」と締めくくった。
【参加者】
小池 百合子氏
東京都知事
〈モデレーター〉
治部 れんげ氏
ジャーナリスト、昭和女子大研究員
〈ゲスト(順不同)〉
木村 梨絵氏
日本建設業連合会けんせつ小町部会
三井住友建設東京建築支店設備部
村上 麻優子氏
土木技術者女性の会
鹿島メトロ日比谷線虎ノ門新駅(仮称)JV工事事務所
佐藤 佳那氏
建築設備技術者協会設備女子会
関電工東京営業本部東京総支社施工チーム
桑園 亜希子氏
日本造園建設業協会女性活躍推進部会
東光園緑化事業部管理課
森嶋 順子氏
日本建築仕上学会女性ネットワークの会
トーヨー科建千葉営業所次長
四十物谷 綾花氏
全国低層住宅労務安全協議会じゅうたく小町部会
大和ハウス工業柏支社集合住宅事業部工事第一課
残り50%掲載日: 2018年7月3日 | presented by 建設通信新聞