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山岳トンネルロックボルト/穿孔から挿入まで機械化/鹿島と古河ロックドリル
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【1台で作業 時間25%短縮】
鹿島と古河ロックドリルは、山岳トンネルのロックボルト工における穿孔からモルタル充填、挿入までの一連の流れをドリルジャンボ1台で作業できる技術を開発した。日高自動車道新冠町大狩部トンネル工事(発注者=国土交通省北海道開発局、施工=鹿島・宮坂建設工業JV)で適用し、1サイクルの作業時間を約4分の3に短縮できた。今後、新しい山岳トンネル工事では採用の可否を検討する。 山岳トンネルのロックボルト工は、一般的にドリルジャンボで穿孔後、人力で孔にホースを挿入して引き抜きながらモルタルを注入、人力でロックボルトを孔に挿入する。
今回、開発した技術では、3ブームタイプのドリルジャンボのうち、中央のブームにモルタル注入管を設置して注入専用に改良。両サイドのブームには、ガイドセルにロックボルトの受け架台、先端に挿入パッド、ドリフター後方にホルダーを設けた。
サイドブームで通常どおり穿孔後、センターブームのモルタル注入管を孔に挿入してモルタルを充填する。その後、サイドブームのホルダーと受け架台にロックボルトを設置、ロックボルトを孔に挿入し、最後に先端部のパッドで押し込む。
大狩部トンネル工事では、1サイクルで長さ6m、重量約20㎏のロックボルトを人力で挿入するため、作業員の身体的負担が大きく、切羽付近での作業による安全性の配慮も必要だった。人力施工の場合、ロックボルト工だけで1サイクル102分かかっており、掘削・ズリ出しからロックボルト工までの一連の作業時間の37%を占めていた。今回の技術を採用すると、ロックボルト工を75分にまで27分短縮できた。
JVの山岸隆史所長は「作業員は高齢化しており、重いロックボルトを扱う作業で腰を痛めていた。また、以前からロックボルト工の時間を短縮できれば、生産性を向上できると考えていた」と開発に至った経緯を語り、作業員からも身体的な負担が軽減され、好評を得ているという。ドリルジャンボでロックボルトを挿入している間に、作業員が別の作業に当たれるため、作業全体の生産性向上にも大きく寄与した。今後、ブームを自動で孔に誘導する削孔誘導システム(モールス)との連携なども検討する。
大狩部トンネル工事は、トンネル長さ2151m、幅13.5m、内腔断面100.3㎡で、全体進捗率は35%、掘削長さは約800mとなっている。工期は2021年3月まで。
残り50%掲載日: 2018年7月4日 | presented by 建設通信新聞