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  • 深圳小梅沙水族館・ホテル国際コンペ

    【5棟総延べ13万㎡超 21年の完成/佐藤総合JVが最優秀/海流イメージする回遊性を提示】

     

     中国深せん(土へんに川)経済特区開発グループによる国際指名建築設計競技「深圳小梅沙エリア新海洋世界(水族館)・ハイエンドリゾートホテル建築設計コンペ」で、佐藤総合計画・乃村工藝社JVが最優秀に特定され、5日に契約した。5棟合わせた総延べ床面積は13万1495㎡となる。2021年の完成を目指す。

     

     コンペには世界中から70者50JVが参加。1次審査で6者が指名され、プレゼンテーションと審査会を経て、佐藤総合計画JVのほか、LEESER ARCHITECTURE(米国)、Zaha Hadid Architects(英国)の3者を選定。クライアントの意見を反映して設計方針の深化とプレゼンを重ねて同JVが特定された。

     

     建設地は中国の経済・産業をけん引する広東省深(土へんに川)市中心部から30㎞ほど離れた南シナ海に面する小梅沙地区。リゾート開発が進む中、エリア全体を先導する中核プロジェクトとして、エンターテインメント性と集客力が期待される水族館(延べ5万0750㎡)と研究棟(2万8890㎡)、海洋テーマホテル(1万2000㎡)、ハイエンドホテル(2万8149㎡)、観光情報センター(1万1706㎡)を整備する。

     

     佐藤総合計画JVは、5棟の機能的な連携と地下鉄新駅からの円滑な動線を実現するため、水族館のテーマでもある南シナ海を循環する海流のように敷地全体を回遊するペデストリアンデッキで各施設を結び、エリア全体のアクティビティーを活性化する計画を提示した。

     

     白い巻き貝のように輝くらせん状の水族館は、3つのテーマの水族館をらせん状に重なり合うように1つにまとめ、エリアを象徴するアイコンとした。天候に左右されない動線の確保や特殊設備、管理研究部門の一元化によるコストダウン、展示の複合化による多様な演出効果や建築としての象徴性を高めた。中央の大きなボイドには直径20m、高さ15mの“ブルーホール”をテーマとする円筒型水槽を配置。世界で初めて内側と外側の水槽を同時に見ることができるよう、中心に約100人を運ぶドーナツ型のエレベーターを取り込んでいる。

     

     らせんを生む斬新な構造計画は、1辺約30mの三角形フレームを円柱型水槽を中心に少しずつ回転させてらせん状に規則正しく2周並べ、桁梁とブレースで堅固に一体化。2つの三角形が支え合い、回転で生まれる屋根・壁面をねじることでHP(双曲放物面)シェルの効果を持つ。全室オーシャンビューのハイエンドリゾートホテルは、各フロアを少しずつ水平にずらしてセットバックさせ、新海洋世界全体の流れとの一体感を醸成。セットバックで生まれたスペースはバルコニーとして利用する。

     

     5日に現地で契約を締結した細田雅春社長は、世界の名だたる建築設計事務所に打ち勝ったコンペを振り返りつつ、「バーチャルリアリティーとリアルを一体化した展示演出を考えている。世界中の建築家が注目する世界最先端のITモデル都市の目玉事業で勝てた意義は大きい」と語った。

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    掲載日: 2018年7月12日 | presented by 建設通信新聞

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