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清水建設と北大/新素材開発へ共同研究/鉄筋コンクリの問題点克服
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>清水建設と北海道大学は、従来の鉄筋コンクリートに代わる新素材「ロジックス構造材」の開発を目的に、次世代高性能材料について産学共同研究に着手した。新素材の創生と、新素材を使った新構工法の開発による生産性の向上を最終的な目標としている。
共同研究は、2021年3月末までの3年間を第1フェーズの基礎研究期間と位置付け、コンクリートの分子(ナノ)レベルから構造体(マクロ)レベルに至る各レベルで生じる化学・物理現象を統合して、時間の経過とともに変化する鉄筋コンクリートの物性をシミュレーションする技術を構築する。その現象を明らかにしていく上で、コンクリートに生じるひび割れや鉄筋の腐食など、従来の鉄筋コンクリートでは解決が困難だった問題点を克服する新素材開発に役立つ新たな知見を得る考えだ。
21年4月以降の第2フェーズの技術開発では、こうした知見をもとに、 超大型建造物や過酷な環境条件下の構造物に活用できるとともに、 建設工事の生産性を飛躍的に向上させる新素材であるロジックス構造材の開発を具体化させる予定だ。 およそ5年後をめどに新素材を示したい考え。
基礎研究を遂行するために、北大はコンクリートの内部構造をナノスケールレベルで分析する中性子装置を始めとする最先端の材料分析設備を提供するとともに、「量子理論工学」「資源化学」「土木材料学、建築材料学」「金属材料工学」「建築構造学」「シミュレーション工学」の横断的な6研究グループ体制を工学研究院に敷く。一方、清水建設は各研究グループに研究員を随時派遣するとともに、研究費として総額3億円(18-20年度)を供出する。
清水建設の井上和幸社長と北大の名和豊春総長は11日、東京都中央区の清水建設で記者会見し、井上社長は「共同研究では、コンクリートの固まっていく過程や使用環境による鉄筋の腐食状況など、あらゆる現象を論理的に積み上げることによって、新たな事実の発見や新素材の創生につながるものと期待している」とし、名和総長は「本当のオープンイノベーションをすることにより、コンクリートベースの新素材、新構工法の開発を目指していきたい。これをグッドプラクティスとして、わが国の建設業界が伸びていく一助にしたい」と述べた。
残り50%掲載日: 2018年7月12日 | presented by 建設通信新聞