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  • 山岳トンネル/全周波数帯の発破音抑制/低周波音と可聴音対策低コストで実現/フジタ

     フジタは、山岳トンネルの発破掘削における低周波音(20-100ヘルツ)対策として「アクティブターゲットサイレンサー」、可聴音(100ヘルツ以上)対策として「チューブセルサイレンサー」をそれぞれ開発した。既に開発済みの超低周波音(15-20ヘルツ)対策の「ドラムサイレンサー」と組み合わせることで、すべての周波数帯域の発破音対策を低コストで実施できるようになった。 山岳トンネル工事における発破音対策は、耳には聞こえないがガラスや家具を振動させる超低周波音、耳に聞こえる音は小さいが振動を起こす低周波音、大きな音と感じる可聴音対策がそれぞれ必要になる。

     

     低周波音対策のアクティブターゲットサイレンサーは、トンネル坑外の対象民家の近くにマイクロホンとスピーカーを設置し、発破の音を集めて同程度の音(逆位相音)をスピーカーから民家に向けて再生する。遠くから届く発破音(平面波)と、スピーカーからの音(球面波)が重なり合う特定範囲だけの音を抑制できる。坑口で逆位相音を発すれば、より広い範囲の対策が可能だが、大音量を再生できる大きなスピーカーが必要で、コストがかかる。対象民家の近くにスピーカーを置くことで、100万円程度(他現場での再使用可能)の低コストでの対策が可能となった。

     

     長崎自動車道平間トンネル工事と同中尾トンネル工事(発注者=NEXCO西日本)で、坑口から100m離れた地点で検証した結果、スピーカー1台で、横10m縦20mの範囲の低周波音を5-10dB低減できた。スピーカーの設置数を増やせば、低減対象範囲を広げられる。

     

     可聴音対策のチューブセルサイレンサーは、防水シートを張る際などにトンネル坑内に設置する作業台車の骨組みに吸音ボードを取り付けてサイレンサー構造を形成することで、吸音ボードの間を通る音が低減される。高松自動車道津田トンネル工事と長崎自動車道平間トンネル工事(発注者=NEXCO西日本)で検証したところ、500ヘルツ帯で4-6dB、500ヘルツ以上で3dBの低減効果を確認した。設置コストは約80万円(再利用不可)で、可聴音が問題となるトンネル掘削初期段階に、通常の騒音対策などと合わせて適用すれば、簡易に効果的な対策を施せる。

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    掲載日: 2018年7月27日 | presented by 建設通信新聞

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