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国交省、土研/点検・診断にAI活用/プラットフォーム設立へ官民推進体制
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>橋梁の点検・診断など、いわゆるインフラメンテナンスに対するAI(人工知能)の活用が加速する。国土交通省は、近接目視を原則とする点検作業の効率化を目的にAI技術の活用に踏み出す。ベースとなる技術者の正しい判断を蓄積した「教師データ」の整備によって、民間企業における点検・診断AIの開発を促していく方針だ。 AIのシステム開発を行うIT企業や点検・診断の実績を持つ建設企業との「AIを活用した道路橋メンテナンスの効率化に関する共同研究」に乗り出す土木研究所と連携して、推進母体となる「AI開発支援プラットフォーム」の設立を目指す。
その前段としてAI開発支援プラットフォーム開設準備ワーキンググループを設置。AI技術のベースとなる教師データの整備や、画像などの点検データを取得・保存・分析・活用するためのデータ基盤の検討に入る方針だ。
AI技術を組み込んだ点検技術の構築へ、官民連携の検討体制を敷く。
■教師データを整備
背景にあるのは、老朽化したインフラの増加と、それに伴う点検コストの増大だ。特に専門的な知識を持つ熟練技術者が減少していく中で、ロボットなどを活用した「人の作業」への支援だけでなく、AIを活用した「人の判断」への支援が必要であると判断した。
例えば、技術者の正しい判断を蓄積した教師データの整備と、その教師データの開発者サイドへの提供によって、インフラ点検を補助する「点検AI」や、劣化要因や措置の判断などを支援する「診断AI」の開発を促進。国が民間ベースで開発されたAIの性能評価を行うことで、実際の公物管理に活用できる環境(社会実装)を築く。
■共同研究者の募集開始
土木研究所は27日、AIを活用した道路橋メンテナンスの効率化に関する共同研究者の公募を開始。9月4日までを期間に、この共同研究や、年度内の設立を目指すAI開発支援プラットフォームに参画する民間企業を募る。
対象は、AIの開発実績を持つ関連企業や、橋梁の点検・診断に関する業務実績を持つ建設企業など。
2022年3月までの4年間の共同研究で、ロボットを用いた点検作業の補助などを行う点検AIと劣化要因の分析・判断を行う診断AI、AI技術の活用に必要となる教師データの整備に道筋をつける。
◆「AI開発支援プラットフォーム」開設準備WG
国土交通省と、土木研究所が行う「AIを活用した道路橋メンテナンスの効率化に関する共同研究」に参画する企業(共同研究者)で構成する。裏を返せば、共同研究への参画が開設準備WGへの参加条件となる。「点検AI」や「診断AI」の開発へ、前提となる教師データのあり方を探る。
現場への実装という“出口戦略”を見据えながら、参画する複数の民間企業にとっての「協調領域」と「競争領域」を整理。インフラの管理者である国と、実際の点検・診断を担う建設企業、それを補完するAIの開発者が三位一体となって、インフラメンテナンスにおける生産性の向上に取り組む。
残り50%掲載日: 2018年7月30日 | presented by 建設通信新聞