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20年4月施行の改正民法に対応/中建審に「約款改正WG」/国交省
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【請負契約への影響を整理】
国土交通省は、6日に中央建設業審議会(会長・石原邦夫東京海上日動火災保険相談役)の総会を開催した。6月22日に策定・公表した「基本問題小委員会」の中間とりまとめ(提言)に“今後さらに検討すべき事項”として盛り込まれている「民法改正」や「民間工事」への対応をターゲットに、それぞれの課題に対応するワーキンググループ(WG)の設置を決めた。 新たに立ち上げるのは、2020年4月に施行される改正民法への対応を図る『(仮称)建設工事標準請負契約約款改正WG』と、民間工事における円滑な工事発注や適正な施工の確保などを目的とする『(仮称)民間工事の契約等に関するWG』の2つ。
改正民法のポイントと、中建審「契約約款改正WG」における主な論点
前者は、中央建設業審議会が作成(改正)して、当事者に、その実施を勧告する標準請負契約約款の性質から、同審議会の直下に置く。
一方、これまでの議論を引き継ぐことになる後者は基本問題小委員会の下に設置。その基本問題小委員会の建て付けから、中央建設業審議会と社会資本整備審議会に連なる会議体となる。
焦点となる民法の改正は、土木構造物など土地・建物に関する契約解除の制限(旧635条)と、その工作人(請負者)が負う瑕疵(かし)担保の責任期間に関する例外的な扱い(旧638条)が削除・廃止される点がポイント。
これまで土木構造物などに限定して、契約の解除を認めない旧635条の“制限規定”が存在していたのは、瑕疵を理由に建設した構造物の撤去や建て替えを行うことが、請負者にとって過大な負担になる、あるいは社会的・経済的な損失が大きいためだ。
消費者(発注者)保護に配慮した改正によって、建設企業などの請負者は、これまでよりも重い責任を負う。
新たに設置するWGは、学識者だけでなく、発注者と受注者が参画する形で構成。改正法が施行される20年4月から逆算して、19年12月をめどにとりまとめを行う。
契約解除に関する例外規定の削除や、瑕疵担保の責任期間(例外的な取り扱いの廃止)に関する見直しが、建設工事の請負契約に大きく影響してくることから、その改正内容と、現状の建設業における契約の実態を整理する。
請負者に瑕疵があった場合の契約解除や現状回復に対する義務の範囲など、実際に想定される影響やリスクを実務レベルで照らし合わせながら、約款の改正へと落とし込んでいく。
一方、民間工事の契約等に関するWGは、技術的判断に乏しい小規模な発注者に対するサポートや、工事の性格に応じた事業者の選定、民間工事におけるコンプライアンス(法令順守)の確保や施工体制の適正化などを図っていくことが狙い。
民間工事は建設業法や公共工事品質確保促進法などによる一定の規制が存在する公共工事に対して、制度的な規制は利きにくい。契約自由の原則があるためだ。
特に各発注者の個別の判断に委ねられている「発注準備」や「事業者選定」段階をターゲットに民間工事の受発注者が参考とすることができる何らかのガイドラインを示すことなどが予想される。
残り50%掲載日: 2018年8月7日 | presented by 建設通信新聞