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読み切りコラム⑦業界別動向「マンション分譲業」(2016年4月~2017年3月版)

業界別の動向②「マンション分譲業」(2016年4月~2017年3月版)

(1)市場規模

分譲マンションの発売戸数の推移を見ると図表①となります。

2016年の総販売戸数は76,993戸(前年比98.6%)で、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動で大幅に減少した2014年から3年連続の前年割れとなりました。

エリア別では、首都圏が35,772戸(前年比88.4%)と大幅に減少しましたが、近畿圏は18,676戸(前年比98.7%)と微減にとどまり、その他のエリアでは22,545戸(前年比120.5%)と大幅に増加しました。

このように2016年の分譲マンション発売戸数が減少した背景には、人件費など建設コストの上昇を受けてマンション価格が高止まりし、購入マインドが低下していること、2017年4月に予定されていた消費税率10%への引き上げが延期されたことなどがあると思われます。

不動産経済研究所の予測によると、2017年の総発売戸数は78,500戸となり4年ぶりに増加に転じるとされています。

<図表① 分譲マンション発売戸数の推移>

01

出典:不動産経済研究所「全国マンション市場動向2016年」より作成

(2)分譲マンション発売戸数上位10社の実績

2016年の分譲マンション発売戸数の上位10社を見ると図表②となります。

・全国での総発売戸数首位は3年連続で住友不動産となり、総販売戸数は6,034戸で前年比111.8%となっています

・住友不動産の発売戸数をエリア別に見ると首都圏が5,043戸で、8割以上が首都圏での発売です

・一方、近畿圏での発売戸数首位はプレザンスコーポレーションであり、発売戸数は2,435戸になっています。次いで、日本エスリードが1,476戸となっています。

・最も発売戸数が増加したのは穴吹興産で前年比152.9%の1,619戸、次いでプレザンスコーポレーションで前年比128.4%の3,225戸となっています

<図表② 2016年分譲マンション発売戸数上位10社の実績>

02
単位:戸

出典:不動産経済研究所「全国マンション市場動向2016年」より作成

 

上位10社の最新決算の概況をまとめると図表③のようになります(マンション事業だけでなく会社全体の数値です)。

・野村不動産HDと東急不動産HDの2社以外はすべて増収増益であり、好調な決算となっています

・売上高の伸び率が最も高いのはタカラレーベンで対前年伸び率35.8%、次いでプレザンスコーポレーションの28.0%、穴吹興産の17.7%になっています

・経常利益の伸び率が最も高いのは日本エスリードで対前年伸び率52.3%、次いでタカラレーベンの41.6%、穴吹興産の36.1%となっています

<図表③ 2016年分譲マンション発売戸数上位10社の最新決算概況>03

単位:百万円

*穴吹興産のみ2016年6月決算、他は2017年3月決算の数値

出典:各社の決算短信より作成

(3)トピックス

主要各社のニュースリリースからいくつかのトピックスをピックアップしてご紹介します。

企業名

トピックス

住友不動産

・戸建てリノベーション(大規模改修)の設計から顧客への提案、工事現場の管理までを担う専門人材を育てるための社内学校「そっくりさんアカデミー」を2016年4月から開講し、未経験者の育成体制を強化

・中途入社の社員を対象に、設計や製図に加えて、建物の欠陥調査、工事管理、接客マナーに至るまでを3カ月間教える

三井不動産

・2016年4月に「働き方企画推進室」を設置し、「働き方の質」を高める意識改革とそれをサポートする各種制度・職場環境整備を推進している

・限られた時間で働く意識付けのために全社員20時までに退社、ベビーシッター、学童保育、介護サービスの費用を一部補助といったといった取り組みを実施

三菱地所

・従来の長時間労働是正に留まらず、生産性の向上による新たな価値創造を目的として、2017年4月1日付で社長直轄の「働き方改革推進委員会」を設置

・「勤務場所制限のないテレワーク制度」、「時間単位有給休暇制度とフレックスタイム制度の併用」など、様々な施策に取り組む

東急不動産

・健康経営優良法人2017として認定される

・健康推進への取り組みとして、定期的なカラダ測定の実施、健康応援サイト「KENPOS」の導入、管理栄養士による健康に配慮した社員食堂の運営等がおこなわれる

タカラレーベン

・自社ブランドであるLEBEN(レーベン)シリーズのマンションにて、新たな価値を生む住宅設備として郵便局とのコラボ宅配ロッカー『ソコポス』の導入を開始

・新たな機能として、郵便ポスト機能、書留郵便の受け取り機能、ゆうパックの発送自動受付機能などが搭載された

プレザンスコーポレーション

・「分譲マンション供給ランキング」にて、近畿圏7年連続第1位、全国第4位、東海・中京圏5年連続第1位、名古屋市内6年連続第1位を獲得(不動産経済研究所調べ 平成29年2月現在)             


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