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読み切りコラム⑧業界別動向「マンション管理業」(2016年4月~2017年3月版)

業界別の動向③「マンション管理業」(2016年4月~2017年3月版)

マンション管理業とは、マンションの所有者(管理組合等)の委託を受けて、
事務管理業務、維持管理業務、日常管理業務等を行う事業です。

(1)市場規模

マンション管理業の収益は管理組合からの管理委託費と共用部分修繕工事費から成っています。

管理委託費の市場規模のベースとなるマンションの総ストック戸数と新規供給戸数の推移を見ると図表①となります。

・1990年に216.1万戸であったマンションのストック戸数は2016年には633.5万戸にまで増加しています

・一方、マンションの新規供給戸数は2007年の22.7万戸をピークに減少傾向で推移しています

・マンション管理業の委託管理費の市場規模に影響を与えるマンションのストック戸数は、今後もマンションの新規供給が続く限り基本的に増加し続けるために、委託管理費の市場規模は堅実に成長すると考えられます

<図表① 分譲マンションストック戸数と新規供給戸数の推移>

1

 

単位:万戸

出典:国土交通省マンションに関する統計データ(http://www.mlit.go.jp/common/001184494.pdf)より作成

次に、共用部分修繕工事費の市場規模に影響を与える、築後30、40、50年超の分譲マンション数の現状及び将来予測を見ると図表②になります。

・建築後30年を超えるマンション戸数は2016年の172.7万戸から5年後の2021年には252万戸へ、10年後の2026年には333.6万戸、20年後の2036年には528.4万戸にまで増加すると推計されています

・このように老朽化したマンションが増加することから、共用部分修繕工事の市場規模は拡大基調が続くと推測されます

 

<図表② 築後30、40、50年超の分譲マンション数>2

単位:万戸

出典:国土交通省マンションに関する統計データ(http://www.mlit.go.jp/common/001184229.pdf)より作成

尚、矢野経済研究所によるマンション管理業の市場規模の推移・予測が下記のサイトに出ています。

「マンション管理市場に関する調査結果2016」矢野経済研究所(https://www.yano.co.jp/press/pdf/1510.pdf

(2)マンション管理業主要10社の業績動向

マンション管理業主要10社の実績を見ると図表②となります。

・10社すべてが増収、8社が増収増益、2社が増収減益となっており、主要各社は堅実に成長しています

・マンション管理部門の売上高を見ると、業界大手の大京アステージは53,480百万円、次いで東急コミュニティが51,771百万円、大和ライフネクストが47,972百万円となっています

・マンション管理上位企業はマンションやビル、各種施設を建設して、分譲や賃貸経営をするデベロッパー系の企業が多くなっています

・関ション管理組合のニーズが高度化・複雑化する中、競争力の高い大手では、新サービスの開発や業務改善によるコストパフォーマンスの向上、グループ力を活かした顧客サポートの高品質化などを図り、受託件数を増やしているところが多くなっています

<図表② マンション管理業主要10社の2016年3月期の実績>

3

単位:百万円

*マンション管理部門の売上高の順位で並んでいます

*大和ライフネクストは2015年4月に(株)ダイワサービスを経営統合したために大きく事業規模が拡大しています

出典:一般社団法人マンション管理業協会ホームページデータおよび各社の財務資料より作成

(3)トピックス

主要各社のニュースリリースからいくつかのトピックスをピックアップしてご紹介します。

企業名

トピックス

大京アステージ

・東京電力グループの株式会社ファミリーネット・ジャパンと連携して、マンション管理員やコンシェルジュをサポートする「AI管理員」「AIコンシェルジュ」サービスの実証実験を2017年7月より開始

・管理員やコンシェルジュが勤務時間外やマンション内清掃などで不在時に、もしくはコンシェルジュが導入されていない物件において、居住者や管理組合の問い合わせに「AI 管理員」「AI コンシェルジュ」が音声対話型サービスで対応するものであり、将来的には物件個別の問い合わせに答えられることを目指す

東急コミュニティ

・女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(通称:女性活躍推進法)に基づく優良企業として、厚生労働大臣より「えるぼし」最高評価の認定を取得

・在宅勤務制度や再入社制度を積極的に導入している

日本ハウズイング

・平成29年2月、シンガポール共和国において建築設備のエンジニアリング及び

ファシリティマネジメントを営む「PROPELL INTEGRATED PTE LTD」の株式を取得し、子会社化

三菱地所コミュニティ

・出産・育児・介護・配偶者の転勤を理由に退職した場合に、リターン雇用の登録をすることができる「ジョブ・リターン制度」を新設

長谷工コミュニティ

・2017年4月に長谷工グループの分譲マンション管理事業を統括するホールディングカンパニーとして長谷工管理ホールディングスが設立され、長谷工コミュニティはそのグループ会社となる

以上


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