道路整備事業を柱とする道路会社の大手3社は、それぞれどのような違いがあるのでしょうか? 道路会社と言っても、道路を整備することだけが仕事ではありません。
道路会社は新しく道路を作るだけでなく、定期的なメンテナンスや震災時の復旧工事など様々な道路整備を行います。
社会インフラとして人々の暮らしに欠かせない道路網を支える点をみれば、道路会社の仕事は非常に社会貢献性が高いことがお分かりかと思います。
道路は交通機能や都市形成、物流、空間機能、土地利用の促進など、生活基盤を支える役割があるのです。
路面や空港、高速道路などの公共事業の他、宅地の補修などを行う道路会社もあり、会社によってどういった事業を得意とするかが異なります。
大手道路会社を比較してみると各社とも道路整備事業を得意としており、その技術を活かして事業を拡大していることが分かります。
では早速、道路会社の大手3社「NIPPO」「前田道路」「日本道路」の特徴をみていきましょう。
売上高 | 経常利益 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続 | 平均年収 |
---|---|---|---|---|---|
4,290億6,600万円 | 382億2,600万円 | 6,166人 | 43歳7ヶ月 | 14年10ヶ月 | 796.0万円 |
※2020年3月期の有価証券報告書より作成 ※平均年齢・勤続年数・年収は単体。他は連結ベース |
石油精製・販売の国内大手であるJXTGホールディングスグループの子会社であるNIPPOは東証一部上場、道路舗装業界の最大手企業で、日本国内における特殊道路の工事の90%以上をNIPPOが占めています。
一般の舗装道路や高速道路、空港建設、自動車のテストコースやサーキット場など小規模から大規模なプロジェクトまで幅広く携わり、アスファルト舗装のパイオニアとして高い技術力をもって数々の実績を積み重ねてきました。
道路舗装だけでなく、マンションなどの建築工事や不動産開発事業、環境事業、PFI事業などにも注力しており、安定した経営が続いています。
売上高 | 経常利益 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続 | 平均年収 |
---|---|---|---|---|---|
2,378億1,200万円 | 198億7,700万円 | 2,557人 | 40.6歳 | 15.2年 | 786.5万円 |
※2020年3月期の有価証券報告書より作成 ※平均年齢・勤続年数・年収は単体。他は連結ベース |
道路舗装大手の前田道路は前田建設のグループ会社ですが、前田建設とは一線を画した経営をしています。
アスファルト舗装を得意とする高野建設から前田道路へ社名変更していることから、道路整備事業に強みを持ちます。その他にも一般土木建設事業や緑化事業、リサイクル事業など「人と環境を大切にした事業」を展開しており、上・下水工事や宅地造成工事などの身近な工事まで事業拡大しているのが特徴的で、現在では道路整備事業と舗装材・材料の製造事業を軸に事業を進めています。
営業所と工場は合わせて全国に230あり、それぞれが地域に密着しながらインフラ整備を行います。このように前田道路はブロック主導で事業を進めているため、地域社会への貢献が実感できる会社と言えるでしょう。
売上高 | 経常利益 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続 | 平均年収 |
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1,486億9,900万円 | 78億5,300万円 | 1,876人 | 43.4歳 | 19.6年 | 805.6万円 |
※2020年3月期の有価証券報告書より作成 ※平均年齢・勤続年数・年収は単体。他は連結ベース |
日本道路は清水建設系の大手道路会社で、道路整備事業以外にも一般建築事業や不動産事業など多角的に事業展開しているのが特徴です。
各種事業分野に対応するグループ会社を抱えており、各社のノウハウをもって「卓越した技術力」「魅力ある商品力」「総合的事業展開」の3つを事業基盤としています。
日本道路の道路整備事業においては、創業90年の歴史から高速道路や国道、空港、橋梁の工事といった国家的プロジェクトに参画してきたほか、レジャー施設や陸上競技場等のスポーツ施設等も手がけてきた実績があります。
今後は公共事業の受注が低下することを見据え、独自の強みを活かして民間工事事業や海外事業をより一層強化させていく方針です。
建設業は今後厳しいと言われますが、そのなかで道路会社は安定した経営が続きそうです。というのも、震災で1番に復旧させるのは道路と言われているように、人々が安全かつ快適に過ごすために道路は必要不可欠だからです。
道路工事はその性格上公共工事が主体で、発注元は都道府県や国土交通省、そして高速道路会社のNEXCOが主です。そのため、景気の動向に左右されにくいという特徴があります。
新しく道路を作るだけでなく補修・メンテナンスなどもありますので、道路会社への需要が無くなることはまずあり得ません。さらに言えば、道路整備の需要が低下したとしても各社独自の技術力を用いて他の事業領域でカバーする事ができます。
ただし、公共工事主体であることから国内においては大きな伸びは期待できませんので、売上高を伸ばすためには海外展開や民間工事の受注拡大、新たな領域への事業展開が今後の課題となりそうです。とはいえ、大手の道路会社はゼネコンや石油大手などのグループ会社であるケースが多いため、道路会社の経営に陰りが出てもすぐに倒産することはないでしょう。
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