コンサルタントが教える転職必勝ガイド
多くの求職者の転職に携わってきたコンサルタントに、失敗しない転職のコツを聞きました。
転職は社会人生活の中で大きな転機となる出来事の一つです。人生で何度も経験することではありませんから、分からないことや不安なことが多い人もいることでしょう。人事担当者経験のあるコンサルタントの山口真央に、『転職活動に時間が取れない場合』をテーマにインタビューしました。
#02.転職をしたいけど時間がない! どうすればいいの?
―― はじめに、ご自身のことを教えてください。どういった経緯で今の職に?
以前は保険代理店で働いていました。担当は人事でした。今とは逆の立場で求職者さんと接していたのですが、中には会社の状況に合っていない人も少なくなく、疑問を感じることがありました。そこで、人材紹介会社で働き、求職者さんにマッチした職場を紹介する仕事の方がやりがいがあるのでは、と感じたのがきっかけです。
―― 人事を経験したということは、求職者と企業、両方に関わってきたわけですね?
はい。人事の仕事をしながら、求職者側の目線を持ったわけですね。弊社のコンサルタントの中で人事の経験があるのは私だけです。その経験はかなりプラスになっていると感じていますので、双方の気持ちが分かるというのが私の強みですね。
―― さっそく今回のテーマについて伺いたいと思いますが、一般に、転職活動にはどのくらいの時間がかかるものでしょうか?
人によって違いはありますが、転職先の内定が出るまでに1カ月から2カ月、その後に現職の退職交渉の時間がかかります。退職交渉は、役職者などは引き継ぎに時間がかかるので、長い人で3カ月くらいかかることがあります。全体で見ると、早くて1カ月、長いと半年くらいでしょうか。
―― その期間よりも長くかかってしまう人もいますか?
はい。一つは、面接が上手くいかない人。つまり、単純に次の仕事が決まらないケースですね。そういった人の中には、途中で転職理由を見失ってブレてしまう人もいます。そういう人は、早期退職や転職を繰り返す人になってしまう傾向もあるので、自分のやりたいことをしっかり確認しましょう。
それから、次は決まっているのに、現職を上手く辞めることができないという人もいます。今の職場に迷惑をかけてしまう、と必要以上に気にしてしまうと、ズルズル行きがちです。こうなると、結局のところ新しい会社の方にも迷惑をかけることにもなります。そちらのことも考えて、しっかりと辞意を伝えなければいけません。
―― 転職活動の期間中、何度か有給などを取る必要も出てくるでしょうか?
そうなるケースが多いですね。基本的に面接は営業時間内に行いますので、お休みを取って行くのが一般的です。さまざまな事情でお休みが取れないとなると、選択肢は狭まってしまうでしょう。
相手の企業にとってその求職者さんが魅力的だったり、一刻も早く人材を確保したいと思っていれば、早朝や土日の面接などで対応してくれるかもしれませんが、それは相手次第ですね。また、一次面接などはそれでよくても、最終面接になると役員の方が出席するので、土日対応などはより難しくなるでしょう。
―― 上手く時間を作れないと、転職活動は難しくなりますね。
確かに難しくはなります。でも、だからと言ってあきらめる必要はありません。
まずは企業の選別だったり、履歴書の作成だったり、お休みが取れなくてもできることはあるので、できることから準備を進めていきましょう。
―― お休みが取れない人が、現職を辞めた後に転職活動をするのはどうでしょう?
退職後の転職活動はブランク期間を作ることになるので、決していい印象は与えないでしょう。ですから、できれば避けた方がいいですね。
退職すれば、次が決まるまでは収入が途絶えるわけですから、家族がいる人は特に、面接で「それでも辞めなければいけない理由は何だったのか?」と突っ込まれる可能性があります。場合によっては、計画性がない人なのでは、と思われてしまうかもしれません。
―― この方法にメリットはないということでしょうか?
ゆっくり企業を見て、比較検討ができることはメリットと言えますが、そのくらいですね。企業によっては、1年以上のブランクがある人は応募できないといった制限をかける場合もあるので、やはり働きながらの転職活動が無難だと言えるでしょう。
どうしても現職を辞めないと転職活動ができないという人は、できるだけ早く動くようにしましょう。1カ月程度であれば、大きなマイナスではないと思います。ただ、これが3カ月くらい空いてしまうと良くありません。空白期間が1年となると、だいぶ不利になってしまいます。
―― 最後に、転職活動の時間が上手く作れない人にアドバイスをお願いします。
お休みが取れないという人には、単純にすごく忙しくて休めない人もいますし、中には何となく言い出しにくいという人もいます。
そういう場合は、なぜ転職をしようとしているのかに立ち帰ってほしいです。今の仕事をずっと続けていくのが難しいと感じているからこそ、転職を考えているはずです。そのきっかけをもう一度整理して、忙しくて休めないのか、気を遣ってしまって休めないのかなどを再確認しましょう。転職を目指すなら、「今の職場」よりも「自分のやりたいこと」が大切なのだ、と自覚すべきだと思います。
忙しいと精神的にもイヤになってくるでしょう。そういうときも、自分のやりたいこと、自分が描く将来像を思い出して、頑張ってほしいと思います。
ヒューマンリソシア株式会社 東京人材紹介営業部 コンサルタント 山口 真央(⇒コンサルタント紹介)
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