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コンサルタントが教える転職必勝ガイド

多くの求職者の転職に携わってきたコンサルタントに、失敗しない転職のコツを聞きました。

転職は社会人生活の中で大きな転機となる出来事の一つです。
人生で何度も経験することではありませんから、分からないことや不安なことが多い人もいることでしょう。
今回はコンサルタントの本田廣大に、『退職交渉』をテーマにインタビューしました。

#08. やっぱり気まずい? 転職先が決まった後の上手な退職交渉のポイント

本田廣大

―― 転職が決まった場合、今の職場に退職の意思を伝えないといけません。いつごろ伝えるのがいいのでしょうか

 一般的には、入社を決めたらなるべく早く伝える方がいいです。できれば、その日の内に伝えるべきですね。
ただ、入社日が決まる前に伝えると、後ろにズルズル延びてしまうこともあります。入社日を決めてもらってから退職交渉を始めた方がいいでしょう。

―― 切り出すのが遅れることで、トラブルが起きることもありますか

 中には、2カ月後に転職先に入るから、もう1カ月待とう、と考える人もいますが、現在の職場の都合や引き継ぎもありますし、予期せぬことが起きて入社が後ろ倒しになることもあります。
過去の事例として、転職先から「だったら来なくていい」と言われてしまったケースもありました。転職を決めたのであれば、今までお世話になった会社への最後の気遣いとして早めに伝えるようにしましょう。

―― 退職の○カ月前までに伝えなければいけない、という規定がある会社もあるようですが

 そうですね。規定に従えるのであれば、従う方がベターです。ただ、民法では2週間前という基準があります。いずれにしても、一般常識の範囲で動くのがいいでしょう。
また、社内規定で3カ月前に、ということもありますが、そうなると入社がだいぶ先になってしまいます。そういう場合は民法を持ちだしたり、一般通念を踏まえて折衷案で提案していくのがベストでしょう。一般論として、1カ月前、2カ月前くらいに伝えていれば妥当だと思います。

―― 伝える時期はそうとして、伝えること自体を難しく感じる人もいますよね

 そういう方は多いですね。気まずいといった精神的な理由が一番のようです。内定をもらうよりも退職交渉の方が難しいと言われるくらいですからね。
まずは口頭で伝えるべきですが、言った言わないのトラブルもあり得るので、退職願などの書面でも残しておくようにしましょう。切り出し方は、どう前置きをしても退職の申し入れになってしまいますから、気まずくてもきちんと伝えましょう。この際、転職先は伏せても構いません。状況によって「同業界です」程度に伝えるとか、「言えません」とするとか、考えてください。

本田廣大

―― 円満に退職するために必要なポイントはなんでしょうか

 やはり、自分の仕事をしっかり終えてから出ていくのが一番でしょう。
担当している案件を片付けてから転職するとか、どうしても難しい場合はしっかり引き継ぎをするとか。トラブルになりやすいのは、現在の職場に迷惑をかけて辞めることです。そうすると、転職先にも悪いイメージを持たれるだけですから、常識的な行動を心掛けましょう。

―― 退職交渉で引き止められることもあると思いますが

 そうですね。「給料を上げるから残ってよ」とか、「転勤はなしにするから」とか条件を出してくることもあります。それに乗って転職をやめる人もいますが、そういった選択肢を持っているのであれば、転職先に迷惑をかけないように事前に交渉すべきです。これも常識で考えてください、ということですね。
複数の会社から内定が出た場合も同様です。交渉をしたければ、最終決定をする前にやりましょう。

―― 複数企業からの内定と言えば、そういった場合の辞退の連絡はどうすべきでしょう

 私たちのような紹介会社を使っていれば、こちらで対応しますので心配無用です。個人でやっている方はできれば電話で、どうしても気まずければメールでもいいでしょう。

―― 退職交渉でのトラブルで印象に残っているものはありますか

 ある中小企業で「辞めるなら今までの経費を全部返せ」と言われた人がいます。あまりにメチャクチャで、当然、法的には通らない話なので、最悪の場合は法律に守ってもらう形になりますね。ほかにも、離職票や源泉徴収票などの書類を出してくれないなどの妨害行為や意地悪をする会社も中にはあるようです。

―― それはひどいですね。そこまで行かなくても、業界内の転職をNGとする誓約書を書かせる企業もあるようですが

 それもありますね。法的には何の根拠もないのですが、採用側が気にする場合があります。取り引き先などで関わりがあると、引き抜いたという話にされてしまうことを恐れてしまうことがあるんです。

―― そういう話を聞くと、より退職交渉を切り出すのが怖くなってしまいますね

 そういうときは、なぜ転職をしようと決めたのかを思い出してください。それぞれに理由があって決断をしたはずです。
転職を決めたのであれば、ぶれずに、ご自身の将来のために力強い一歩を踏み出してほしいなと思います。

ヒューマンリソシア株式会社 東京人材紹介営業部 コンサルタント 本田 廣大(⇒コンサルタント紹介

本田廣大

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