意匠設計と構造設計の違いとは? 業務内容・資格などを詳しく解説
建築を作るための設計の仕事も細かく分業化されています。
ひとくちに設計といっても分野によって異なるため、特性を理解し、自分に合ったものを見つけることが大切です。
2021年の東京オリンピック特需で日本では空前の建設ラッシュ。大都市圏を中心に再開発が進み、いたるところで建築の工事が行われていました。建築の工事は用途や規模など多岐に渡りますが、その全てが数百枚にも及ぶ設計図をもとに進められていることは共通しています。そしてその全ての建築のもととなる設計図を作るのが“設計”という仕事です。
建築を作るための設計の仕事も細かく分業化されています。
ひとくちに設計といっても分野によって異なるため、特性を理解し、自分に合ったものを見つけることが大切です。知っている方にも、そうでない方にもわかりやすく“意匠設計”と“構造設計”の特徴と違いについて解説いたします。
建築設計とは建築の設計図をつくることを目的として、大きく分けて「意匠設計」「構造設計」「設備設計」の3部門に分かれます。意匠設計は建築の間取りやデザインにおける設計。構造設計は建築物として物理学的に成立し、地震などを受けても倒壊しないよう構造強度を確保するための設計です。設備設計は利用する人が建築の内部で快適に過ごすために必要な設備である空調、音響、光、配管などの設計にあたります。
建築においてどの分野も法律上必要であるため、欠かすことはできません。それぞれの分野が連携することが良い建築を実現するための条件となります。
前述でも示した通り、意匠設計は建築におけるデザイン、構図設計は力学的な構造計算の役割分担があります。
デザインと構造計算なのでやることは根本から異なりますが、建築設計に関わるフェーズも異なります。建築設計は建築の大まかな概要を計画する基本設計と、工事するための図面を作成する詳細設計の2つのフェーズに別れています。
建築主から要望を聞き取り、間取りやデザイン、必要面積を落とし込むのは意匠設計の役割。つまり最初の一手を打つのは意匠設計です。決められた敷地で要望を満たすものができるか、予算に合うかを見定めるための基本設計は意匠設計の出番が多いです。しかし、この時点で構造設計の出番はないかと言うとそうではなく、柱の太さや大体の位置、大まかに構造的に逸脱していないかのチェックが入ります。
基本設計の段階で建築主の合意が得られると契約となり、詳細設計に入っていきます。工事できるようにするために、図面に詳細が書き込まれます。意匠設計による建築主との打ち合わせが終わると構造設計がいよいよ最終的な構造計算に入ります。構造要素となる梁や柱はもちろんですが、デザインや用途によって落とし込む梁なども意匠設計と連携し設計します。
このように設計に入るタイミングは基本設計、詳細設計においても意匠設計が先、構造設計が後となることが多いです。
安藤忠雄氏、隈研吾氏のように著名な建築家は意匠設計を専門とします。建築の花形といえば意匠設計と言う風潮はその通りでしょう。しかし、近年、構造設計技術や材料の進歩により、線形でない複雑な形状も可能となってきました。
安藤忠雄氏設計の建物(Wiiii [GFDL または CC BY-SA 3.0], ウィキメディア・コモンズより)
以前までは建築といえば四角く、重厚なものでしたが、近年では技術や工法の進化により多様な材質や軽やかであらゆる形状が実現しています。このような建築で重要になるのは基本設計の段階から意匠設計と構造設計の担当が綿密に連携することです。意匠設計だけでも、構造設計だけでも成立することではありません。
建築構造において少し前までは建築物の頑丈さで地震に耐える“耐震構造”だけでしたが、研究が進み、今では地震の揺れを受け流す“制震構造”や地震の揺れを伝えない“免震構造”が生まれました。また地震においても今まで観測されなかった直下型の長周期地震である“長周期パルス”が熊本地震で観測されるなど、研究の余地がまだまだあります。
今まで見たことのない形を実現するためや、構造方法などの多角化により構造設計の出番はより多くなってきたことは間違いなく、その分、構造設計者の職能も変わりつつあります。
役割が大きく異なるので求められる能力も異なります。
意匠設計の場合
デザインや提案を行う役割であるため、美的感覚や提案力が必要です。また建築主と打ち合わせする機会が多いため、コミュニケーション能力も大切です。基本設計から詳細設計まで、関わる期間が長く、設計全体のマネージメントも仕事の一つであるため調整能力も要求されます。デザイン、美術、人と話すのが得意、大局を見極めるキャパシティのある方は意匠設計に向いています。
構造設計の場合
一方、構造設計は建物と向き合い、建物が大きな力を受けたときに耐えうる構造強度を確保するよう力学的な解析の能力が必要です。物理学に対する理解が重要で、建物がどのような力を受け、どのように力が流れるかを想像できる能力が大切です。また基礎などの地中部分を扱う際には普段目には見えない地質や地盤をよく知ることが重要です。数学、物理学、地質学などが得意な人に向いています。
建築設計の概要と分類、仕事の内容とそれぞれの違いについてお伝えしました。あらゆる建築のベースとなる設計なしには工事は始まりません。私達が安全で安心して暮らしていけるのも優れた設計があってこそ。建設業界では常に高い需要がある職種です。
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