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どうなる施工管理技術検定? 2024年度から緩和される受検資格について徹底解説

2024年から受検資格が緩和される施工管理技士。具体的にどう緩和され、この策が深刻な人手不足に悩める施工管理界隈を救う一手になるのかを解説します。

2024年度から施工管理技術検定の受検資格が緩和される

建設プロジェクトの計画・設計・施工の各段階で、品質管理、安全管理、進捗管理、予算管理などの業務を行う専門家である施工管理技士。

この施工管理技士になるために必要な施工管理技術検定制度が2024年度から改正されます。検定を受けるために必要な資格要件が緩和され、より多くの人が受検できるようになります。

施工管理技士の資格まわりでは、2021年に「施工管理技士補」という資格が新たに生まれましたが、今回の資格要件緩和と合わせて、施工管理技士不足の解消を目指しています。

なぜ受験資格を緩和? 深刻さを増す施工管理技士不足の現状

建設業界全体に言えることですが、施工管理技士も深刻な人手不足に陥っており、この理由の1つとして少子高齢化が挙げられます。

建設業就業者の高齢化の進行
出典:国土交通省「建設業及び建設工事従事者の現状」 より引用

国土交通省の統計によると、建設業全体のうち3割以上が55歳以上である一方、29歳以下は約1割と、かなりいびつな年齢構成となっています。これでは次世代への技術継承が行われずに人手不足はさらにひどくなるおそれがあります。

そして、施工管理技士に限った話では、業務量の多さも人手不足の原因の一つです。後ほど説明しますが、施工管理技士は現場全体を管理することが求められるため、一人当たりの業務量が多くなります。そのため、休日が少なくなったり残業が多くなったりなど、プライベートの時間が奪われるので、施工管理技士が敬遠されてしまうことになります。

これら二つの原因はすぐに解決できる問題ではないため、今回の資格要件緩和策が実施されてもなお、しばらくの間は慢性的な施工管理技士不足が続いていくと予想されています。

受検資格緩和で施工管理技士不足は解消されるのか

これまで1級施工管理技能検定の第1次検定は、最終学歴ごとに実務経験の要件がありましたが、今回の受検資格緩和によって19歳以上であれば誰でも受けられるようになります。
まず、単純に受検資格がより多くの人に与えられることによって施工管理技士になれる間口が広くなることが期待できます。

そして、後述しますが第1次検定合格後は「施工管理技士補」という資格が与えられるため、建設業界への就転職が有利になって実務経験が積みやすくなります。実務経験は第2次検定の要件であるため、第2次検定の間口も広くなると言えます。

そのため、今回の2024年度改正によって施工管理技士不足が解消の方向に向かう可能性は高くなる、と言うことができます。

施工管理技術検定の受検資格は2024年からこう変わる

それでは、今回の施工管理技術検定の2024年度改正で具体的にどのように変わるのでしょうか。
以下の表にまとめました。

改正前後の比較

令和6年度以降の施工管理技術検定制度概要
出典:国土交通省HP より引用

総じて、非常にシンプルになりました。
改正後の受験資格要件について詳しく見ていきましょう。

令和6年度以降の技術検定受検資格要件

等級 第1次検定 第2次検定 ※3
1級 年度末時点での年齢が19歳以上 ◆1級1次検定合格後、
・実務経験5年以上
・特定実務経験(※) 1年以上を含む実務経験3年以上
・監理技術者補佐としての実務経験1年以上
◆2級2次検定合格後
・実務経験5年以上(1級1次検定合格者に限る)
・特定実務経験(※)1年以上を含む実務経験3年以上(1級1次検定合格者に限る)
2級 年度末時点での年齢が17歳以上 ◆2級1次検定合格後、実務経験3年以上(建設機械種目については2年以上)
◆1級1次検定合格後、実務経験1年以上

※特定実務経験…請負金額4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の建設工事において、監理技術者・主任技術者(当該業種の監理技術者資格者証を有する者に限る)の指導の下、または自ら監理技術者・主任技術者として行った経験
(発注者側技術者の経験、建設業法の技術者配置に関する規定の適用を受けない工事の経験等は特定実務経験には該当しない)

出典:国土交通省HP より引用

1級に関しては、これまで第1次検定を受けるには最終学歴ごとに一定以上の実務経験を積む必要がありました。たとえば高卒の場合、建築や土木に関する指定学科を卒業している場合は10年、それ以外の学科の場合は11.5年の実務経験が必要でした。

しかし、改正後は(年度末時点での)19歳以上であれば誰でも受けられるようになります。

改正前は高卒の場合、最短でも28歳以上でないと第1次検定すら受けられなかったところ、改正後は高校卒業後1年で受けられることになるので、この変化はかなり大きな変化であると言えるでしょう。
2級に関しては、学歴ごとの実務経験の要件が3年に統一されます。これによってメリットがあるのは、指定学科以外の高校卒業者と中卒などその他の学歴の人です。これらの人々は改正前より実務経験の要件が短くなります。

公布から実施までのスケジュール

新制度については2023年5月12日に公布され、2024年度から実施されることになっています。
なお、第2次検定の実務経験の要件が「第1次検定合格後の実務経験」なので、合格前の実務経験期間はカウントできません。これでは年齢や受検年度によって不均衡が生じてしまうため、施行後5年にわたって経過措置がとられています。簡単に言うと、2028年までに第1次検定を合格すれば第2次検定の受験資格における実務経験は、合格前の期間もカウントできます。

施工管理技士とは何をする仕事なのか?

施工管理技士は、建設現場での施工管理業務を担当する専門家で、建設プロジェクトの計画・設計・施工の各段階で、品質管理、安全管理、進捗管理、予算管理などの業務を行います。

仕事内容としては、以下のようなものがあります。
具体的な内容は こちらの記事も合わせてご覧ください。

建築施工管理技士の主な業務

施工計画の策定

建設プロジェクトの施工計画を作成し、工程やリソースの配分、予算の設定などを決定します。

施工現場の監督

建設現場での作業を監督し、施工の進捗状況や品質を管理します。施工の指示や工事図面の確認、品質検査の実施などが含まれます。

安全管理

建設現場の安全性を確保するため、労働安全や労働衛生に関する規定を遵守し、安全管理を行います。安全教育の実施や危険箇所の把握、安全対策の立案などが含まれます。

品質管理

建設プロジェクトの品質を管理し、施工の適合性や品質基準の順守を確保します。工事の品質検査や施工図面のチェック、品質改善の提案なども含まれます。

コスト管理

工事の予算を管理し、コストの把握やコスト削減策の提案を行います。発注業者との調整や見積書の作成などが含まれます。

問題解決と調整

施工中に発生する問題やトラブルに対処し、関係者との調整を行います。施工上の課題や変更要求に対応し、円滑な建設進行をサポートします。

施工管理技士は、建設プロジェクトにおいて品質と安全を確保し、工程のスムーズな進行を支える重要な役割を果たします。

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建設業界で施工管理技士になるメリット

施工管理技士は、建設現場全体のマネジメントをする、建設業界でも特に重要度が高い職種のひとつであり、施工管理技士になることは、建設業界でキャリアを積む上で短期的にも長期的にもメリットが多いです。
いくつか挙げていきましょう。

収入アップが望める

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、建築施工管理技士の平均年収は約620万円です。建設業界全体の平均年収が約491万円であることを考えると、やはり1級施工監理技士の資格保持者の年収は高いことがわかります。

この数字は施工管理技士全体の数字であるため、大手企業に就職できれば数字はさらに高くなり、スーパーゼネコンであれば1,000万円を超える可能性もあるでしょう。大手企業の従業員になるメリットは年収面だけでなく、きちんとした人事制度や手厚い福利厚生など、待遇面にもあります。

特に、建設業界では2024年から時間外労働の上限規制が適用になるため、各企業で人材確保のため待遇改善の動きが進んでいます。いいタイミングと言えるかもしれません。

キャリアプランが広がる

自身のキャリアパスにとっても大きなメリットがあると言えるでしょう。現在すでに建設業界で働いているならば、施工管理技士になることによって昇進のチャンスをつかむことができたり、違う会社への転職を考えているのであれば選考の際に有利になったりする可能性も高いです。今回の制度改正が施工管理技士のなり手不足解消が理由であることからもわかる通り、業界全体的に施工管理技士の人材不足、高齢化は大きな問題になっています。その中で資格をとって転職するということであれば市場価値は高くなります。

同時に、フリーランスとして活躍する施工管理技士も多いため、独立することも可能です。独立すれば自身にあった働き方ができるため、その点でも大変魅力的な資格であると言えます。

また、施工管理技士として大きな工事の実務経験を積めば監理技術者資格を取ることもできます。監理技術者資格は実務経験だけで取ることができる資格で、大規模な工事の現場では必須であるため、年収やキャリアなどでより大きなメリットを受けることができます。

その監理技術者への足がかりとしてまずは施工管理技士から始める、というのもキャリアプランの一つです。

監理技術者について詳しくはこちら

建設工事全体のマネジメント能力が身につく

収入やキャリアプランでメリットがある一方、施工管理技士といえばとかく「業務量が多い」「責任が重い」というイメージがあります。

これは現場全体の流れや進捗だけでなく、作業員の管理もしなければならないためです。また人命に直結する安全面の管理もしなければいけません。そうなると必然的に業務量は多くなり、業務時間も長くなりがちで、人命も関わるので重大な責任がのしかかってきます。

しかし、2024年からは建設業界でも時間外労働の上限規制が適用になるため、労働環境の改善が見込まれます。
施工管理の業務を経験することで建設工事全体の流れを自分が把握することができるうえ、たくさんの人が働く現場の管理も任されるので、高い管理能力を身につけることができます。そしてたくさんの業務と重い責任を乗り越えて工事を終えられた時の達成感はその人にしか味わえないほど大きなものになることでしょう。

まとめ

施工管理技士検定の2024年度試験制度改正について紹介しました。
建設業界の中でも施工管理技士は特に人手不足が深刻な資格であるため、2021年度改正に続いて今回の改正が行われることになりました。しかしすぐに人手不足が解消するわけではないため、待遇や年収がアップする可能性は高いです。

施工管理技士の資格は大規模な現場で必須の監理技術者との相性も良く、1級の施工管理技士を取れば将来的には監理技術者になることもできるため、資格取得によって今後建設業界で長く安定して高待遇で働き続けることができる資格です。

しかし、「施工管理技士の資格を取ってキャリアアップを・・・」と考えている方には気をつけていただきたい点があります。それは、企業選びです。

転職をするにあたっては、受け皿となる企業の受入体制や資格取得支援、教育・研修整備が為されてないと、継続的な勉強やスキルアップは叶いづらくなります。企業選びを慎重に行わないと、短期的にはよくても長い目で見ると逆にキャリアに傷がつく可能性もあるのです。

そうならないためには情報収集が重要ですが、個人で調べるには限界があります。
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