ビル設備管理とは?資格から仕事内容まで徹底解説
設備管理の仕事はオフィスビルや商業ビル、学校、病院等、様々な場所で求められています。
ビルメンテナンス(ビルメン)と呼ばれることもある、設備管理の仕事内容についてご紹介します。
ビルメン(ビルメンテナンス)とも呼ばれるビル設備管理の仕事は、商業ビルやオフィスビルにおける電力や空調、機械や防災などの設備を維持管理することです。
設備管理は病院・学校・商業ビルなど「施設」と呼べるもの全てにおいて必要な業務であり、職務内容も施設によって様々です。施設の運営や営業を滞りなく進めるためだけでなく、設備は施設の利用者の安全にも関わるものもあるので、非常に責任の大きな仕事です。
都心、地方問わず開発が進んでいる現代においては数多くの施設が立ち並び、今後も増えていくでしょう。その場合、当然ながら維持管理を担う人材は必要不可欠です。
特に電気・給排水・空調といった設備が不具合をおこすと施設全体の営業や運営が困難となるため、これらの設備管理のスキルは高い需要があります。
ビル設備管理では主に商業ビルやオフィスビルを扱いますが、学校や病院、ホテルなどの大規模な建築物を扱うこともあります。ただし、専門性が高いプラント設備管理はエネルギー管理士や電気工事施工管理技士 、機械保全技能士などの資格保有者が活躍しており、ビル設備管理とは異なる知識、経験が必要となります。
一口に設備管理と言っても業務内容は多岐にわたります。大まかにあげると以下のような業務となります。
●設備の点検、動作確認
●メンテナンス
●清掃
●壊れた設備の修繕
●施設巡回
「どのような設備を扱うか?」によって、必要な技術は異なります。
電気・空調などの施設の運営に関わるものから、消防設備など緊急時に必要になるもの、扱う範囲は幅広く、細かく分けると50種類以上になるのが設備管理の業務です。
ビル設備管理業務の1日の流れ
施設の多くが24時間体制での管理となっています。
当然、シフト制で勤務するため一人で24時間管理をするわけではありませんが、休日や勤務時間などは不定期になりがちです。
商業施設であってもお客様のいない時間帯にやることはたくさんあるので、結果的には24時間での管理となります。
▼基本的に1日の流れは以下の通りですが、施設や扱う設備によって異なります。
《出社》
朝礼、前日の引継ぎ、作業スケジュール確認
《午前》
建物内の日常巡回
《昼休憩》
《午後》
月例点検、修繕対応、専門業者との立ち会い、データ集計、待機
設備管理には、医師免許や美容師免許のような、業務を行うにあたって必須の資格はありません。無資格でも職に就くこと自体は問題なく、未経験でも求人はたくさんあります。
しかしそれと同時に、有資格者や経験者を求める企業が多いのも事実です。危険物取扱免許や電気工事士や消防設備士の資格など設備管理に関わる資格はたくさんあります。どれが必要なのかは管理する施設や設備、業務内容により大きく異なるので、一概に「この資格をとるべき」とは言えません。
ただし、数ある資格の中でもとりわけ設備管理の仕事に需要が高いものはあるので、それらをご紹介します。
ビルメン4点セットについて
第二種電気工事士
危険物取扱者乙種
二級ボイラー技士
第三種冷凍機械責任者
上記4つがビルメンテナンスつまりは設備管理における、基本を抑えた資格であり、通称ビルメン4点セットと呼ばれています。設備管理のプロフェッショナルたる最低条件のような資格と言えるでしょう
特にこの第二種電気工事士は、4点の中でも最も重要とされているので、資格取得を目指すなら最初に取ることが多い資格です。
3種の神器について
ビルメン4点セットのさらに上位の資格に位置付けられ「3種の神器」とされる資格があります。
■第三種電気主任技術者( 資格の詳細はこちら)
第三種電気主任技術者は電験三種と呼ばれています。電気に関する知識と技術を証明するもので、発電所や変電所などの受電設備に関するプロフェッショナルの証明になります。
第三種電気主任技術者は、数ある電気関連の資格の中でもとりわけ難関とされている国家資格です。そのため、設備管理としてのキャリアアップにとても役立つ資格です。
■エネルギー管理士( 資格の詳細はこちら)
エネルギー管理士には電気と熱の2種類があり、どちらも設備管理に役立つものです。大規模なプラント・工場など扱うエネルギー量の多い環境での設備管理には、この資格が求められることが多いようです。
難易度は非常に高いので、こちらもキャリア形成に役立つものですが、内容が電験三種と重なる部分も多いので、電験三種の次に狙う資格とされています。
■建築物環境衛生管理技術者( 資格の詳細はこちら)
通称ビル管と呼ばれ、3種の神器最後の一つとされていますが、試験の難易度は上記2つよりも比較的低いです。そのため、3種の神器の中でも最初に取ることが多い資格です。
面積が3,000平方メートル以上の施設には、必ずビル管資格を設置することが義務付けられていますので、学校や商業ビルなどの大規模な施設を扱う企業からの需要が高いです。
その他資格について
ビルメン4点セットと3種の神器は必須で取得しておきたい資格ですが、その他に取得しておくと良い資格はあるのでしょうか。
上記以外の資格を取得しようとお考えの場合は、ご自身がどのような設備を扱うのかによって取得すべき資格が決まってきます。
例えばガス関係ですとガス溶接技能者など、給排水・空調関係ですと 管工事施工管理技士や給水装置工事主任技術者などの資格が挙げられます。
その他資格を取得するのであれば、転職先の企業が扱う設備に関連する資格を取得することが基本となるでしょう。
求められる経験
なにより必要なのは電気やガス・冷凍設備など、扱う設備の関連知識です。しかし、非常に多岐にわたるその業務内容の全てを習得するのは現実問題として難しいでしょう。自身が「関心のある」あるいは「経験・知識があるもの」を入口とするのが近道です。さらに、それらに関する資格等も取得しておけば就職・転職にも有利になります。
また、施設のオーナーやテナントに説明をしたり、協力業者とコミュニケーションをとりながら仕事を進めたりすることがあるため、コミュニケーション力が高いことも評価のひとつです。
ビル設備管理の平均年収は約280万円となっており、一般的なサラリーマンの平均年収と比べると低い水準となっています。
そのため、ビル設備管理へ転職をする場合には資格を取得することが必須と言えるでしょう。ビル設備管理に関連する資格を保有していれば資格手当がつきますし、キャリアアップしやすくなり年収アップが期待できます。
また、夜間勤務や宿直勤務がある企業はその分の手当が支給されるなど、転職先によっても年収は大きく左右されるため事前にしっかりと企業研究をすることが重要です。
関電ファシリティーズ株式会社
オフィスビルやホテル、学校、病院など幅広い施設の設備管理を担当することができます。
関西電力グループならではの高い技術力、安定性のもと充実した労働環境が整っているのが魅力です。
資格取得や人材育成へのバックアップが強いため、キャリアアップしたい方にもオススメな企業です。
TMES株式会社
高砂熱学工業グループの強みを生かし、オフィスビルや研究施設、総合病院といった大規模施設を中心に高品質な設備総合管理を行っています。
全国に拠点を構えていますが、各拠点ごとに採用をしているため転勤がほとんどないことも特徴のひとつ。
社員の働きやすさを最優先した社内制度が整備されているため、ワークライフバランスを保って働けます。
星光ビル管理株式会社
星光ビル管理株式会社は主に静岡以西のエリアで事業展開している総合ビル管理会社で、創業70年の実績を有します。
オフィスビルを中心に、ホテル・病院・商業施設・工場などで様々なビル管理業務を提供しているのが特徴です。
中途採用が多く、未経験者でも活躍できる環境が整っています。
工事が発生する場合は発注者側の立場で現場管理を行うため、同業他社と比較して残業時間が非常に少ないことも特長のひとつです。
ビル設備管理の仕事は、これまで述べたように様々なスキルや技術が必要とされていて、各分野の専門家というよりは、あらゆる分野の引き出しを持っている技術者の方が求められます。
また業務内容の複雑さ多様さから、経験値よりも資格を重視する傾向にあるようで、未経験でも実際に働き始める前に、ビルメン4点セットのうち一つでも取っておくと非常に有利です。
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