建築における積算の仕事とは？

建築物は、計画から完成までに実に多くの仕事が関わります。中でも代表的な仕事は、計画・設計・積算・施工管理です。

この記事では、建築物が完成するために必要不可欠な仕事である「積算」について、積算の仕事とは何なのか、積算の仕事のやりがい、積算の仕事の収入はどのくらいなのか？ということを解説しています。

将来的に積算の仕事に就きたいと考えている方や、積算の仕事に興味がある方、転職を検討中の方はぜひお読みください。

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積算とは？

建築業界以外で「積算」という仕事を聞いたことがある方はいないでしょう。というのも、「積算」は建築業界だけにしかない仕事だからです。

そんな「積算」の主な仕事内容は、以下のことが挙げられます。

・建築計画のコストマネジメントをする
・計画図や設計図、仕様書などから建物に必要な材料を算出する
・建物に必要な材料の数を明確にし、建築費用を算出する
・建物の完成までに必要になる金額を見積る

積算の仕事は「建築物が完成するまでにいくら金額がかかるのか」を明確にする職業です。積算を行うためには、具体的に以下の知識や技術が必要になるでしょう。

・設計図の読み込み
・仕様書の解読
・図面の作成（CADの操作）
・専門用語の理解
・工事過程の理解
・工法の理解
・数量の計算
・見積書の作成
・工事価格の一般相場
・材料価格や職人の手間賃の一般相場
・景気による工事価格の増減予測

建築の仕事の中でも、とても専門性が高い仕事であることがわかります。

そのため、施工管理や設計監理など建築業界で経験を積んだ上で積算の仕事に就く人が多いですが、最近は積算用のソフトを使い、業務を簡単にしている企業もありますので、未経験でも行うことができる仕事になっています。

デスクワークが中心の仕事ではありますが、建築現場に足を運ぶことや、新製品や新しい工法など、自ら情報を仕入れ知識を探求する気持ちが大切な仕事ですので、人との関わりも多い職種と言えるでしょう。

積算のやりがい

積算の仕事は、以下のように非常にやりがいの多い仕事と言えます。

・予算内で工事するためのアイデアが採用された際の喜び
・予算内に積算できた際の達成感
・建物が完成した際の達成感
・建物が完成した際に施主から感謝される
・建物の工事金額を決めるという重要な仕事
・自分の積算した金額次第で多くの人が動く

積算の仕事は、建築の職種の中でも「建築費を決める」というとても重要な役割を持っています。

特に土木工事などの大きい規模の建築の場合には、積算のミスがあると金額が大きく変動するため、受注の機会を失ってしまったり、会社にとって大きな損失になることもありますので、常に緊張感と重い責任感が必要になる仕事でもあります。

積算の仕事に必要な資格は？

積算の仕事に必要な資格は民間資格の『建築積算士』があります。なお、より上位の「建築コスト管理士」という資格と下位の「建築積算士補」もあります。

資格の内容としては、建築の積算技術の実務で必要になる専門知識や、計算などの技術の証明をするものになります。合格率は40～70％なので、建築業の知識や経験がある場合には比較的易しい内容の資格となるでしょう。

先にお伝えしたように、積算の仕事は専門性の高いものですので、未経験の場合には難易度がかなり上がることを心得てください。
取得方法としては、経験者の場合には独学も十分に可能です。未経験者の場合や、より確実に合格をしたい場合には日本建築積算協会が開催する講習会に参加しましょう。

建築積算士の仕事は、積算の仕事をする際になくてはならない資格というわけではありませんが、技術力や知識を証明し、相手の信頼を得るためにはとても有効な資格になります。また、中小規模の企業の場合には、設計監理についての知識を求められる可能性も高いです。

建築の専門的な知識を得る意味では『建築士』の資格も併用して持つと転職や就職に非常に有利になるでしょう。

建築積算士の資格について詳しくはこちら

積算の仕事の年収、給料は？

積算の仕事の年収としては、200～900万円と非常に幅があることが特徴です。新卒や未経験者の場合には低い水準に、経験者や有資格者の場合には高い水準になるでしょう。

取り扱う建物の規模によっても異なり、経験を積み、大規模建築や公共工事などを手がける大手ゼネコンなどに転職することでもっとも高い水準の収入を得られます。

積算士の資格を持つことで資格手当が得られる企業の場合には、およそ5,000～20,000円の手当がつきます。

建築積算士の転職先

「積算」には専門知識や技術が必要で、建築物を建てるには欠かせない業務です。積算をしなければ見積もりを含めた建築計画を立てられないため、積算は非常に重要な役割を担うのです。

未経験者でも積算の仕事はできるようになっていますが、建設に関して幅広い知識が必要なことや、正確なデータ・数値を求めることを考えると、建築積算士の資格保有者は優遇されることがお分かりかと思います。

今回はそんな建築積算士の具体的な転職先として「積算事務所」と「ゼネコン」をご紹介します。

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積算事務所

あまり馴染みがないかと思いますが、建設業界には積算業務を専門とした「積算事務所」が存在します。

積算を主業務としていることから、積算事務所で働くには高い専門性が必要となり、高品質な積算書を作成しなければなりません。そのため、建築積算士の資格を取得していれば積算事務所への転職で有利になります。

積算の仕事を専門的に行いたい方は積算事務所への転職がオススメではありますが、社会情勢や新製品、工法などに対して常にアンテナを張っていかなければならないことは覚えておきましょう。

ゼネコン

大規模な建築物を手掛けるゼネコンでは、積算の業務も複雑になります。ゼネコンは工事全体を取りまとめるリーダー的存在なため、より正確な積算が求められます。そのため、ゼネコンで積算の仕事をしたいと言うのであれば建築積算士の資格は必須とも言えるでしょう。

建築積算士の資格だけではゼネコンへの転職は厳しい点もあるため、建築積算士以外にも資格を取得しておくべきです。

建築全般に携わるゼネコンへ転職する場合は、建築士や技術士などの資格も取得していると仕事の幅が広がり、キャリアアップすることができるでしょう。

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建築物が完成するために必要不可欠な、積算の仕事についてお伝えしました。

積算の仕事は、コツコツと物事を進めるのが好きな人や、データを集めるのが好きな人、計算や計測が好きな人、表計算が好きな人に向いている仕事です。自分の仕事で多くの人を動かすこともできるので、大きな達成感もあるでしょう。

建築業界への就職や転職を考えている方は、積算の仕事について理解を深め、ぜひ検討してください。

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