第三種冷凍機械責任者とはどんな資格?仕事内容は?
ビルメン4点セットの中で最も難易度が高い第三種冷凍機械責任者は、空調設備の保安業務には必須な資格です。資格を取得するメリットと活かし方、最新の試験情報も掲載しています!
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冷凍機械責任者とは、まず一定以上の冷凍設備を有する事業所では冷凍機械責任者免状を取得した者の中から冷凍保安責任者を選任する必要があります。
冷凍機械責任者とはそのような冷凍保安責任者として選任されるために必要な、高圧ガス製造保安責任者の資格区分のひとつです。
冷凍機械責任者には第一種から第三種まで区分があり、その中でも冷凍能力の違いにより保安できる区分が異なります。
冷凍機械責任者3種類の違い
冷凍機械責任者は3種類の資格区分となっています。
第一種:すべての製造設備における製造にかかわる保安
第二種:1日の冷凍能力が300t未満の製造施設における製造にかかわる保安
第三種:1日の冷凍能力が100t未満の製造施設における製造にかかわる保安
第一種は冷凍能力の規模に関係なく製造設備の保安に従事できますが、その分資格取得のための試験の難易度も非常に高いです。第一種冷凍機械責任者の試験は「法令」「保安管理技術」「学識」の3分野から出題されますが、法令と保安管理技術はマークシートで、学識は全て記述式です。単純に公式だけ覚えれば解答できる計算問題から、各冷媒の特徴(混合冷媒であればその混合比率や特徴など)の記載など、非常に幅広い範囲から出題されます。
そのため、受験者の多くは法令以外の試験が免除となる検定試験を事前に合格してから、第一種の試験に挑みます。
ただし、その検定試験も難易度が高いため、しっかりと勉強する必要があります。
第三種冷凍機械責任者は1日の冷凍能力が100t未満の製造設備における保安を実施できます。
主な仕事内容には、以下のようなものがあります。
機械の保守点検
運転時の冷媒の圧力の点検、付帯機器の日常点検、水冷式の場合は冷却水の流量や温度のチェックなどを行います。
無資格者の監督業務
無資格者が点検などを行う場合は、必ず冷凍機械責任者が立ち合って実施させます。
点検結果の確認、保管
日常点検の結果を確認し、何か異常の兆候があれば対応します。さらに、その結果を保管します。
上記以外にも、メーカーで修理が必要になった場合はその日程の調整や工事の段取り、工事の立会など幅広い業務を行います。
そのため、大規模な冷凍機械を扱わない化学工場や食品工場、空調機器などを取り扱うビルメンテナンスの仕事では非常に重宝される資格となります。
第三種冷凍機械責任者の活かし方
第三種冷凍機械は100t未満の製造設備しか保安を行うことができませんが、職務範囲が狭いわけではありません。
例えば工場での冷凍空調機器や小規模な冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場などでは、100t未満の製造設備を数多く取り扱っています。
そのため、化学工場や食品工場での保安係員として働く際には、工場内にあるほとんどの冷凍冷蔵設備の保安に関わることが可能です。
また、スーパーの冷凍冷蔵ショーケースなどでも冷凍設備は使用されていますので、多くの場所で第三種冷凍機械責任者の資格を活かすことができます。
ビル設備管理における第三種冷凍機械責任者の役割
第三種冷凍機械責任者の資格を活かせる仕事として、ビルメンテナンス(以下ビルメン)の仕事があります。この仕事はその名の通り、ビルの設備をメンテナンスする仕事です。
ビルメンの主な業務
電気設備
照明設備や受変電設備、今では蓄電池やソーラーパネルなどの電気設備の管理・メンテナンス
空調設備
冷凍機や付帯設備の冷却塔、ボイラーなどの空調設備の管理・メンテナンス
給排水設備
受水槽や排水槽、それらに使用する付帯機器などの給排水設備の管理・メンテナンス
消防設備
警報器や消火設備などの消防設備の管理・メンテナンス
ビルメン4点セット
ビルメンテナンス業務を行うのに必要な4つの資格を、通称「ビルメン4点セット」といいます。ビルメン4点セットを取得していると、ビルメンとして昇格しやすい、または転職しやすいと言われています。
ビルメン4点セット
第二種電気工事士
危険物取扱者乙種4類
二級ボイラー技士
第三種冷凍機械責任者(本ページ)
ビルメン4点セットの中でも、第三種冷凍機械責任者は最も難易度が高い資格となります。
第三種冷凍機械責任者は主に空調設備の保安業務を行うにあたり必須の資格です。
第三種冷凍機械責任者を取得するメリット
第三種冷凍機械責任者を取得するメリットには、以下のようなものがあります。
・化学工場や食品工場などの比較的小規模の冷凍冷蔵設備を取り扱っている会社の保安責任者になれる。
・ビルメン4点セットの資格の一つのためビルメンとしてスキルアップを図れ、昇格・キャリアアップに有利になる。
・化学工場、食品工場及びビルメンに転職する場合は履歴書に記載することができるので、転職で有利になる。
・第二種、第一種へのステップアップとなる。
第三種冷凍機械責任者の年収
第三種冷凍機械責任者を取得した場合の年収に関しては、職場によって差がでます。
工場やビルメンとしては重宝される資格ですが、大きな収入アップにはつながりません。ただし、保安責任者として任命や資格取得に対する評価などをもらうことには役立ちます。
化学工場、食品工場
保安責任者に任命されると手当てがもらえる可能性があります。昇格などの場合にも第三種冷凍機械責任者を取得すれば評価されますが、それほど大きな年収アップは見込めません。
第二種や第一種冷凍機械責任者、エネルギー管理士等を取得してさらなるステップアップを目指すのがオススメです。
ビルメン
ビルメン4点セットをすべて取得すれば主任や現場責任者として昇格は大いに見込めるので、年収は大幅にアップする可能性があります。
そのためには、なるべく早く第三種冷凍機械責任者を取得することが重要です。第三種冷凍機械責任者は年に1回しか試験がないので、しっかり勉強して試験に臨みましょう。
※令和3年度 第三種冷凍機械責任者試験の申し込みは締め切られています
主管
資格区分
国家資格(経済産業省)
職務範囲
第三種冷凍機械責任者の高圧ガス保安法によって、以下のように定められています。
主に小型冷凍空調機器を備えている施設、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場等において、製造(冷凍)に係る保安の実務を含む統括的な業務を行う方に必要な資格で、1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設に関する保安に携わることができます。高圧ガス保安協会HPより引用
受付期間
【申込受付は終了しています】
【電子申請】令和3年8月23日 10:00~9月8日 17:00
【書面申請】令和3年8月23日~9月6日
※書面申請は当日消印有効
※書面持参の場合は17:00まで
試験日
令和3年11月14日(日)
合格率
年度 | 全科目合格率 | 法令のみ |
---|---|---|
2014年度 | 19.0% | 49.4% |
2015年度 | 25.9% | 71.8% |
2016年度 | 34.8% | 89.4% |
2017年度 | 37.0% | 85.1% |
2018年度 | 39.8% | 85.0% |
令和元年度 | 32.4% | 78.0% |
令和2年度 | 18.3% | 79.9% |
出典:高圧ガス保安協会HPより引用
全科目受験ですと、2割~3割の合格率となっています。近年は合格率が高めになっているとはいえ3人に2人は落ちてしまう試験ですので、全科目受験での難易度は高めと言えます。
前もって「高圧ガス製造保安責任者講習(冷凍)」を受講し、講習修了証を取得することで保安管理技術の試験が免除され、法令のみの合格で資格を取得できますので、より確実に資格を取得したい方は講習を受講するといいでしょう。
受験手数料
【電子申請】8,200円
【書面申請】8,700円
試験科目と時間
第三種冷凍機械責任者の試験科目は「保安管理技術」と「法令」のみになります。第二種や第一種は「学識」も加わりますので、第三種は試験科目としては若干少なくなります。なお、試験時間は以下の通りです(変更になる場合があります)。
第三種冷凍機械責任者は学識がないため、午前中だけで終了となります。実際の試験時間内で全問回答できるように、しっかりと試験対策しておきましょう。
科目 | 試験時間 |
---|---|
法令 | 9時30分~10時30分 |
保安管理技術 | 11時10分~12時40分 |
学識(第三種はなし) | 13時30分~15時30分 |
第三種冷凍機械責任者は、工場やビルメンなど様々な場面で役立つ資格です。
さらに上位資格である第二種、第一種冷凍機械責任者を取得すると仕事の幅が広がりますし、大幅な年収アップも期待できますので、まずは難易度が低い第三種から挑戦してみてくださいね。
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