第一種電気工事士の免状申請と実務経験について徹底解説
大小様々な規模の電気設備に携わる「第一種電気工事士」を名乗るには、試験突破に加えて実務経験を積んで免状を発行してもらう必要があります。第一種電気工事士の免状申請と実務経験について、分かりやすく解説します。
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「電気工事士」は電気工事を行う際に必要な資格で、その工事に関する専門知識と技能を有していることを証明する資格です。
電気工事士の資格は第一種と第二種に分かれており、第一種は「500kW未満の自家用電気工作物」及び「一般用電気工作物」の工事に従事することが可能です。
また、第一種電気工事士は国家資格ですので、所持することにより自分の技能を法的に証明することができます。転職などで有利になる他、電気工事施工管理技士の受験資格を取得することができます。
試験としては筆記試験と技能試験が存在します。技能試験では実際に工具を使用して、問題を完成させていきます。
受験資格
第一種電気工事士の受験資格は特にありません。どなたでも受験することができます。
しかし、第一種電気工事士として国家資格を得るために重要なのは「実務経験が必要になる」ということです。
試験に合格しただけではだめで、一定の実務経験を積むことで免状が発行され、そこではじめて第一種電気工事士を名乗ることができるようになります。
例えば学生時代に第一種電気工事士試験に合格しても、実務経験を得ることができないので、試験に合格しても第一種電気工事士を名乗ることはできないということになります。
実務経験は最低3年、基本的には5年が必要と言われていました。
しかし、法制度の改正により、2021年4月1日以降に免状交付申請を行う場合、学歴にかかわらず3年以上の実務経験があれば交付可能になりました。詳しくは次の項で解説します。
実務経験
上でも書きましたが、2021年4月1日以降に免状交付申請を行う場合、学歴にかかわらず3年以上の実務経験があれば交付可能になりました。
なお、実務経験を積んだ時期は第一種電気工事士試験の合格前でも合格後でもどちらでもOKです。
詳細は「一般財団法人 電気技術者試験センター 」をご覧ください。
実務経験として認められる工事は下記のようになっています。この辺りの情報は各都道府県のホームページでも見ることができます。
「第一種電気工事士 実務経験 都道府県名」
で検索すれば各都道府県の実務経験に関するページにアクセスすることができます。
「一般財団法人 電気技術者試験センター 」によると、具体的な工事内容は以下となっています。
- 第二種電気工事士免状又は旧電気工事士免状取得後に行った、住宅や小規模な店舗などにおける一般用電気工作物の電気工事
- 小・中規模な工場やビル、店舗など最大電力500kW未満の需要設備において、認定電気工事従事者証取得後に行った簡易電気工事
- 大規模な工場やビルなど最大電力500kW以上の自家用電気工作物の設置・変更の工事
- 事業用電気工作物のうち、電力会社の発電所や変電所、開閉所、送配電線などの電気事業の用に供する電気工作物の設置・変更の工事
- 経済産業大臣が指定する第二種電気工事士養成施設の教員として担当する第二種電気工事士養成に必要な実習
基本的には第一種電気工事士資格試験に合格する以前の工事も実務経験として認められますので、実務経験さえ積んでおけば第一種電気工事士に合格したのちに、すぐに免状の交付を申請することもできます。「第一種電気工事士試験を合格してから3年たたないと申請できない」ということではありませんのでご安心ください。
上記工事を学生が行うことはほとんどないので、学生期間中などは実務経験の範囲に入れることはできず、必然的に就職してからとなります。
「一般財団法人 電気技術者試験センター 」によると、実務経験として認められない工事は以下となっています。
- 電気工事士法施行令で電気工事の作業から除かれる軽微な工事
→工事というほどではないため、実務経験とは認められません。 - 電気工事士法で別の資格が必要とされる特別な電気工事(最大電力500kW未満の需要設備における電気工事のうちネオン工事及び非常用予備発電装置工事)
→ネオン工事については「特種電気工事資格者(ネオン工事)」、非常用予備発電装置工事は「特種電気工事資格者(非常用予備発電装置工事)」という別の資格となりますので、第一種電気工事士の実務経験とは認められません。 - 5万V以上で使用する架空電線路の工事
→法律上、第一種電気工事士の適用範囲外です。 - 保安通信設備の工事
→法律上、第一種電気工事士の適用範囲外です。
第一種電気工事士の資格試験に合格しても、資格免状を発行してもらうには実務経験を積んだ後に「実務経験証明書」を作成して各都道府県に提出する必要があります。この免状がなければ第一種電気工事士を名乗ることはできません。
1.様式をダウンロード
まず各都道府県のHPから実務経験証明書の様式をダウンロードしてください。
「第一種電気工事士 実務経験証明書 都道府県名」で検索すれば見つけることができます。「電気工事士免状交付申請書」ではないので注意してください。
また、「電気工事士免状交付申請書」は「実務経験証明書」と一緒に提出しますが、別の書類ですので間違えないようにしましょう。
2.会社名などを記載
実務経験に関わる仕事をした際の会社名、部署名を記載しましょう。
この時に転職した直後などで二社以上の経歴が必要な場合は、それぞれの会社の実務経歴証明書が必要となりますので注意が必要です。
これは電気工事士に限らず実務経験が必要な資格の場合は大体同じです。
3.期間を記載
期間を記載する場合は必ず必要な経験年数を超えるように記載することが必要です。
期間の記載の仕方は「H30年6月」という形式ですので少し余裕をもって書くことがおすすめです。
4.職務の内容を記載
上記の期間でどのような職務を行ったのかを記載していきます。
ただ単に「工事を実施した」ではなく具体的に記載して、工事内容が実務経験として認められるように記載することが必要です。
また、すでに第二種電気工事士や電気主任技術者の資格を保有している場合は、その旨も必ず記載してください。
自営業で第一種電気工事士の資格を申請する場合には、電気工事の届け出番号を記載することが必要です。
5.会社の代表社印を押印
最後に会社の代表社印を押印します。会社によっては押印してもらうには手続きがいりますので、なるべく時間に余裕をもって作成しましょう。
これによって「うちの会社の〇〇さんは第一種電気工事士取得に必要な実務経験を有しています」ということを会社が証明します。
会社の信用にかかわりますので、絶対に虚偽の実務経験証明書は書かないようにしてください。
すでに退職済みの会社での経験を記載する場合も、その会社の代表社印の押印が必要となりますので、できる限り1社で済ませたほうが手間もかからず、楽に申請することができます。
実務経験を記述する際に「一ヶ月足りないけどまぁいいか」という感じで、少しだけごまかして記載したくなる時もあると思います。
もちろん、会社としてそのような申請を認めてはいけませんし、押印をしてはいけません。会社としてもそこまで個人の実務を月単位で管理しているとは思えないので、恐らく押印してしまうと思います。
しかし、これは立派な犯罪です。免状等不実記載罪(刑法157条2項)で1年以下の懲役か20万円以下の罰金が科されます。
そして会社としての信頼も失われる可能性もあります。最悪の場合は第一種電気工事士の資格も取り消しとなり、会社の電気工事業などの登録も取り消し可になるかもしれません。
もしそのような事が起これば工事の受注が途絶えてしまうかもしれません。つまり会社として存続していけなくなる可能性もあります。
たった1日、1ヶ月でも虚偽報告であることに変わりはありません。絶対に虚偽報告はやめましょう。
Q: 第一種電気工事士とはどんな資格ですか?
A: 500kW未満の自家用電気工作物及び一般用電気工作物の工事に従事できる、電気工事に関する専門知識と技能を証明する国家資格です。技能を法的に証明できる他、転職や施工管理技士受験の際に有利になります。
Q: 第一種電気工事士に必要な受験資格は何ですか?
A: 誰でも受験可能ですが、試験に合格しても免状の交付を受けるためには3年以上の実務経験が必要です。
電気への依存度が高まっているなか、第一種電気工事士の資格を取得していれば様々な場で活躍することができます。
電気設備に関わる仕事をしたいとお考えの方は、第一種電気工事士を取得してスキルアップ、年収アップを目指すことをオススメします。
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