現場を守る重要なポジション!「安全管理」とは?必要な資格まで紹介
現場には様々な危険が潜んでいます。そういった危険から作業者を守る「安全管理」は施工管理技士の仕事でしたが、近年は事情が変わってきました。業務の内容と合わせて解説します。
建設の現場では、作業員の安全を守るために現場を管理することが非常に重要です。
本来施工管理の一環として考えられていた安全管理ですが、近年ではその重要性などから、安全管理をひとつのポジションとして行う現場や企業も増加しています。
今回はそんな建設における安全管理について、その方法や求められるスキル、安全管理業務をとりまく環境まで詳しくご紹介していきます。
建設の現場では、高所での作業や機器の利用、重量物の落下リスクなど、様々な危険があります。
そのため、事前にあらゆるリスクを想定し事故を防止するための取り組み、「安全管理」が非常に重要になります。
厚生労働省により発表されている令和4年の労働災害発生状況のデータによれば、労働災害による死傷者数は減少傾向にあり、死亡者数は平成29年度と比較して42人(13.0%)減少、死傷者数は590人(3.9%)減少しているとされています。
安全管理の徹底により、実際に事故を減らすことにつながっているということが言えそうです。
安全管理を徹底することで、従業員が安全に働ける環境づくりができ、間接的に生産性の向上にも役立つでしょう。
安全管理はこれまで、工期や品質・コストの管理などとともに施工管理業務の一環として、施工管理技士によって行われていました。
しかし、現場において事故を防止することの重要度の高さから、より安全管理の質を高めるために近年では安全管理を専任で行うポジションが置かれることが増えてきています。
これにより、さらに安全管理を重点的に行えるようになることはもちろん、長年課題とされてきた施工管理技士の業務負荷や労働時間の削減という問題もある程度解消されることが期待されています。
施工管理経験者にもおすすめ
施工管理技士には激務のイメージがあるという方、また実際に施工管理技士として働いていたが激務を理由に離れてしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
安全管理は施工管理の中の一業務であったため必要なスキルも重なっており、経験を活かすことができます。施工管理業務の経験者や施工管理に興味がある人にもおすすめのポジションです。
また、施工管理技士の業務量の多さは、こういった見直しや担当分野の独立により改善されつつあります。
激務がネックになっていたという方は、これを機に施工管理技士職への復帰や安全管理職への転職を目指してみても良いのではないでしょうか。
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では、安全管理は実際にはどのような業務で、どのような方法で行われるのでしょうか。
本項では、具体的な安全管理の手法についてご紹介します。
事前準備
まずは、実際の施工に入る前の事前準備です。
施工前に
- 安全を管理するための安全衛生管理計画
- 安全に作業を行うことに配慮した作業手順
を作成します。
安全衛生管理計画では、基本の方針や安全の目標、事故防止のためにどんな対策を行うかということを記載します。
この計画に沿って安全の管理を行っていくほか、作業員は作業手順に基づいて作業を行うことになるため、綿密な計画が必要となるでしょう。
作業場の環境への対策
作業時には、事故の発生リスクを考え作業場の環境を整えていきます。
例えば高所での作業時には、転落防止や作業に使う物の落下防止のために防護柵の設置や落下防止ネットの導入、また上下での作業が極力発生しないような作業手順の作成をします。
他にも段差や通路の凸凹を解消したり、転倒が予測される箇所には注意看板を設置するなど、様々なリスクに対して作業環境を改善することで対策を行うのが重要な安全管理のひとつです。
また、屋外作業を行う現場では天候や季節に応じた対策も重要ですね。
強風や雨による浸水など、悪天候で作業に危険が及ぶことが予測される場合は中止の判断を行わなければならないこともあるでしょう。
定期的な確認・点検
作業実施日には、パトロールを実施して安全が確保されているかどうかや危険なことはないかを確認し、問題があった場合には即座に対処します。
パトロール時には、事前に安全に配慮して作成した作業手順が守られているかも合わせて確認します。
作業員が手順をしっかりと守って作業を行うためには、手順やルールを事前に漏れなく周知しておく必要があるでしょう。
また、作業には様々な器具機械を使うことになります。
故障があれば安全はもちろん作業自体にも支障が生じますので、事前にそういった器具の点検・修理を行うのも安全管理の重要な工程です。
作業場の安全対策のために設置された設備に関しても、都度損傷がないかを確認して安全を維持します。
作業員とのコミュニケーション
手順やルールを周知することも含まれますが、作業員とコミュニケーションをとって「ヒヤリハット」の共有をすることでも事故を未然に防ぐことができます。
「ヒヤリハット」とは、大きな事故にはならなかったけれど事故につながる恐れがあった事例のことを指します。
現場でそういった事例があった場合には、他の作業員にも具体的に共有することで注意喚起になるでしょう。
ヒヤリハットの共有とともに、注意すべきポイントや手順を毎作業前に確認し、作業員に安全への心構えや危険予知を教育することも重要な業務のひとつですね。
また、作業員の体調を把握し管理することも求められます。
体調が優れないまま作業を行えば、体調の重大な悪化やヒューマンエラーによる事故を招く可能性もあります。
例えば作業開始前には体調のチェックシートを毎回記入するなど、作業員が体調を報告・把握しやすいような環境を作りましょう。
ご紹介したように安全管理では安全のために様々な対策を行いますが、これらの業務にはどのようなスキルが求められるのでしょうか。
施工管理の業務経験
安全管理は、施工管理業務の一環として行われていました。
そのため、施工管理において求められる作業員とのコミュニケーション能力や危機管理能力などの様々なスキルが同様に必要とされます。
施工管理技士として施工管理を行った経験がある方はこういった必要なスキルを実践的に身に着けていると考えられ、重宝されるでしょう。
施工管理技士資格
コミュニケーションなどのスキルだけでなく専門的な知識が必要とされる安全管理職において、施工管理経験とともに重要視されるのが、施工管理技士の資格です。
施工管理技士資格は施工管理を行うスキルを証明する国家資格で、電気工事や土木、管工事などそれぞれ担当する分野によって7種類ほどに区分されています。
安全管理では、特に建設現場での管理を行う建築施工管理技士資格を取得しておくとよいでしょう。
建築施工管理技士資格には扱える現場の規模などが変わる2級・1級の2つの難易度があるため、今後取得を目指す方はまずは2級から挑戦するのがおすすめです。
建築施工管理技士資格について詳しく知りたい方は こちらの記事もぜひご参考ください。
今回は建設現場において重要な安全管理についてご紹介しました。
安全管理は、建設現場の安全を守る重大な業務のひとつで、今や独立したひとつのポジションとされることも増えつつあります。
安全管理を専任で行うポジションで働く場合、施工管理技士の経験や知識が求められますが、あくまで施工管理技士の業務の一部を専任で行う仕事であるため、業務量は施工管理技士より少なくなります。。
そのため、激務のイメージで施工管理技士を敬遠している方にもおすすめです。
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