ボイラー技士とは?仕事内容や受験資格を紹介
ビル設備管理業界で必須と言われる「ビルメン4点セット」の1つで、高い需要があるボイラー技士。
本記事では、ボイラー技士の仕事内容や取得のメリット、試験の受験資格や合格率まで詳しく解説します。
ボイラー技士はボイラーを取り扱うための資格であり、ボイラーの伝熱面積が3㎡を超えるようなボイラーの取り扱いをするために必要になります。それ以下のものであれば無資格でも扱えますが、3㎡を超えるものも多く、仕事の幅に大きな制限がかかります。
工場のボイラーやプラントの運転の場面で必要になるだけではなく、ビルメンテナンスの場面でもこの資格は欠かせません。いわゆる「ビルメン4点セット」の内の1つです。
ビルや多くの工場施設ではボイラーが使われているためボイラー技士は需要が高く、資格を取得すれば、転職でも有利になるでしょう。
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仕事内容
伝熱面積が3㎡以上のボイラーの操作や点検、運用、管理、修繕、必要に応じて業者の手配を行う仕事です。主な仕事場所としてはビルや工場、プラント、中小規模の商業施設や医療施設も対象になります。様々な場所で活躍できますが、ボイラー技士の仕事は場所で大きく変わるものではありません。
また建設会社でボイラーに関わる設備の設置が関わる場合は、ボイラー技士を必要とするケースもあります。
ボイラー技士になるメリット
ボイラー技士になるメリットは「転職で優位になること」「仕事の幅が広がること」です。ボイラー技士は「ビルメン4点セット」の1つに数えられ、ビルの設備管理には欠かせません。資格所有者の需要は常にあるため、ボイラー技士を持っていると転職で効果的にアピールでき、収入アップにも繋がるでしょう。
またビルのボイラー設備に携わる人の場合、経験があっても、ボイラー技士の資格があるかどうかで面接の結果が変わることもあります。逆に、未経験でもボイラー技士の資格があれば面接に通る可能性も高くなるでしょう。
近年は簡易ボイラーのようにボイラー技士の資格がなくても扱えるボイラーが増えてきています。しかし、ビルや商業施設のような施設ではまだまだ大型のボイラーがなくなることはありません。そういった点からも、将来性は十分ある仕事です。
二級ボイラー技士の受験資格
二級ボイラー技士の受験資格は特にありません。本人確認書類さえあれば、問題なく受験できます。
二級ボイラー技士試験は開催回数が多く、全国7箇所の安全衛生技術センターで月に1回以上の頻度で実施されています。もちろん受験料はかかりますが、年に1回しかチャンスのない試験に比べて取得しやすい部類の資格と言えるでしょう。
ただし、資格試験に合格しても、免許の発行を受けるには「ボイラーに関する実務経験がある」「海技士(機関3級以上)免許を有する」などの要件があります。
免許を受ける要件を満たさない人の場合は、試験合格後にボイラー実技研修を20時間受けるか、ボイラー取扱技能講習を受けて4ヶ月の実務経験を積まなければなりません。
早く免許を取得したい場合には、実技研修を受けるのがオススメです。
実技研修は3日で終わりますが、受講人数も多いと予約が取りにくい場合もあるため、早めに予約するようにしましょう。3日全てスケジュールが決まっており、欠席もできないため注意が必要です。
また、実技研修は資格取得前に受講しても問題ないため、試験前に受講する選択肢もあります。
二級ボイラー技士を取得することで、25㎡未満のボイラーを取り扱うことが可能となります。これ以上の大きさのボイラーを扱う場合は、一級または特級ボイラー技士の資格が必要です。しかし、これらの資格取得には二級ボイラー技士の取得から始めた方が良いでしょう。
一級ボイラー技士の受験資格
一級ボイラー技士の受験資格は「二級ボイラー技士の資格を取得している」こと、または「ボイラーに関する学科を大学や高等専門学校、高等学校で修め、1年以上の実施修習をしていること」が主な条件です。
熱管理技士免状や海技士免許を持っている場合など、一部資格を保有している場合も受験資格があります。詳しくは安全衛生技術試験協会のウェブサイト をご確認ください。
免許を受けられる人は、二級ボイラー技士の資格取得者の場合、二級ボイラー技士の資格取得後、2年以上ボイラーを取り扱った経験がある人、または1年以上ボイラー取扱作業主任者の経験がある人です。これは小型ボイラーの場合は対象になりません。
上記以外にも一部条件を満たすことで免許の発行が可能になりますが、条件がかなり細かいため、本記事では割愛します。
一級ボイラー技士を取得することで、500㎡未満のボイラーを扱えます。工場や事務所、病院などはこのくらいの規模のボイラーを使用していることが多いです。これ以上の大きさのものは特級ボイラー技士の資格が必要です。特級ボイラー技士取得のためには、一級ボイラー技士を取得してからステップアップしましょう。
特級ボイラー技士の受験資格
特級ボイラー技士の受験資格は「一級ボイラー技士の資格を所有していること」が主な条件です。または「ボイラーに関する学科を大学や高等専門学校、高等学校で修め、2年以上の実地修習をしている」場合も受験可能です。
熱管理技士免状や海技士免許を持っているなど、一部資格を保有している場合も、受験資格があります。詳しくは安全衛生技術試験協会のウェブサイト をご確認ください。
免許を受けられる人は、一級ボイラー技士の資格取得者の場合「一級ボイラー技士の資格取得後、5年以上ボイラーを取り扱った経験がある人」または「3年以上ボイラー取扱作業主任者の経験がある人」です。これは小型ボイラーの場合は対象になりません。
上記以外にも一部条件を満たすことで免許の発行が可能になりますが、条件がかなり細かいため、本記事では割愛します。
この資格を取得することで、伝熱面積の制限なくボイラーを取り扱うことが可能になります。特級ボイラー技士は仕事の幅が非常に広いため、取得すれば転職でも大きなアドバンテージになります。特に、大規模工場やプラント建設会社での需要が高いでしょう。
ボイラー技士の資格の合格基準は全体の得点率が60%以上、各科目の得点率が40%以上です。ボイラー技士の試験の出題科目は「ボイラーの構造に関する知識」、「ボイラーの取扱いに関する知識」、「燃料及び燃焼に関する知識」、「関係法令」の4つです。
上記の条件は二級、一級、特級どの場合でも共通です。出題形式は二級と一級はマークシート方式です。特級の場合は選択形式に加え、記述や計算問題もあるため二級、一級よりも難易度が高くなります。
安全衛生技術試験協会によると、それぞれの合格率は以下の表の通りです。
年度 | 資格名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
令和2年度 | 特級ボイラー技士 | 430人 | 125人 | 29.1% |
一級ボイラー技士 | 3,100人 | 1,577人 | 50.9% | |
二級ボイラー技士 | 16,098人 | 9,400人 | 58.4% | |
令和元年度 | 特級ボイラー技士 | 498人 | 151人 | 30.3% |
一級ボイラー技士 | 4,932人 | 2,588人 | 52.5% | |
二級ボイラー技士 | 25,192人 | 12,803人 | 50.8% |
出典:安全衛生技術試験協会HP より引用
一級と二級では合格率に大きな違いはありませんが、特級の場合は30%程度とやや低めです。問題形式が変わり、難易度も上がっていることが主な原因と考えられます。
どれも得点率が条件を満たしていれば合格できるため、周りの状況に左右されず、自分が得点を取れるかどうかに集中することが大切です。
ボイラーを取り扱う業務に携わりたい場合、ボイラー技士は欠かせない資格です。
ビル設備管理業界で重宝される資格「ビルメン4点セット」の1つで高い需要があるため、資格を取得することで仕事の幅も広がり、年収アップにも繋がります。転職にも有利になるでしょう。
二級ボイラー技士は誰でも受験資格がありますが、一級、特級はそれぞれ1つ下のグレードの取得をしてから受験することになります。
まずは二級取得を目指し、特級を目指すなら次に一級を取得するなど、1つずつステップアップしていきましょう。
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