電気工事士一種と二種の違いは?電気工事士資格の違いについて徹底解説
「電気工事士」の資格は、第一種と第二種に分かれており、様々な違いがあります。仕事内容や年収、試験内容、難易度など電気工事士資格の違いを解説します。
電気工事士の資格は電気工事を行うのに必要な国家資格で、工事範囲により「第一種電気工事士」と「第二種電気工事士」の二つに分けることができます。
基本的には職務を行える範囲が大きな違いとなりますので、試験内容なども大きな違いがあります。
工事できる範囲の違い
第二種電気工事士は「一般用電気工作物」にしか従事できませんが、第一種電気工事士は一般用電気工作物に加え、「500kW未満の自家用電気工作物」に従事することができます。
第一種電気工事士はビルや工場の電気設備から小規模な工事まで行うことができ、第二種電気工事士は小規模な工事しか行えないと覚えておけば良いでしょう。
第一種電気工事士の資格を取得すれば大体の電気工事を行うことができますが、電気工事の中には一部特殊な工事があります。それに対しては別の資格が必要となってくるので、すべての工事を行うことができるわけではありません。
試験の違い
第一種電気工事士の場合は工場やビルなどの電気工事を行うことができるため、第二種電気工事士と比べると試験範囲が異なります。なお、第一種・第二種とも受験にあたって特に資格は必要はありません。ただし、技能試験に合格しても第一種電気工事士の資格免状の交付を受けるには3~5年(学歴によって異なる)の実務経験を積む必要があります。
◆学科試験
第一種電気工事士は第二種電気工事士よりも職務範囲が広がるため、学科試験の範囲も広くなります。
第二種電気工事士の学科試験範囲に「自家用電気工作物に関する問題」と「発電施設、送電施設及び変電施設に関する問題」が加わりますので、第二種電気工事士の知識にプラスαが求められます。
計算に関しても第一種電気工事士は工場などの電気工事が増えるので、動力関係の計算などが出題されます。同様に高圧関係の知識も求められるので、過去問などでしっかりと勉強する必要があります。
◆技能試験
学科試験と同様に、第二種電気工事士よりも難易度が上がります。技能試験の問題として出題される複線図が複雑となるので、それに伴い試験での施工内容も増加します。
第一種では電線の種類に高圧も追加されることから、扱う材料も増えます。電線が太いと被覆を剥くのに時間がかかるので、もし練習できるのであれば事前に練習しておくと良いでしょう。
第一種電気工事士の技能試験用の練習キットなども販売されていますので、そのような教材を利用して事前に練習しておくこともおすすめです。
ただし、教材費用はやや高価なので、もし会社で練習できる方は会社で練習して、工具も実際に自分が使ったものを持参することがおすすめです。
難易度の違い
第一種電気工事士、第二種電気工事士共に試験としては筆記試験と実技試験の両方が出題されるので、試験の量としては変わりません。
しかし、出題範囲が違いますので絶対的な難易度としては「第一種電気工事士>第二種電気工事士」となります。
合格率としては「一般財団法人 電気技術者センター」のHPより、平成27年~令和元年の合格率を計算すると以下のようになります。
学科試験 | 技能試験 | 全体 | |
---|---|---|---|
第一種電気工事士 | 約47% | 約64% | 約30% |
第二種電気工事士 | 約60% | 約69% | 約40% |
技能試験の合格率はそれほど大きな差はないですが、学科試験に関しては第一種電気工事士受験者の半数が不合格となる試験ですので、難易度はそれなりに高めともいえます。
学科試験の対策が鍵となりますので、十分な時間をかけて学科試験対策しましょう。
年収や待遇面の違い
第一種電気工事士の年収は第二種電気工事士と比べて大きな開きがあります。
ビルのメンテナンスのような第二種電気工事士の募集が多い仕事の場合は、年収が400万円台~500万円台の会社が大半です。
一方、第一種電気工事士の保持者であればインフラや公共工事を主体としている会社で月給40万円以上、年収も700万円台の会社もあります。
ビルメンや一般の電気工事会社などでは第二種電気工事士でも求人募集していますが、第一種電気工事士の資格保有者を対象とした求人と比べると年収は低めです。(ただし、電気工事士の資格に加えて電気主任技術者の資格を取得していれば待遇が若干変わる会社もあります)
第一種電気工事士の資格を取得していれば良い会社に入れるというわけではありませんが、資格を取得していると年収アップできる可能性が高くなります。
就職・転職での違い
新卒での就職は基本的に実務経験がないので、第二種電気工事士を持っているだけでも大きなアピールとなり、新入社員から即戦力として期待されます。
ビルメンテナンスの仕事や、一般の電気工事会社及びプラントメンテナンスの会社では、第二種電気工事士でも優遇される可能性が高いです。
しかし、インフラや公共工事に関連する仕事となると一気にハードルが高くなり、基本的に第一種電気工事士の資格を取得している方を対象としています。
インフラや公共工事は日常生活などに関する仕事であり、高圧の電気も扱うので第一種電気工事士が求められるのです。
また、第一種電気工事士は実務経験がないと取得できないので「第一種電気工事士=確かなスキルと実績を持っている」という証明となることから、第二種電気工事士ではなく第一種電気工事士が求められるのです。
そのため、就転職の際に第二種電気工事士の資格を持っているからと油断せずに、しっかりと実務経験を積み3年(もしくは5年)経過後、すぐに第一種電気工事士の資格を取得することで、転職には非常に有利になります。
電気工事士以外にも電気に関する資格は存在します。その中でも電気工事士資格と一緒に取得するのが多いのが「第三種電気主任技術者(通称電験三種)」と「電気工事施工管理技士」です。
第三種電気主任技術者との違い
電気関係の資格の一つに第三種電気主任技術者(電験三種)があります。基本的に事業用の電気工作物を設置している会社では、その工事や維持を行うのに電気保安のための責任者として電気主任技術者を指名する必要があります。電気主任技術者の配置は法令で義務付けられていますので、必ず任命しなければならないのです。
その為、電気主任技術者は工事を行うわけではなく、工事や保守または運用などの際の監督者としての位置づけになります。
電気工事士は「実際に電気工事に従事する人」、電気主任技術者は「工事や保守運用を監督する人」となりますので、全く別の職務となります。
電気主任技術者の資格を所持していれば、大きな工場などで電気保安の責任者として任命されます。会社としてはこのような技術者が社内にいるのは大きなメリットです。
電気主任技術者も基本的に受験資格に制限はありません。難易度は非常に高いですが転職にも有利な資格ですので、取得することがおすすめです。
電気工事施工管理技士との違い
実際に電気工事に従事する電気工事士に対し、電気工事施工管理技士は工事の進行全体を管理します。
電気工事施工管理技士は建築工事に関する資格です。
元請けとして4,000万円以上の工事を請け負った際には、工事の水準を保つために「監理技術者」と呼ばれる専門の技術者を建築現場に選任させる必要があります。
この監理技術者になるための資格の一つとして、1級電気工事施工管理技士の資格があります。
1級電気工事施工管理着の資格を取得し、監理技術者として工事現場に専任になると主に施工計画の作成や安全・品質・工程管理などのマネジメント、つまり管理的な仕事をすることになります。
ただ、電気工事施工管理技士の資格は基本的には施工監督としての実務経験が求められますので、プラント建設やゼネコン、電気設備工事を専門とするサブコンに所属していないと取得するのが難しいのが現状です。
施工管理技士としては他に「管工事」や「土木」などもあり、その工事ごとに選任できる工事現場が違います。
Q: 電気工事士一種と二種の違いは何ですか?
A: 従事できる工事範囲が異なります。第二種は一般用電気工作物のみで、比較的簡単かつ小規模な工事に限られますが、 第一種は一般用電気工作物および500kW未満の自家用電気工作物に従事できます。
Q: 電気工事士一種と二種の転職先における違いとは?
A: 第二種は一般的な電気工事会社やビルメンテナンスの仕事、実務経験が必須となる第一種では公共工事やインフラ関連の仕事が主な転職先となります。
第一種電気工事士、第二種電気工事士を取得しておけば、電気工事に携わる企業への転職で有利になります。
第二種でも活躍の場は多くありますので、まずは第二種を取得して現場経験を積み、上位資格の第一種を狙うことをオススメします。
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