ゼネコンとは? 概要やその仕事内容を徹底解説
建設業の大企業らしいということはなんとなく分かっていても、どんな企業を指しているのか詳しくは知らない方も多い「ゼネコン」について詳しく解説します。
建設業界で働く中で、また、ニュースやメディアなどで「ゼネコン」という言葉を耳にしたことがありませんか?。
建設業の大企業らしい、ということはなんとなく分かっていても、「ゼネコン」とは何を略した言葉でありどんな企業を指しているのか、詳しくは知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんなゼネコンについて、その概要を詳しくご紹介していきます。
ゼネコンとは、英語で「全般的な・全面的な」という意味のあるGeneralと「(土木・建築業界などの)請負人」という意味があるContractorを合わせた「General Contractor(ゼネラル・コントラクター)」を略した言葉です。
その意味が指す通り、ゼネコンは発注者から元請けとして建設工事一式を請け負い、建築や土木、設備など様々な建設業務において全体の取りまとめを行っています。
携わる業務は多岐にわたり、企業によっては商業施設やテーマパーク、競技場など大きな建築案件や、生活の基盤となるようなインフラ設備のプロジェクトを担うことも多くあります。
ゼネコンと呼ばれるのに明確な定義はありませんが、「設計」「施工」はもちろん業務効率化や建築物の品質向上のための「研究」も行っていることが条件です。
こういった3つの面から日本の都市開発を支えるのが、ゼネコンの役割だということですね。
その業務内容から大都市の企業のことだけをイメージしがちですが、ゼネコンの中には特定の地域で活動する、地域に根ざした地場ゼネコンも存在します。
県道の舗装やダム建設のような地方の公共事業など、地方の生活に密接に関係する建設業務にも地場ゼネコンが関わっており、意外と身近な存在であることが分かります。
ハウスメーカーとの違い
ゼネコンと混同されがちなもののひとつにハウスメーカーがあります。
ハウスメーカーは多様な建設を行うゼネコンとは異なり、住宅を専門として設計・建築・発売を行っています。
ゼネコンよりも目にすることの多い業界かもしれませんね。
ゼネコン同様ハウスメーカーも、大都市を中心に全国各地に拠点を置く企業のほかに地域での営業を主とする地場企業があり、それぞれに特徴があります。
ハウスメーカーについてさらに詳しく知りたいという方は、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。
サブコンとは?
ゼネコンと関連する企業に、「Sub Contractor」の略であるサブコンがあります。
サブコンは元請けであるゼネコンから工事を請け負う、いわば下請けとなる企業のことを指します。
下請けとはいえ、各分野に特化した大手サブコンの売上高は大手ゼネコンに比肩する規模です。
その工事全般の設計・管理を行うゼネコンからサブコンへと担当の業務が発注され、サブコンはその担当する工事の施工管理を行う、といった形になります。
大規模なものではサブコンからさらに下請けの業者へと一部が発注されることもあり、多重下請け構造となるものもあります。
ゼネコンの4つの分類
ゼネコンは、その企業の売上や事業内容によっていくつかに分類されます。
主な4つの分類について、その特徴を見ていきましょう。
スーパーゼネコン
明確な定義はないですが、一般に完成工事高で上位5つのトップ企業を指すスーパーゼネコンです。いずれも売上高1兆円を超える大企業です。
ゼネコンは全国に100社以上あるとされていますが、その中でも以下の5社がスーパーゼネコンと呼ばれています。
高層ビル建設を得意としておりGINZA SIXを手掛けた鹿島建設や東京スカイツリーを手掛けた関西発祥の大林組など、この5企業は長年トップを走る歴史ある企業です。
ゼネコン、と聞くとこれらの企業を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
各企業の取り組みについてさらに知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。
準大手ゼネコン
準大手ゼネコンは、スーパーゼネコンに次ぐ企業のことを指しており、単独での売上高が3,000億円以上に上るといわれる企業を指します。
4,000億円を超える企業は、「大手ゼネコン」としてさらに細分化して呼ばれることもあります。
これらの企業も、スーパーゼネコンと同様高層ビルやダムなど大規模な建設工事を担っています。
中堅ゼネコン
目安として単独での売上高が1000億円~1500億円を超える企業は、中堅ゼネコンと呼ばれます。
中堅ゼネコンとして代表的な企業には以下のようなものがあります。
マリコン
売上での分類ではなく、その業務内容から「マリコン」と呼ばれるものもあります。
マリコン(マリン・コントラクター/Marine Contractor)とは、防波堤の建設や沿岸の埋め立てや海底トンネルの工事など、海洋関係の土木工事などを専門的に扱うゼネコンです。
中堅ゼネコンでも名前を挙げた企業もあります。
日本のマリコンは国内だけでなく世界でも評価されているため、海外の工事も多数担っています。
マリコンの特徴や業務についてさらに知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
前述の通りゼネコンは「設計」「施工」「研究」と大きく3つに分かれる様々な業務を担います。
業務の幅が広いため働いている人の職種も様々なゼネコンですが、大きく分類して5つの部門・職種で多くの人が活躍しています。
ここでは、それぞれの業務内容やそこで働くのに必要なスキルをご紹介します。
営業
まずは、発注者とコミュニケーションをとる営業です。
ゼネコンでは担う案件の内容から、基本的に企業や公共団体、公安庁などが取引先となります。
依頼を受注することもありますが、営業が企画内容を提案して依頼をもらうことはもちろん、官公庁が依頼する大きな案件などは「競争入札」と呼ばれる方式で契約を勝ち取ることもあります。
入札では各ゼネコン企業が工事の内容・費用・期間などを提示し、公平に競うこととなります。
各部門と連携しながら依頼を勝ち取り、顧客との信頼関係を築くのが営業の役割です。
そのため、高いコミュニケーションスキルが求められるでしょう。
設計
設計部門では、建築士資格や設計をデジタル化するCADシステムのスキルを持つ専門的な知識のある人が業務を行っています。
発注者がどのような完成形を描いており、何を希望しているのかをヒアリングし、それをデザインや利便性・実現性を考慮した適切な形で設計して図面や模型に起こすのが設計部の役割です。
設計は外観・内観のデザインを設計する「意匠設計」、安全性を考慮した構造をつくる「構造設計」、また電気・空調などの設備に関する「設備設計」の3つに大きく分けられます。
施工管理
施工管理は、ゼネコンの業務の中でも中心と言ってよい業務です。
設計されたものを実際に形にするために下請けとなる業者に依頼し、それらを取りまとめて現場全体の管理を行う役割を担っています。
建築施工管理技士や電気工事施工管理技士、管工事施工管理技士など、各工事の施工管理技士資格を持つ人材が多く在籍しています。
施工管理では、主に以下の5つの面から管理を行います。
- 工程管理
全体がスケジュール通り進行するようまず施工の計画書を作成し、計画書通りに進んでいるか進捗の確認と管理・調整を行います。 - 安全管理
現場の作業員の怪我や事故を防げるよう安全対策を行ったり、労働時間の管理をしてスタッフが安心して働ける環境をつくります。 - コスト管理
施工中の人件費や材料費などを都度調整し、赤字にならないようコストの管理をします。 - 品質管理
発注者が求める品質を損なっていないか、設計書どおりの材料が使用されているかを都度チェックします。 - 環境管理
自然環境・周辺環境・職場環境など、自然や周辺住民、作業者に悪影響が起きないように配慮・管理します。
研究・開発
新たな資材を開発しコスト削減を図ったり、効率化のための新たな工法を生み出したり、より品質の高い建設のために耐震技術を研究したりといったように、ゼネコンではより良い建設のための研究開発を行う部門があります。
独自の技術により他社との差別化を図るためにも今後の業界の発展のためにも重要な部門であり、力を入れている企業も多いでしょう。
現場での意見を取り入れ実践に活かすため、現場や設計の経験を経た人材が配属されることもあります。
エンジニア
スーパーゼネコンをはじめとした大規模な企業では、再生可能エネルギーの発電施設建設やプラント施設の建設における設計・管理を担うエンジニア部門も存在することがあります。
専門的な知識が必要な業務のためITインフラの開発経験やAI・IoTなど先端技術を扱うシステム開発の経験などを活かすことができます。
建築分野だけでなく、化学や物理分野などの知識を合わせて持つ方などもおすすめです。
大規模な建設企業であるゼネコンで働くことには、次のような魅力があります。
- 大規模なプロジェクトに関われる
場合によっては数千人が携わるようなスケールの大きな仕事に関わることができ、力試しやスキルアップにも良い環境です。 - 収入が高い
規模の大きな企業が多いため、収入の面でも期待できます。
公共性の高い事業も多く、安定しているのも魅力ですね。 - 社会貢献性が高い
学校や病院などの公共施設やダム、道路、また身近な商業施設など、生活に関わる建設業務に携わることが多いため、社会貢献性が高くやりがいを感じやすいでしょう。
今回はゼネコンについて、その概要や業務内容を詳しくご紹介しました。
大規模な建設を担うことが多いゼネコンでは大きな魅力ややりがいがありますが、それ以上に高いスキルや経験、資格が求められます。
特に大きな企業であればあるほど、資格や経験をしっかりと積んでいたとしても簡単に転職できるということはありません。
建設転職ナビの「無料転職支援サービス」では、経験や希望する職種、適性をもとに弊社の経験豊富なコンサルタントが無料で転職をご支援いたします。
ゼネコンへの転職に興味がある、ゼネコンへの将来的な転職を目指し経験を積みたいという方は、ぜひご利用ください。
建設業界に精通したコンサルタントが徹底サポート!!
今すぐサポートをご希望の方は
建設転職ナビにご登録ください
-
職種で検索
建築設計 意匠設計 構造設計 土木設計 電気設備設計 機械設備設計 設備設計・その他 建築施工管理 アフターメンテナンス 土木施工管理 電気工事施工管理 管工事施工管理 設備施工管理・その他 造園施工管理 プラント機械施工管理 プラント電気施工管理 プラント土木建築施工管理 プラント施工管理・その他 プラントプロジェクトマネージメント プラントオペレーター ビル設備管理 プラント設備管理 施設管理 建築積算 土木積算 設備積算 発注者支援 測量・点検・調査 コンストラクションマネジメント(CM) プロジェクトマネージャー(PM) 設計監理 確認検査 品質管理 エクステリア(造園)設計 営業職(建築) 営業職(土木・建設コンサル) 営業職(設備) その他技術職 営業職(建設その他) 電気設備保全 機械設備保全 マンションフロント 用地仕入 不動産開発 賃貸管理 アセットマネジメント(AM) プロパティマネジメント ビルマネジメント(BM) 法人営業(不動産) 法人営業(住宅) 個人営業(不動産) 個人営業(住宅) その他専門職(住宅・不動産) -
資格で検索
1級建築施工管理技士 2級建築施工管理技士 1級土木施工管理技士 2級土木施工管理技士 1級管工事施工管理技士 2級管工事施工管理技士 1級電気工事施工管理技士 2級電気工事施工管理技士 1級電気通信工事施工管理技士 2級電気通信工事施工管理技士 1級建設機械施工管理技士 2級建設機械施工管理技士 1級造園施工管理技士 2級造園施工管理技士 監理技術者 エクステリアプランナー 一級建築士 二級建築士 木造建築士 建築設備士 構造設計一級建築士 設備設計一級建築士 計装士 CAD利用技術者 エネルギー管理士 建築物環境衛生管理技術者 高圧ガス製造保安責任者 危険物取扱者 消防設備士 甲種 消防設備士 乙種 消防設備点検資格者 ボイラー技士 給水装置工事主任技術者 第一種電気工事士 第二種電気工事士 第一種電気主任技術者 第二種電気主任技術者 第三種電気主任技術者 工事担任者 建築積算士 建築コスト管理士 認定コンストラクション・マネジャー 技術士 技術士補 RCCM 測量士 測量士補 地理空間情報専門技術者 地質調査技士 補償業務管理士 土壌汚染調査技術管理者 コンクリート技士・診断士 土木鋼構造診断士 土木学会認定土木技術者資格 宅地建物取引士 管理業務主任者 マンション管理士 建築基準適合判定資格者 住宅性能評価員 建設業経理事務士 労働衛生コンサルタント その他 建設・不動産関連資格 -
都道府県で検索