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建設技術者が「転職」を考えたときに読むコラム 狙い目?「造園施工管理」というブルー・オーシャン

都市部を中心に公園や道路などの公共スペースの緑化需要が増加中の造園施工管理。いま、この造園施工管理が狙い目だとご存知でしたか?

「造園施工管理」と聞いて、「ぞうえん……って植木屋……さん、とか……?」となる人は、この記事を読む建設技術者のなかにはいないはず。

そう、ご存知のとおり公園や道路などの公共スペースの緑化や遊園地の植栽造成に携わる仕事こそが、造園施工管理。実は現在、都市部を中心に需要が増加中です。大規模な造園工事の多くは、「造園施工管理技士」という有資格者のもとでおこなわれています。

今回は、「その造園施工管理こそ狙い目!」だとお伝えしたい記事です。

造園工事業を取り巻く現状

建設業法第二条第一項に定められる建設業許可29業種のうちのひとつ、「造園工事」。造園工事とは、「整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造する工事」を指します。

 

これまで造園と言えば、個人邸宅の庭園や、人口増による都市開発に伴って新たに設置された公園などの造成がメインでした。しかし今は、お屋敷……とまではいかなくても、それなりの敷地を有する個人邸宅自体が少なくなり、庭園の新規造成・整備の需要が減っています。また人口減少により、公園がまったく新規でつくられることもなくなりました。

 

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2017年とすこし前のデータですが、造園工事業者の業者数は2004年度までほぼ横ばいで推移していたものの、2005年度に減少に転じ、2017年度には2004年度の8割程度に。また造園工事業の就業者数も2013年度を除き年々減少しており、2015年度においては40,000人を下回るほど。造園工事業における就業者の減少幅は、建設業全体の就業者数のそれより大きくなっているのです。

 

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出典/(一財)建設経済研究所 MONTHLY No.350 2018.4

 

じゃあ、造園業界はジリ貧なの……? いえいえ、決してそうではありません。

 

造園工事業界の売上高(完成工事高)は年々減少していましたが、2013年度からは徐々に上向いています。また付加価値額についても増加傾向ですが、内訳を見ると労務費および人件費は2005年度の半分程度に。営業損益は2012年度に黒字に転じて以降、2015年度では前年度比プラス30.1%と、4年連続で黒字です。

 

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出典/(一財)建設経済研究所 MONTHLY No.350 2018.4

 

需要のカギは「緑化」。巨大建築物の屋上に芝生をそなえて2020年にオープンした渋谷・ミヤシタパークや、青々と木々が茂る“アクロス山”となったアクロス福岡(1995年竣工)を思い出していただければご理解いただけるでしょう。地球温暖化防止、あるいは快適な生活環境実現のため、ビルの屋上緑化・壁面緑化や都市公園整備が進められるようになったことで、造園業は脚光を浴びているのです。

 

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上/アクロス福岡(福岡県福岡市) 下:ミヤシタパーク(東京都渋谷区)

 

造園施工管理技士は、そんな造園工事の総合的な責任を担います。現場の安全管理や品質管理はもちろんのこと、工程管理や工事原価管理などをおこなう国家資格「〇〇施工管理技士」のひとつです。

造園施工管理技士なる仕事

造園施工管理技士には他の施工管理技士とおなじく「1級」と「2級」があり、この資格を持てば有資格者のみが監督となれる大規模工事にも携われるため、仕事の幅が大きく広がるはず。国家資格である造園施工管理技士は、受験するために以下の条件を満たす必要があります。

1級造園施工管理技士

受験資格:実務経験3年以上の施工管理経験および1年以上の現場管理経験を有する者

試験回数:年1回

試験内容:学科試験・実地試験

2級造園施工管理技士

受験資格:実務経験1年以上

試験回数:年2回(※前期は学科試験のみ)

試験内容:学科試験・実地試験

 

 

受験内容は1級・2級ともに「学科」「実地」試験の2部構成でした。……「でした」と過去形なのは、2021年度試験から新しい技術検定制度で実施されるから(昨年度はコロナ禍で中止)。

 

新制度では、現行の「学科」「実施」試験ではなく、「1次」「2次」に再編されます。1次の合格者には監理技術者を補佐する「技士補」、2次の合格者に「技士」の資格が付与されることになるそう。

 

さて、2019年度におこなわれた1級・2級「学科」「実地」試験の結果を見てみましょう。

 

 級種別受験者数合格者数合格率
1級実地試験1,880人744人39.6%
2級学科試験2,448人1,247人50.9%
実地試験2,829人1,063%37.6%

1級「実地」合格者を属性別に見ると、年齢別では30歳~34歳が最多の19.0%、次いで40歳~44歳の18.7%、35歳~39歳と45歳~49歳が17.1%でした。いっぽう、2級「実地」は25歳~29歳が最も多い17.6%で、40歳~44歳の15.1%、35歳~39歳の14.9%、30歳~34歳の14.5%と続いています。キャリアアップに不可欠ゆえ、20代中盤~30代中盤でチャレンジする人が多いようですね。

 

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(一財)全国建設研修センターHP

 

建設業許可を受けた建設業者が工事する際には「主任技術者」の存在が必要です。主任技術者になるためには、1級もしくは2級施工管理技士の資格(もしくは準ずる資格)が必要なのです。
造園工事未経験者であれば、まずは2級施工管理技士の合格を目指すことになります。

 

しかし、1級・2級ともに受験資格として不可欠なのが「実務経験」。実務経験とは、実際に施工に従事した経験や施工を指揮・監督した経験を指し、設計のみや雑用・手伝い程度では実務経験と認められません。

 

上記の2級「実地」の合格者を実務経験年数別で見ると5年以下(38.9%)が最も多く、2級であってもしっかりと現場経験を積み、知識を体系化して取り組まないと受からない試験であることが分かります。

 

繰り返しますが、2級造園施工管理技士「実地」の合格率は37.6%。2019年度の2級建築施工管理技士「実地」が合格率27.1%、2級土木施工管理技士「実地」が合格率39.7%であることを考えると、試験そのものが他に比べて特別難しいわけではありません。

 

造園工事未経験者最大のネックは、やはり実務経験。土木施工管理経験があれば採用する会社は存在するので、そこに入社して造園工事の実務経験を積み、2級造園施工管理技士試験に挑む――というのが造園施工管理マンになるための正攻法といえるでしょう。

 

いや、そんなわざわざイバラの道を進まなくても……と思う向きもあるかもしれません。しかし、先述のようにビル・都市の緑化需要は引き続き多くあり、造園施工管理技士は多くの企業に求められています。いっぽうで、プレイヤーの数自体は少ないまま。

 

【参考:受験者数比較】

資格名 受験者数
2級建築施工管理技士22,663人
2級土木施工管理技士26,469人
2級造園施工管理技士2,829人

※2019年度試験、すべて「実地」試験

 

つまり、有資格者はもちろん、未経験者でもひとたび造園施工管理技士に合格してしまえば、その希少性は高く、伸びていくマーケットで重宝される可能性が高いのです。まさにブルー・オーシャン(競争相手が少ない未開拓市場)と言えるのではないでしょうか。

 

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